[6月29日10:00.天候:晴 宮城県栗原市某所 稲生家]
翌朝になって、稲生家の面々は蔵の中の整理を始めた。
それで分かったのだが、金庫は仙台箪笥の後ろに隠されるようにして置かれていた。
具体的には仙台箪笥を退かすと、その後ろに壁があるのだが、それに埋め込まれるようにして大きな防盗金庫が置かれていた。
稲生祐介:「姉貴はこの金庫の鍵を持っているらしいんだ」
稲生俊彦:「なして?」
祐介:「分かんね。姉貴が来たら、説明してくれるんじゃないの」
マリアは金庫に触ってみた。
マリア:「微かに魔法の気配がする。これは普通に鍵を掛けた後で、魔法が掛けられている」
勇太:「何ですって!?」
マリア:「しかも、その魔力は強い。私の力では、とても開錠できない」
勇太:「じゃあ、お姉さんが持ってくる鍵でも開かないってこと?」
マリア:「それは分からない。その鍵を見てみないことには……」
その時、蔵の外から車の音がした。
祐介:「姉ちゃんが来たよ!」
蔵の外に出ると、仙台ナンバーの軽のトールワゴンが止まっていた。
そこから降りて来たのは、1人の女性。
背が高く、正常な男性なら目が行って当たり前の巨乳である。
稲生理恵:「ホントだ。蔵が開いてる!」
祐介:「姉ちゃん、この人達が開けてくれたんだ!埼玉の叔父さんの所の人達!」
理恵:「初めまして。稲生理恵です。……ああ、あなたがあの外国人さんなんだ。悟朗君から聞いてるよ」
稲生悟郎はまた別の親戚の従兄である。
ダンテ一門の魔道士と結婚して、今はロシアのウラジオストク住まいである。
マリア:「どうも。マリアンナ・スカーレットです」
ミドルネームの悪魔名は基本的に名乗らない。
自分が魔女だと名乗るようなものだからである。
但し、そう名乗る必要がある場合は名乗る。
理恵:「うん、やっぱり悟朗君の所と同じ日本語ペラペラだ」
祐介:「姉ちゃん、それより鍵は?」
理恵:「持ってる。これだよ」
理恵は1本の大きな鍵を取り出した。
俊彦:「古い金庫だからか、鍵も古めかしいデザインだなや」
勇太:「どうして理恵さんが鍵を持ってるんですか?」
理恵:「お祖父さんがくれたんだよ。『これは蔵の中にある大事な金庫の鍵だから、蔵が開くまで持っててくれ』って」
マリア:「あの金庫に鍵を掛けたのは、誰だか分かりますか?」
理恵:「さあ……。お祖父さんじゃないの?きっと凄いお宝が入ってるんだと思ってるんだけど……」
俊彦:「凄いお宝が壺とか掛け軸なんだとしたら、もう外に運び出したど?」
理恵:「じゃあ、壺や掛け軸よりもっと凄いお宝!?」
勇太:「歴史的にはお宝なのかもしれませんが、金銭的な価値かどうかは【お察しください】」
理恵:「何それー?」
祐介:「とにかく開けてみようぜ」
理恵:「分かったよ」
マリア:「私が開けていいですか?」
理恵:「いいよ」
マリアは鍵を受け取ると、それを金庫まで持って行った。
マリア:(この鍵も、僅かながら魔法を帯びている。一体、誰が……?)
マリアは金庫に鍵を差す前に稲生家の面々に聞いてみた。
マリア:「どなたか私以外に、過去に外国人がこの家を訪れたりはしませんでしたか?」
すると、稲生家の面々は首を傾げた。
だが、俊彦が……。
俊彦:「俺が生まれる前……つまり、まだ親父と御袋が結婚する前だったと思うけど、進駐軍関係者が来たなんて話は聞いたことあるかな……」
マリア:「シンチューグン?」
勇太:「第2次大戦の後、日本を占領した連合国軍のことですよ」
マリア:「ああ!」
祐介:「何でこんな田舎に?」
理恵:「戦後の農地改革の視察で来たんじゃない?」
マリア:(第2次大戦の軍隊じゃ、男か……。じゃあ、違うな)
マリアは頭で否定して、鍵を開けた。
マリア:「!?」
その時、鍵から火花が飛び散った。
勇太:「マリア?!」
俊彦:「んぉっ!?何だ?!」
祐介:「静電気!?」
理恵:「ンなわけないでしょ!」
マリア:「いや、大丈夫……。(良かった。私が開けて。これ、トラップだわ……。魔力の無い者が開けたら、電撃魔法が発動して感電してた……。もっとも、ミドルマスター以上なら静電気すら発生させなかっただろうけど……。ということは、この魔法を掛けたのはミドルマスター以上か……)」
金庫は二重扉になっていて、もう1つの扉にも鍵穴があった。
マリア:「この鍵は?」
理恵:「さあ……」
祐介:「無ェのかよ!?」
俊彦:「これも、しっかり鍵掛かってんど!?」
マリアは鍵穴に触ってみた。
マリア:(今度は魔法は掛かってないみたいだけど……。ちゃんとした鍵があれば、開くかもしれない)
勇太:「マリア、どうなの?」
マリア:「今度の扉には魔法は掛かっていないから、ちゃんとした鍵があれば開くと思う」
祐介:「しょうがない、父さん。鍵屋さん呼ぶか」
俊彦:「ンだね」
理恵:「ちょっと待って」
理恵は徐にポケットからキーピックを取り出した。
それを鍵穴に差し込んで、何やらガチャガチャやる。
そして……。
理恵:「はい、開いたー!」
勇太:「何で!?」
マリア:( ゚Д゚)
祐介:「姉ちゃん、仙台で何の仕事してんだ?」
理恵:「内緒!」
俊彦:「とにかく開けてみっぞ!」
俊彦は2枚目の扉を開けた。
さらにもう1つ薄い扉があったが、これには小さな南京錠が取り付けられていた。
これについては……。
理恵:「ふんっ!」
理恵が車からチェーンカッターを持って来て、金具を破壊してこじ開けた。
俊彦:「オマ、なしてチェーンカッター持ってるん?」
理恵:「前彼がドアチェーン開けてくれなかったから、それ用」
祐介:「おい、犯罪者!」
勇太:「おまわりさんこっちです!」
マリア:「とにかく、開けますよ」
最後の扉を開くと、果たしてそこに……。
勇太:「あった!人形だ!」
金髪のボブヘアーに緑色を基調としたドレスを着用した、『青い目の人形』があった。
入っていたのは人形だけではない。
パスポートらしき物や、日記帳も入っていた。
パスポートには、人形の名前が書いてあった。
『マリアンナ』と。
マリア:「助けに来たよ……」
マリアはそっと人形を金庫から取り出すと、『マリアンナ』人形を抱きしめた。
翌朝になって、稲生家の面々は蔵の中の整理を始めた。
それで分かったのだが、金庫は仙台箪笥の後ろに隠されるようにして置かれていた。
具体的には仙台箪笥を退かすと、その後ろに壁があるのだが、それに埋め込まれるようにして大きな防盗金庫が置かれていた。
稲生祐介:「姉貴はこの金庫の鍵を持っているらしいんだ」
稲生俊彦:「なして?」
祐介:「分かんね。姉貴が来たら、説明してくれるんじゃないの」
マリアは金庫に触ってみた。
マリア:「微かに魔法の気配がする。これは普通に鍵を掛けた後で、魔法が掛けられている」
勇太:「何ですって!?」
マリア:「しかも、その魔力は強い。私の力では、とても開錠できない」
勇太:「じゃあ、お姉さんが持ってくる鍵でも開かないってこと?」
マリア:「それは分からない。その鍵を見てみないことには……」
その時、蔵の外から車の音がした。
祐介:「姉ちゃんが来たよ!」
蔵の外に出ると、仙台ナンバーの軽のトールワゴンが止まっていた。
そこから降りて来たのは、1人の女性。
背が高く、正常な男性なら目が行って当たり前の巨乳である。
稲生理恵:「ホントだ。蔵が開いてる!」
祐介:「姉ちゃん、この人達が開けてくれたんだ!埼玉の叔父さんの所の人達!」
理恵:「初めまして。稲生理恵です。……ああ、あなたがあの外国人さんなんだ。悟朗君から聞いてるよ」
稲生悟郎はまた別の親戚の従兄である。
ダンテ一門の魔道士と結婚して、今はロシアのウラジオストク住まいである。
マリア:「どうも。マリアンナ・スカーレットです」
ミドルネームの悪魔名は基本的に名乗らない。
自分が魔女だと名乗るようなものだからである。
但し、そう名乗る必要がある場合は名乗る。
理恵:「うん、やっぱり悟朗君の所と同じ日本語ペラペラだ」
祐介:「姉ちゃん、それより鍵は?」
理恵:「持ってる。これだよ」
理恵は1本の大きな鍵を取り出した。
俊彦:「古い金庫だからか、鍵も古めかしいデザインだなや」
勇太:「どうして理恵さんが鍵を持ってるんですか?」
理恵:「お祖父さんがくれたんだよ。『これは蔵の中にある大事な金庫の鍵だから、蔵が開くまで持っててくれ』って」
マリア:「あの金庫に鍵を掛けたのは、誰だか分かりますか?」
理恵:「さあ……。お祖父さんじゃないの?きっと凄いお宝が入ってるんだと思ってるんだけど……」
俊彦:「凄いお宝が壺とか掛け軸なんだとしたら、もう外に運び出したど?」
理恵:「じゃあ、壺や掛け軸よりもっと凄いお宝!?」
勇太:「歴史的にはお宝なのかもしれませんが、金銭的な価値かどうかは【お察しください】」
理恵:「何それー?」
祐介:「とにかく開けてみようぜ」
理恵:「分かったよ」
マリア:「私が開けていいですか?」
理恵:「いいよ」
マリアは鍵を受け取ると、それを金庫まで持って行った。
マリア:(この鍵も、僅かながら魔法を帯びている。一体、誰が……?)
マリアは金庫に鍵を差す前に稲生家の面々に聞いてみた。
マリア:「どなたか私以外に、過去に外国人がこの家を訪れたりはしませんでしたか?」
すると、稲生家の面々は首を傾げた。
だが、俊彦が……。
俊彦:「俺が生まれる前……つまり、まだ親父と御袋が結婚する前だったと思うけど、進駐軍関係者が来たなんて話は聞いたことあるかな……」
マリア:「シンチューグン?」
勇太:「第2次大戦の後、日本を占領した連合国軍のことですよ」
マリア:「ああ!」
祐介:「何でこんな田舎に?」
理恵:「戦後の農地改革の視察で来たんじゃない?」
マリア:(第2次大戦の軍隊じゃ、男か……。じゃあ、違うな)
マリアは頭で否定して、鍵を開けた。
マリア:「!?」
その時、鍵から火花が飛び散った。
勇太:「マリア?!」
俊彦:「んぉっ!?何だ?!」
祐介:「静電気!?」
理恵:「ンなわけないでしょ!」
マリア:「いや、大丈夫……。(良かった。私が開けて。これ、トラップだわ……。魔力の無い者が開けたら、電撃魔法が発動して感電してた……。もっとも、ミドルマスター以上なら静電気すら発生させなかっただろうけど……。ということは、この魔法を掛けたのはミドルマスター以上か……)」
金庫は二重扉になっていて、もう1つの扉にも鍵穴があった。
マリア:「この鍵は?」
理恵:「さあ……」
祐介:「無ェのかよ!?」
俊彦:「これも、しっかり鍵掛かってんど!?」
マリアは鍵穴に触ってみた。
マリア:(今度は魔法は掛かってないみたいだけど……。ちゃんとした鍵があれば、開くかもしれない)
勇太:「マリア、どうなの?」
マリア:「今度の扉には魔法は掛かっていないから、ちゃんとした鍵があれば開くと思う」
祐介:「しょうがない、父さん。鍵屋さん呼ぶか」
俊彦:「ンだね」
理恵:「ちょっと待って」
理恵は徐にポケットからキーピックを取り出した。
それを鍵穴に差し込んで、何やらガチャガチャやる。
そして……。
理恵:「はい、開いたー!」
勇太:「何で!?」
マリア:( ゚Д゚)
祐介:「姉ちゃん、仙台で何の仕事してんだ?」
理恵:「内緒!」
俊彦:「とにかく開けてみっぞ!」
俊彦は2枚目の扉を開けた。
さらにもう1つ薄い扉があったが、これには小さな南京錠が取り付けられていた。
これについては……。
理恵:「ふんっ!」
理恵が車からチェーンカッターを持って来て、金具を破壊してこじ開けた。
俊彦:「オマ、なしてチェーンカッター持ってるん?」
理恵:「前彼がドアチェーン開けてくれなかったから、それ用」
祐介:「おい、犯罪者!」
勇太:「おまわりさんこっちです!」
マリア:「とにかく、開けますよ」
最後の扉を開くと、果たしてそこに……。
勇太:「あった!人形だ!」
金髪のボブヘアーに緑色を基調としたドレスを着用した、『青い目の人形』があった。
入っていたのは人形だけではない。
パスポートらしき物や、日記帳も入っていた。
パスポートには、人形の名前が書いてあった。
『マリアンナ』と。
マリア:「助けに来たよ……」
マリアはそっと人形を金庫から取り出すと、『マリアンナ』人形を抱きしめた。