[1月1日01:15.天候:晴 東京都豊島区某所 日蓮正宗大化山正証寺]
※これはあくまでフィクションです。実際の日蓮正宗の化儀と多少異なる部分があるかもしれませんが、何卒【お察しください】。また、日蓮正宗正証寺は架空の末寺です。それぞれ各末寺ごとに特色があるのは、末寺所属の信徒さんなら御理解頂けるかと思います。
藤谷春人:「はーい、元旦勤行に参加の方はこちらー!」
ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ……。
春人:「元旦勤行は2時半からでーす!1時半から唱題行がありまーす!」
ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ……。
春人:「えー、このように、我が正証寺は自行に熱心な信徒の多い末寺支部であります。このように、元旦勤行の参加率も高いわけですね。この勢いで……」
春人、コホンと咳払いしてから、再び拡声器を使用する。
春人:「えー、御受戒される方はこちらー」
シーン……。
春人:「化他はこのザマなんだよなぁ……」
ガックリ肩を落とす春人。
稲生勇太:「このネタ、毎年やってません?」
春人:「おおっ、この声は稲生君!」
勇太:「明けまして、おめでとうございます。藤谷班長」
春人:「おめでとう、稲生君。そして、明けましておめっとさんです!マリアンナさん!」
マリア:「お、オメデトウゴザイマス……」
春人:「でかした、稲生君!マリアさん、早速この入信願書にサインを……」
マリア:「Fire!」
ボッ!(マリアの魔法で、入信願書が自然発火した)
春人:「あぢっ!?あぢぢぢぢ!」
マリア:「エイプリルフールには、あと3ヶ月早いですよ?藤谷さん」
春人:「さ、さすが外人さんはツッコミがキツい。ははは、は……」
勇太:「さすがに魔道士のマリアさんに、入信は無理ですよ」
春人:「稲生君がいるじゃないか!」
勇太:「僕は魔道士になる前に入信してたので」
春人:「そうだった。よく魔道士と兼業できるな?」
勇太:「仏教は魔女狩りの歴史が無いので、ダンテ一門では別に禁教になっていないんです。それに僕の場合、仏法で魔力が引き出されたようなものなので」
春人:「顕正会の偽仏法だろ?」
勇太:「『魔の通力』で、本当に魔力が引き出されたのは不幸中の幸いでした。あの時は威吹も喜んでくれてたんですけどね」
春人:「おお、そうだ。威吹君は元気にしてるのか?」
勇太:「魔界での戦争で、だいぶ激しくやられたみたいですが、全員無事の状態のまま、何とか停戦まで持ち堪えられたみたいです」
春人:「終戦じゃなくて、停戦か……」
勇太:「アルカディア王国とミッドガード共和国。南北朝鮮みたいに、ズルズルと引きずらなければいいんですが……」
春人:「そういうのも含めて、御祈念したらどうだ?」
勇太:「大聖人様の仏力、魔界まで届きますかね?」
春人:「それは知らん。まあとにかく、威吹君が無事だっていうんなら良かった。またキツネうどんでも奢ってあげるって言っといて」
勇太:「分かりました。それより、マリアさんが休む所は無いですか?」
春人:「ああ。中に休憩所があるから、そこで休むといい。甘酒もあるよ」
マリア:「Thank you.」
勇太:「僕が案内してきますよ」
春人:「おう。稲生君も甘酒もらいな」
勇太:「はーい」
甘酒は、三門を入ってすぐの所に建てられたテントの中で配られている。
藤谷秋彦:「おっ、稲生君。いい所に来なすった。今、甘酒の第二弾を入れたところだよ」
勇太:「もう第一弾目が売り切れたんですか」
マリア:「ってか、有料ですか?」
秋彦:「いや、無料だけどね」
藤谷秋彦は藤谷春人の父親で、正証寺では登山部長を務めている。
勇太:「マリアさん、無料なので好きなだけ飲んでください」
秋彦:「はっはっは。本来なら信徒または御受戒者限定だよ」
勇太:「そこを何とか、登山部長~」
秋彦:「いいよいいよ。まだまだいっぱいあるから」
と、その時だった。
田部井:「何なんですか、あなた達は!?」
聖ジャンジョン教会信者A:「ここに魔女が入ったという目撃情報が入ったのです!」
信者B:「悪い事は言わないので、速やかなる引き渡しをお願いします!」
春人:「知らねーよ!帰れ帰れ!」
勇太:「げ……!なんでバレた……!?」
マリアは慌てて魔道士のローブを頭から被り、テントの奥へ向かった。
信者C:「敬虔な仏教徒の皆様が、異教の魔女を匿うのですか!?」
春人:「だから何の事だっつってんだろ!帰れ帰れ!」
田部井:「こんな感じの魔女が入ったのなら、すぐ分かるし」
田部井信徒は手持ちのタブレットを取り出すと、ハロウィンで見かける魔女のコスプレ画像を見せた。
あとは、ディズニーなどに出てくる魔女とか。
勇太:(ローブを着ている時点では、あながちウソではないな……。というか、ローブでバレたのか???)
因みに勇太はローブは着ていない。
普通のコートとスーツである。
と、そこへ……。
信者A:「うわっ!?」
信者B:「ぐわっ!」
キリスト教魔女狩り隊のメンバーに、ピンポイントで催涙弾が直撃した。
信者C:「上から!?」
上にいたのは……。
勇太:「エレーナ!?」
ホウキに乗って上空を舞うエレーナだった。
しかも、その後ろに乗っているのは……。
エレーナ:「鈴木ィ!下に魔女狩りがいるんで、着陸できねーぜ?」
鈴木:「任せろ!」
鈴木、エアガンとしてのライフルに催涙弾を込めて、それで魔女狩り隊に狙撃していたのだった。
春人:「あいつらのせいじゃないのか、逆に?」
信者C:「退散だ、退散!ゲホッゲホッ!」
信者A:「お、覚えてろ!神に仇なす者ども!」
春人:「日蓮大聖人様は、おたくらの神さんと違って寛容であられるの!」
エレーナ:「取りあえずここで降りてもらうぜ!タクシー代は3割増しでいいんだぜ!」
鈴木:「ありがとうっ!」
エレーナ、鈴木を降ろすと、全力で逃走!
信者B:「ま、待て!魔女が逃げたぞーっ!」
しかし、鈴木の放った催涙弾のせいで、まともにエレーナを追跡できる者は皆無に等しかったという。
鈴木:「いやあ、間に合った間に合った!皆さん、明けましておめでとうございます!」
春人:「唱題行に間に合わせる為、魔女のホウキで乗り付けるとは、やるなぁ!」
鈴木:「え?唱題行?元旦勤行は2時半からじゃあ?」
春人:「そうだが、まだ1時半くらいだぞ」
鈴木:「あれ!?俺の時計、1時間狂ってる!?」
秋彦:「こんな大事な時に、安物の時計使っちゃダメだよ?」
鈴木:「おかしいなぁ……。オメガの時計なのに……」
勇太:「全然安物じゃないし。……マリア、もう大丈夫だよ。魔女狩り隊は立ち去ったよ」
春人:「ああ、マリアさんは休憩所に避難してもらっている」
勇太:「鈴木君のせいで、変な奴らに目を付けられたじゃないか」
秋彦:「まあまあ。法論でコテンパンにしてやるまでだよ」
勇太:「なーんか、皆して生産性の無い化他してません?」
春人:「はっはっは。何てこと言うんだい、稲生君?そんなこと言うと、キミの今月の誓願は10人に設定しちゃうよ?」
勇太:「顕正会よりヒドい!」
魔女も妖狐も獄卒も出入りしたことのある正証寺。
元旦勤行が始まるまで、あと1時間。
※これはあくまでフィクションです。実際の日蓮正宗の化儀と多少異なる部分があるかもしれませんが、何卒【お察しください】。また、日蓮正宗正証寺は架空の末寺です。それぞれ各末寺ごとに特色があるのは、末寺所属の信徒さんなら御理解頂けるかと思います。
藤谷春人:「はーい、元旦勤行に参加の方はこちらー!」
ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ……。
春人:「元旦勤行は2時半からでーす!1時半から唱題行がありまーす!」
ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ……。
春人:「えー、このように、我が正証寺は自行に熱心な信徒の多い末寺支部であります。このように、元旦勤行の参加率も高いわけですね。この勢いで……」
春人、コホンと咳払いしてから、再び拡声器を使用する。
春人:「えー、御受戒される方はこちらー」
シーン……。
春人:「化他はこのザマなんだよなぁ……」
ガックリ肩を落とす春人。
稲生勇太:「このネタ、毎年やってません?」
春人:「おおっ、この声は稲生君!」
勇太:「明けまして、おめでとうございます。藤谷班長」
春人:「おめでとう、稲生君。そして、明けましておめっとさんです!マリアンナさん!」
マリア:「お、オメデトウゴザイマス……」
春人:「でかした、稲生君!マリアさん、早速この入信願書にサインを……」
マリア:「Fire!」
ボッ!(マリアの魔法で、入信願書が自然発火した)
春人:「あぢっ!?あぢぢぢぢ!」
マリア:「エイプリルフールには、あと3ヶ月早いですよ?藤谷さん」
春人:「さ、さすが外人さんはツッコミがキツい。ははは、は……」
勇太:「さすがに魔道士のマリアさんに、入信は無理ですよ」
春人:「稲生君がいるじゃないか!」
勇太:「僕は魔道士になる前に入信してたので」
春人:「そうだった。よく魔道士と兼業できるな?」
勇太:「仏教は魔女狩りの歴史が無いので、ダンテ一門では別に禁教になっていないんです。それに僕の場合、仏法で魔力が引き出されたようなものなので」
春人:「顕正会の偽仏法だろ?」
勇太:「『魔の通力』で、本当に魔力が引き出されたのは不幸中の幸いでした。あの時は威吹も喜んでくれてたんですけどね」
春人:「おお、そうだ。威吹君は元気にしてるのか?」
勇太:「魔界での戦争で、だいぶ激しくやられたみたいですが、全員無事の状態のまま、何とか停戦まで持ち堪えられたみたいです」
春人:「終戦じゃなくて、停戦か……」
勇太:「アルカディア王国とミッドガード共和国。南北朝鮮みたいに、ズルズルと引きずらなければいいんですが……」
春人:「そういうのも含めて、御祈念したらどうだ?」
勇太:「大聖人様の仏力、魔界まで届きますかね?」
春人:「それは知らん。まあとにかく、威吹君が無事だっていうんなら良かった。またキツネうどんでも奢ってあげるって言っといて」
勇太:「分かりました。それより、マリアさんが休む所は無いですか?」
春人:「ああ。中に休憩所があるから、そこで休むといい。甘酒もあるよ」
マリア:「Thank you.」
勇太:「僕が案内してきますよ」
春人:「おう。稲生君も甘酒もらいな」
勇太:「はーい」
甘酒は、三門を入ってすぐの所に建てられたテントの中で配られている。
藤谷秋彦:「おっ、稲生君。いい所に来なすった。今、甘酒の第二弾を入れたところだよ」
勇太:「もう第一弾目が売り切れたんですか」
マリア:「ってか、有料ですか?」
秋彦:「いや、無料だけどね」
藤谷秋彦は藤谷春人の父親で、正証寺では登山部長を務めている。
勇太:「マリアさん、無料なので好きなだけ飲んでください」
秋彦:「はっはっは。本来なら信徒または御受戒者限定だよ」
勇太:「そこを何とか、登山部長~」
秋彦:「いいよいいよ。まだまだいっぱいあるから」
と、その時だった。
田部井:「何なんですか、あなた達は!?」
聖ジャンジョン教会信者A:「ここに魔女が入ったという目撃情報が入ったのです!」
信者B:「悪い事は言わないので、速やかなる引き渡しをお願いします!」
春人:「知らねーよ!帰れ帰れ!」
勇太:「げ……!なんでバレた……!?」
マリアは慌てて魔道士のローブを頭から被り、テントの奥へ向かった。
信者C:「敬虔な仏教徒の皆様が、異教の魔女を匿うのですか!?」
春人:「だから何の事だっつってんだろ!帰れ帰れ!」
田部井:「こんな感じの魔女が入ったのなら、すぐ分かるし」
田部井信徒は手持ちのタブレットを取り出すと、ハロウィンで見かける魔女のコスプレ画像を見せた。
あとは、ディズニーなどに出てくる魔女とか。
勇太:(ローブを着ている時点では、あながちウソではないな……。というか、ローブでバレたのか???)
因みに勇太はローブは着ていない。
普通のコートとスーツである。
と、そこへ……。
信者A:「うわっ!?」
信者B:「ぐわっ!」
キリスト教魔女狩り隊のメンバーに、ピンポイントで催涙弾が直撃した。
信者C:「上から!?」
上にいたのは……。
勇太:「エレーナ!?」
ホウキに乗って上空を舞うエレーナだった。
しかも、その後ろに乗っているのは……。
エレーナ:「鈴木ィ!下に魔女狩りがいるんで、着陸できねーぜ?」
鈴木:「任せろ!」
鈴木、エアガンとしてのライフルに催涙弾を込めて、それで魔女狩り隊に狙撃していたのだった。
春人:「あいつらのせいじゃないのか、逆に?」
信者C:「退散だ、退散!ゲホッゲホッ!」
信者A:「お、覚えてろ!神に仇なす者ども!」
春人:「日蓮大聖人様は、おたくらの神さんと違って寛容であられるの!」
エレーナ:「取りあえずここで降りてもらうぜ!タクシー代は3割増しでいいんだぜ!」
鈴木:「ありがとうっ!」
エレーナ、鈴木を降ろすと、全力で逃走!
信者B:「ま、待て!魔女が逃げたぞーっ!」
しかし、鈴木の放った催涙弾のせいで、まともにエレーナを追跡できる者は皆無に等しかったという。
鈴木:「いやあ、間に合った間に合った!皆さん、明けましておめでとうございます!」
春人:「唱題行に間に合わせる為、魔女のホウキで乗り付けるとは、やるなぁ!」
鈴木:「え?唱題行?元旦勤行は2時半からじゃあ?」
春人:「そうだが、まだ1時半くらいだぞ」
鈴木:「あれ!?俺の時計、1時間狂ってる!?」
秋彦:「こんな大事な時に、安物の時計使っちゃダメだよ?」
鈴木:「おかしいなぁ……。オメガの時計なのに……」
勇太:「全然安物じゃないし。……マリア、もう大丈夫だよ。魔女狩り隊は立ち去ったよ」
春人:「ああ、マリアさんは休憩所に避難してもらっている」
勇太:「鈴木君のせいで、変な奴らに目を付けられたじゃないか」
秋彦:「まあまあ。法論でコテンパンにしてやるまでだよ」
勇太:「なーんか、皆して生産性の無い化他してません?」
春人:「はっはっは。何てこと言うんだい、稲生君?そんなこと言うと、キミの今月の誓願は10人に設定しちゃうよ?」
勇太:「顕正会よりヒドい!」
魔女も妖狐も獄卒も出入りしたことのある正証寺。
元旦勤行が始まるまで、あと1時間。