[3月7日04:29.天候:雪 某県霧生市南部 日本アンブレラビル跡]
(この話に限り、三人称です)
善場:「こちら善場!ハートエリアに現着!」
善場はインカムでデイライト本部とやり取りをしていた。
まだ夜も明けない時間帯であり、外は暗い。
善場:「……はい。こちらは『2番』とKが突入しました。BSAAはベータチームが突入しています」
善場が突入せず、外で待っていたのには理由があった。
かつてはゾンビパラダイスと化していたこの町も、今はゾンビの姿は全く見受けられない。
廃墟のビルの壁を突き破って、何かが出て来た。
それは『1番』と『2番』のリサだった。
リサ:「待てぇーっ!逃げるなぁぁぁぁっ!!」
リサは第1形態の鬼の姿をしており、それは『1番』も同じだった。
『1番』:「あなたの御主人様は美味しかったよ。私の残り物で良ければ、アンタも食べてみたら?」
リサ:「ブッ殺す!!」
善場は狙撃用ライフルを構え、『1番』が地面に着地するのを待った。
そして、1番が消灯している街灯の上に立つ。
リサと比べて多くの人間を食した為に、身体能力自体は『2番』のリサよりも上回っているようだ。
だが……。
『1番』:「!?」
『1番』は自分に向けて放たれたライフルに気づき、それを交わすと、銃弾が放たれた方向に跳んだ。
『1番』:「あら?あなたは……誰だったっけ?」
善場はライフルではなく、今度は近距離用のショットガンを取り出した。
そして、それを構える。
善場:「リサ・トレヴァー『0番』、善場優菜。死に場所は決まった?」
『1番』:「『0番』?ああ。確か、元『12番』だったっけ。今はただの人間の」
善場:「ええ、そうね。死ぬ前に1つ教えてくれない?」
『1番』:「残念だけど、そんな時間は無いの」
善場:「まあ、そう言わずに。『2番』とあなたは同等の完成品だった。だけど、どうしてあなたは『2番』と違って、いいコにできなかったの?」
『1番』:「はっ(笑)、何を聞くかと思えば……。自分で探ったらー?」
善場:「分かった。それじゃ、質問を変えましょう。白井は……」
次の瞬間、『1番』の長く鋭く尖った爪が善場の首に刺さった。
善場:「がっ……!はっ……!」
倒れる瞬間、善場はショットガンを発砲させたが、ほぼ暴発に近い発砲だったので、『1番』に当たることは無かった。
『1番』:(ちっ。『0番』じゃ、このくらいじゃ死なないか……)
首から血を噴き出している為、普通の人間なら死亡は免れなかっただろう。
しかし、『1番』は善場にトドメを刺すことはできなかった。
何故なら、すぐ後ろに『2番』のリサが迫っていたからである。
リサ:「待てっ!待てぇぇぇっ!」
『1番』:「あはっ(笑)、鬼さんこちら~!」
リサ:「オマエも鬼だろうがぁぁぁぁっ!!」
リサは倒れている善場を横目に『1番』を追い掛けた。
善場の血は、まるで水道の蛇口を締めるかのように見る見るうちに止まり、そしてズプズプという音がして傷口が塞がれていった。
そして、最後には傷痕すら残さずに完全に治癒してしまった。
善場:「こういう時、逆に変化ができないと不便に感じてしまうわ。愛原リサ、あとは頼んだわよ」
善場はリサの走り去った方向を見ながらそう言うと、自分はビルの中に入っていった。
ゾンビやら幽霊やら出そうな廃墟ビルだが、実際はそんなものはいなかった。
もっとも、白骨死体はあちらこちらに転がっている。
この白骨死体達は元はゾンビだったのか、或いはゾンビに食い殺された人間だったのかは不明だ。
はたはまた、獲物が無くて餓死したゾンビの成れの果てか。
いずれにせよ、白骨死体になれば、元は全員が普通の人間だと分かる。
善場はヘッドランプを点け、一応はショットガンを構えながら先に進んだ。
BSAA隊員A:「善場さん」
ビルの地下へ下りると、そこには先行して突入したBSAAの隊員がいた。
善場:「この先にターゲットは?」
BSAA隊員B:「いました。愛原学氏ですね」
善場:「無事でしたか?」
隊員A:「目立った外傷はありません。ですが、恐らく『1番』による性的暴行の痕が見受けられます。つまり、『感染』の疑いもありますので、搬送は慎重に行う方針です」
善場:「分かりました。慎重に行うのは大いに結構ですが、しかし迅速な対応もお願いします」
隊員A:「分かっていますよ」
善場:「愛原所長はTウィルスに関しては完全な抗体を持っており、Gウィルスに関しても抗体を持っています。今のリサ・トレヴァーの能力からして、それ以外のウィルスに感染した恐れは少ないと思います」
隊員B:「ですが万が一のことは考えるべきだと思っています。とにかく、ここは我々にお任せください」
善場:「分かりました。スノーモービルを貸してもらえませんか?」
隊員A:「構いませんが、どちらに?」
善場:「『1番』を追います。人間に戻ってしまった『0番』の私は見守ることしかできませんが、しかし未だにナンバリングを持つ者としてはそれが責務だと思います」
隊員B:「分かりました。では、ご自由にお使いください。ただ、現況の報告だけはお願いします」
善場:「分かりました」
善場はビルの外に出ると、BSAAの隊員達が乗って来たスノーモービルの1台に跨ると、それを走らせた。
善場:「栗原さん!」
途中、雪深い道を無理に走っていた栗原蓮華に追い付く。
栗原:「善場さん!」
善場:「後ろに乗って!『1番』を追うわ!」
栗原:「助かります!」
栗原は善場の後ろに乗った。
そして善場はスノーモービルを一気に加速させた。
[同日05:02.天候:曇 同市内南西部 霧生森林公園跡]
『1番』はリサに追い付かれたらしい。
そして、そこで激しい肉弾戦が行われたのだろう。
本来なら多くの人間を食したはずの『1番』の方が圧倒的に力が強いはずだった。
しかし、生来の臆病な性格は、例えどんなに力が強くなっても治らなかったと見える。
何が言いたいかというと、善場達がその現場に到着した時、『1番』は原形を留めぬほどの化け物に変化していたというわけだ。
自分がそれなりに傷ついても、落ち着いて対応すれば、『2番』のリサを返り討ちにすることはできたはず。
しかし、『2番』のリサは第3形態の姿に留まっていた。
『1番』の方は、まるで映画のゴジラのような姿である。
『2番』のリサはどちらかというと、デビルマンのような姿。
善場:「リサ、それ以上の変化はダメよ!制御できなくなる!そこの『1番』みたいに……!」
リサ:「善場サン……」
栗原:「デカい……!」
善場:「デカいということは、それだけ的が大きくなったということよ。食らえ!」
善場は高橋が持っているはずのマグナムを撃ち込んだ。
しかし、それだけではやっぱり効かない。
善場:「やっぱり、マグナムでもダメか。せめて、ロケットランチャーでもあれば……」
善場はスノーモービルから降りると、さっきのBSAA部隊に連絡した。
ロケットランチャーを持ってきてもらおうかと思ったのだ。
しかし!
栗原:「善場さん!あれ!」
栗原が指さすと、上空にはヘリコプターが飛んでいた。
しかし、それはBSAAではない。
善場:「“青いアンブレラ”!?」
日本では活動を禁止された民間軍事会社“アンブレラ”のヘリコプターだった。
旧アンブレラの元関係者達が、過去の清算をする為に組織したものである。
そのロゴマークは紅白の日傘を上から見た図をデザイン化したものだったのを、現在では赤い部分を青色に変えたことから、通称“青いアンブレラ”と呼ばれる。
そのスライドドアを開け、そこからロケットランチャーを構えたのは……。
善場:「た、高野!?高野芽衣子!?」
東京拘置所で起きたバイオハザード事件に乗じて脱獄した高野であった。
高野は躊躇わず、怪獣に変化した『1番』に対してロケットランチャーを発射した。
それは『1番』に直撃し、大ダメージを受けた『1番』は第1形態へと戻って行く。
栗原:「今だ!」
栗原は公園の駐車場に放置されていた廃車に飛び乗ると、そこから落ちて来る『1番』の首に刀を振るった。
『1番』:「おま……鬼斬り……」
『1番』は首を刎ね飛ばされ、白い雪を鮮血で赤く染めながら体は仰向けに、首は雪の上に落ちた。
栗原:「とどめを刺す前に、もう1度確認させろ。この町で、私の兄弟を食い殺したのはオマエだな?」
『1番』:「……覚えてない」
栗原:「見ろ。私の左足はオマエに食い千切られた。女の子の左足だけ食い千切るなんて、そうそう無いだろう。覚えてないか?」
『1番』:「……ああ。そんなこともあったかもね。……くそっ!」
栗原:「!?」
首だけになった『1番』が悔しがったのは、体だけが起き上がり、首の無い姿で栗原の後ろから鋭い爪で襲い掛かろうとしていたからだ。
それを阻止したのは『2番』のリサ。
リサ:「危ないよ」
リサもまた第1形態に戻っていた。
栗原:「お前は何人、人を食い殺した?」
リサ:「覚えてるわけないよ、ソイツ!」
『1番』:「……フッ。5~6人くらいかな?」
リサ:「ウソつけぇ!その10倍以上は食べてるだろ!!」
栗原:「もういい。もうお前、死ね」
栗原は『1番』の頭に日本刀を貫通させた。
リサ:「もっと!もっと何度も突き刺して!それだけじゃ、こいつは死なない!!」
栗原:「こいつだけじゃなく、アンタもでしょ?そして……あなたも」
善場:「そうかもね」
体の方は善場がマグナムを何度も撃ち込み、最後には火葬した。
しかしその前に採血して、細胞のサンプルを採取することだけは忘れない。
頭の方は栗原とリサの執拗な攻撃で、原形を留めなくなった。
栗原:「お兄ちゃん……みんな……。仇は取ったよ……」
リサ:「これで『1番』は死んだ。あとは『2番』の私と『0番』の善場さんだけ」
善場:「ええ、そうね」
いつの間にか“青いアンブレラ”のヘリコプターは去っており、今度はBSAAのヘリがこちらに向かって来ていた。
(この話に限り、三人称です)
善場:「こちら善場!ハートエリアに現着!」
善場はインカムでデイライト本部とやり取りをしていた。
まだ夜も明けない時間帯であり、外は暗い。
善場:「……はい。こちらは『2番』とKが突入しました。BSAAはベータチームが突入しています」
善場が突入せず、外で待っていたのには理由があった。
かつてはゾンビパラダイスと化していたこの町も、今はゾンビの姿は全く見受けられない。
廃墟のビルの壁を突き破って、何かが出て来た。
それは『1番』と『2番』のリサだった。
リサ:「待てぇーっ!逃げるなぁぁぁぁっ!!」
リサは第1形態の鬼の姿をしており、それは『1番』も同じだった。
『1番』:「あなたの御主人様は美味しかったよ。私の残り物で良ければ、アンタも食べてみたら?」
リサ:「ブッ殺す!!」
善場は狙撃用ライフルを構え、『1番』が地面に着地するのを待った。
そして、1番が消灯している街灯の上に立つ。
リサと比べて多くの人間を食した為に、身体能力自体は『2番』のリサよりも上回っているようだ。
だが……。
『1番』:「!?」
『1番』は自分に向けて放たれたライフルに気づき、それを交わすと、銃弾が放たれた方向に跳んだ。
『1番』:「あら?あなたは……誰だったっけ?」
善場はライフルではなく、今度は近距離用のショットガンを取り出した。
そして、それを構える。
善場:「リサ・トレヴァー『0番』、善場優菜。死に場所は決まった?」
『1番』:「『0番』?ああ。確か、元『12番』だったっけ。今はただの人間の」
善場:「ええ、そうね。死ぬ前に1つ教えてくれない?」
『1番』:「残念だけど、そんな時間は無いの」
善場:「まあ、そう言わずに。『2番』とあなたは同等の完成品だった。だけど、どうしてあなたは『2番』と違って、いいコにできなかったの?」
『1番』:「はっ(笑)、何を聞くかと思えば……。自分で探ったらー?」
善場:「分かった。それじゃ、質問を変えましょう。白井は……」
次の瞬間、『1番』の長く鋭く尖った爪が善場の首に刺さった。
善場:「がっ……!はっ……!」
倒れる瞬間、善場はショットガンを発砲させたが、ほぼ暴発に近い発砲だったので、『1番』に当たることは無かった。
『1番』:(ちっ。『0番』じゃ、このくらいじゃ死なないか……)
首から血を噴き出している為、普通の人間なら死亡は免れなかっただろう。
しかし、『1番』は善場にトドメを刺すことはできなかった。
何故なら、すぐ後ろに『2番』のリサが迫っていたからである。
リサ:「待てっ!待てぇぇぇっ!」
『1番』:「あはっ(笑)、鬼さんこちら~!」
リサ:「オマエも鬼だろうがぁぁぁぁっ!!」
リサは倒れている善場を横目に『1番』を追い掛けた。
善場の血は、まるで水道の蛇口を締めるかのように見る見るうちに止まり、そしてズプズプという音がして傷口が塞がれていった。
そして、最後には傷痕すら残さずに完全に治癒してしまった。
善場:「こういう時、逆に変化ができないと不便に感じてしまうわ。愛原リサ、あとは頼んだわよ」
善場はリサの走り去った方向を見ながらそう言うと、自分はビルの中に入っていった。
ゾンビやら幽霊やら出そうな廃墟ビルだが、実際はそんなものはいなかった。
もっとも、白骨死体はあちらこちらに転がっている。
この白骨死体達は元はゾンビだったのか、或いはゾンビに食い殺された人間だったのかは不明だ。
はたはまた、獲物が無くて餓死したゾンビの成れの果てか。
いずれにせよ、白骨死体になれば、元は全員が普通の人間だと分かる。
善場はヘッドランプを点け、一応はショットガンを構えながら先に進んだ。
BSAA隊員A:「善場さん」
ビルの地下へ下りると、そこには先行して突入したBSAAの隊員がいた。
善場:「この先にターゲットは?」
BSAA隊員B:「いました。愛原学氏ですね」
善場:「無事でしたか?」
隊員A:「目立った外傷はありません。ですが、恐らく『1番』による性的暴行の痕が見受けられます。つまり、『感染』の疑いもありますので、搬送は慎重に行う方針です」
善場:「分かりました。慎重に行うのは大いに結構ですが、しかし迅速な対応もお願いします」
隊員A:「分かっていますよ」
善場:「愛原所長はTウィルスに関しては完全な抗体を持っており、Gウィルスに関しても抗体を持っています。今のリサ・トレヴァーの能力からして、それ以外のウィルスに感染した恐れは少ないと思います」
隊員B:「ですが万が一のことは考えるべきだと思っています。とにかく、ここは我々にお任せください」
善場:「分かりました。スノーモービルを貸してもらえませんか?」
隊員A:「構いませんが、どちらに?」
善場:「『1番』を追います。人間に戻ってしまった『0番』の私は見守ることしかできませんが、しかし未だにナンバリングを持つ者としてはそれが責務だと思います」
隊員B:「分かりました。では、ご自由にお使いください。ただ、現況の報告だけはお願いします」
善場:「分かりました」
善場はビルの外に出ると、BSAAの隊員達が乗って来たスノーモービルの1台に跨ると、それを走らせた。
善場:「栗原さん!」
途中、雪深い道を無理に走っていた栗原蓮華に追い付く。
栗原:「善場さん!」
善場:「後ろに乗って!『1番』を追うわ!」
栗原:「助かります!」
栗原は善場の後ろに乗った。
そして善場はスノーモービルを一気に加速させた。
[同日05:02.天候:曇 同市内南西部 霧生森林公園跡]
『1番』はリサに追い付かれたらしい。
そして、そこで激しい肉弾戦が行われたのだろう。
本来なら多くの人間を食したはずの『1番』の方が圧倒的に力が強いはずだった。
しかし、生来の臆病な性格は、例えどんなに力が強くなっても治らなかったと見える。
何が言いたいかというと、善場達がその現場に到着した時、『1番』は原形を留めぬほどの化け物に変化していたというわけだ。
自分がそれなりに傷ついても、落ち着いて対応すれば、『2番』のリサを返り討ちにすることはできたはず。
しかし、『2番』のリサは第3形態の姿に留まっていた。
『1番』の方は、まるで映画のゴジラのような姿である。
『2番』のリサはどちらかというと、デビルマンのような姿。
善場:「リサ、それ以上の変化はダメよ!制御できなくなる!そこの『1番』みたいに……!」
リサ:「善場サン……」
栗原:「デカい……!」
善場:「デカいということは、それだけ的が大きくなったということよ。食らえ!」
善場は高橋が持っているはずのマグナムを撃ち込んだ。
しかし、それだけではやっぱり効かない。
善場:「やっぱり、マグナムでもダメか。せめて、ロケットランチャーでもあれば……」
善場はスノーモービルから降りると、さっきのBSAA部隊に連絡した。
ロケットランチャーを持ってきてもらおうかと思ったのだ。
しかし!
栗原:「善場さん!あれ!」
栗原が指さすと、上空にはヘリコプターが飛んでいた。
しかし、それはBSAAではない。
善場:「“青いアンブレラ”!?」
日本では活動を禁止された民間軍事会社“アンブレラ”のヘリコプターだった。
旧アンブレラの元関係者達が、過去の清算をする為に組織したものである。
そのロゴマークは紅白の日傘を上から見た図をデザイン化したものだったのを、現在では赤い部分を青色に変えたことから、通称“青いアンブレラ”と呼ばれる。
そのスライドドアを開け、そこからロケットランチャーを構えたのは……。
善場:「た、高野!?高野芽衣子!?」
東京拘置所で起きたバイオハザード事件に乗じて脱獄した高野であった。
高野は躊躇わず、怪獣に変化した『1番』に対してロケットランチャーを発射した。
それは『1番』に直撃し、大ダメージを受けた『1番』は第1形態へと戻って行く。
栗原:「今だ!」
栗原は公園の駐車場に放置されていた廃車に飛び乗ると、そこから落ちて来る『1番』の首に刀を振るった。
『1番』:「おま……鬼斬り……」
『1番』は首を刎ね飛ばされ、白い雪を鮮血で赤く染めながら体は仰向けに、首は雪の上に落ちた。
栗原:「とどめを刺す前に、もう1度確認させろ。この町で、私の兄弟を食い殺したのはオマエだな?」
『1番』:「……覚えてない」
栗原:「見ろ。私の左足はオマエに食い千切られた。女の子の左足だけ食い千切るなんて、そうそう無いだろう。覚えてないか?」
『1番』:「……ああ。そんなこともあったかもね。……くそっ!」
栗原:「!?」
首だけになった『1番』が悔しがったのは、体だけが起き上がり、首の無い姿で栗原の後ろから鋭い爪で襲い掛かろうとしていたからだ。
それを阻止したのは『2番』のリサ。
リサ:「危ないよ」
リサもまた第1形態に戻っていた。
栗原:「お前は何人、人を食い殺した?」
リサ:「覚えてるわけないよ、ソイツ!」
『1番』:「……フッ。5~6人くらいかな?」
リサ:「ウソつけぇ!その10倍以上は食べてるだろ!!」
栗原:「もういい。もうお前、死ね」
栗原は『1番』の頭に日本刀を貫通させた。
リサ:「もっと!もっと何度も突き刺して!それだけじゃ、こいつは死なない!!」
栗原:「こいつだけじゃなく、アンタもでしょ?そして……あなたも」
善場:「そうかもね」
体の方は善場がマグナムを何度も撃ち込み、最後には火葬した。
しかしその前に採血して、細胞のサンプルを採取することだけは忘れない。
頭の方は栗原とリサの執拗な攻撃で、原形を留めなくなった。
栗原:「お兄ちゃん……みんな……。仇は取ったよ……」
リサ:「これで『1番』は死んだ。あとは『2番』の私と『0番』の善場さんだけ」
善場:「ええ、そうね」
いつの間にか“青いアンブレラ”のヘリコプターは去っており、今度はBSAAのヘリがこちらに向かって来ていた。