[1月18日13時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
リサ達が食堂で昼食を取っていると、リサのスマホにメールの着信があった。
それは善場からで、リサの新しい制服のサイズはそのままで良いかという確認であった。
リサ「今のサイズでいいです」
今のところ、制服のサイズはそんなにキツくない。
せめて、もう少し胸が大きくなれば良いのにと思う。
善場「承知しました」
とのこと。
恐らく、来週までには用意してくれるのだろう。
特に変わったサイズでもないので、店に在庫品でもあればすぐだろうが。
さすがに体操服と違って、制服は在学中に何度も換える物ではないので、購買部では売っていない。
体操服は売っているのだが、今のところまだブルマが再販開始したという話は無い。
校則を変えさせたとはいえ、今のところは『魔王軍』による一時のムーブメントとしか学校側は見ていないのだろう。
リサを怒らせると死人が出ることは分かっているのか、ブルマの事実上の復活は認めたが。
事実上の復活というだけであって、別に強制されるものではない。
実際にブルマを穿いているのは、リサを含む『魔王軍』のメンバーとその賛同者のみである。
全女子生徒の3分の1がブルマを穿いているという調査結果が出たが、リサは2年生であり、2年生を中心に『魔王軍』のメンバーが増えていった為、穿いているのは殆どが2年生というだけだ。
1年生や3年生にあっては、数少ない『魔王軍』のメンバーや、卒業前の記念的な感じで購入した程度に過ぎない。
この程度では、まだ購買で再販を開始するわけもに行かず、今のところは賛同者が任意でネットで購入しているだけである。
レイチェル「今のはデイライトのエージェントからのメールですか?」
リサ「まあね。ほら、私の返り血で汚れた制服の代わり、これから注文するんだってさ」
レイチェル「そうでしたか。デイライトも大変ですね」
リサ「いや、全く」
レイチェル「ボスクラスのBOWにそれほどまでの手厚い待遇。やはり、日本政府はBOWを生物兵器に使うつもりでは……」
リサ「どうだかね」
リサはトボけてみたが、社会人としての進路が既に決まっているので、あながちウソでもないと思っている。
何しろ、デイライトへの就職が既に決まっているくらいだ。
もちろん、善場の下で働くことになるわけである。
それに当たっては、別に高卒でも良いわけであるが、なるべくリサの希望に沿う形ということで、大学への進学は認めてくれた。
恐らくこれは、前例となっている善場が大卒だからであろう。
さすがによほど事情が変わったりしなければ、その先の大学院は認められないだろう。
また、大学もどこでも良いとされた。
善場の卒業した大学でもいいかなと思ったのだが、合格偏差値が国立大並みの数字を求められる有名私大だったので、豪快に断念。
取りあえず、モラトリアム期間確保目的での進学であれば、学内での成績がモノを言う、付属の東京中央学園大にすることにした。
リサ「デイライトに聞けばいいじゃん」
レイチェル「あくまで監視目的として、デイライトで面倒を看るだけだと……」
リサ「そうだね。もしわたしが大学に行かないんだったら、高校卒業したらデイライトに入ることになってるよ」
善場「どうせ同じ公務員になるんだったら、高卒よりは大卒の方が優遇されるんじゃない?例え三流のバカ田大学だとしてもさ」
東京中央学園大は新設大学なので、今のところは何の実績もない、企業人事部から見れば三流私大である。
リサ「それもそうだね」
小島「リサさんをスカウトしているエージェントのお姉さん、どこの大学出身なの?」
リサ「【某有名私大】だよ」
小島「……リサさんなら、頑張ればそこに入れるんじゃない?」
リサ「いや、ムリ。学校の成績がいいだけじゃ入れる大学じゃないでしょ?」
小島「ま、まあ、そうだけどさ……」
淀橋「コジマは塾通いしてるんでしょ?受験の情報とか入って来そうだよね?」
小島「まあね。もう今から、受験対策しろってさ」
淀橋「普通は3年生なってからじゃない?」
小島「それだと遅いんだって。特に、有名大学に行きたいんであれば」
淀橋「なるほど。コジマは私と違って成績いいから、国立大志望かな?」
小島「うーん……多分ね」
リサ「コジマ。滑り止めで、東京中央学園大も受験したら?」
小島「……一応、試験だけ受けときます」
リサの場合は、推薦入学希望である。
当然、付属の高校からの推薦希望は優先されるが、先ほどリサが言った通り、まずは学内での成績が重視される。
特に、専願であれば尚更だ。
今のリサの成績であれば、十分に狙えるとはされている。
ただ、生活態度まで見られればどうかということだが……。
もちろん、無断遅刻や早退、欠席はしていないものの……。
[同日13時20分 天候:晴 同学園新校舎2階 2年5組]
倉田「えー、授業の前に1つ連絡事項があります」
午後イチの授業は、副担任である倉田恵美の英語の授業。
倉田「愛原さん。放課後になったら、生徒指導室に行ってください。生活指導の三上先生が、話があるそうです」
リサ「うへー……」
淀橋「何したんスか、魔王様?」
小島「1年生のコ、『魔王軍』に勧誘したの、バレたんじゃ?」
レイチェル「もしかして、BSAAが出動する案件ですか?」
リサ「いや、何でもない……。せっかく早く帰ろうと思ったのに……」
リサは深い溜息を吐いた。
[同日15時30分 天候:曇 同学園新校舎1階 生徒指導室]
三上「女子相撲部3年生の及川部長と共謀して、校長先生のベンツを反転させたそうだな!?」
リサ「何故にバレたし!?」
三上「おおかた、相撲部と力比べしようとしたんだろうが……」
リサ「は、ハハハ……」
三上「どうやって、持ち上げた!?校長先生のベンツ、AMGだから相当重いはずだが!?」
リサ「わ、わたし1人で持ち上げたんじゃないんですよ~!わたしがボンネットの下を持ってぇ……で、及川部長が後ろを持って、それでよいしょって持ち上げてぇ……で、それでクルッと反転させただけですぅ~」
三上「アホか!オマエがウソを付いてないことは、防犯カメラの映像を見れば分かる!だが、大体だな……」
リサ「防犯カメラあったの!?あの部長、『カメラなんて無いから安心しな』って言ってたのに……」
三上「そういうことじゃないだろう!!」
リサ「ぴっ!?」
三上「何でそんなことをしたんだ!?」
リサ「力比べが目的だったんですけど、わたしが勝ったら、女子相撲部員が全員ブルマを穿いてくれることになったんです。まあ、御存知の通り、デカい体の人達ですから、サイズもかなりデカいのを用意しないといけないでしょうけど……」
三上「オマエなぁ……!」
さすがの生活指導教師も、リサには呆れた。
三上「このまま揉め事を起こしてると、例え普段の成績が良くても、内申点で大学の合否に関わるぞ?」
リサ「うー……」
三上「一般入試なら、確かに試験の成績がモノを言う。だが、推薦入試はそういうことじゃない。普段の学校の成績はもちろんのこと、普段の学校生活の善し悪しも考慮される。そこが頗る悪かったりしたら、かなり不利だぞ」
リサ「スイマセンでした……」
三上「2度とあんなフザけた遊びはしないように!分かったか!?」
リサ「はぁい……」
三上「よし」
三上は廊下の窓に向かって、何か合図を送った。
そこには担任教師の坂上がいた。
リサは生徒指導室を出た。
坂上「よう。済んだか?」
リサ「何とか……」
坂上「オマエ、なるべくなら正体は隠しておきたいんだろ?だったら、もう少しおとなしくしてなきゃ」
リサ「はあ……」
坂上「あ、そうそう。ヘコんだオマエに、1つだけ朗報がある」
リサ「朗報?」
坂上「オマエのブルマ復活運動が少し前進したみたいでな、来年度から購買部でもブルマを買えるようになったぞ」
リサ「ええっ、本当!?」
坂上「但し、注文票を置いといて、希望者は注文票を書いて提出するというシステムだ。結局、メーカー受注生産になるみたいだから、そういうことらしい。すぐ体操服が欲しければ、従来通り、短パンということになるんだが、少なくとも購買でブルマが注文できるようになったというのは、オマエにとっては前進なんじゃないのか?」
リサ「確かに!」
坂上「というわけで、もうすぐ下校時刻だ。早く帰るんだぞ」
リサ「はい。さよならです」
リサは坂上と別れると、急いで昇降口に向かった。
この学校の下校時刻は17時であるが、この季節ともなると、さすがに真っ暗である。
どこのメーカーが受注してくれるのか定かではないが、ネット販売限定で細々と現在でも学販用を生産しているメーカーもあるので、そういう所が引き受けてくれたのかもしれない。
リサ達が食堂で昼食を取っていると、リサのスマホにメールの着信があった。
それは善場からで、リサの新しい制服のサイズはそのままで良いかという確認であった。
リサ「今のサイズでいいです」
今のところ、制服のサイズはそんなにキツくない。
せめて、もう少し胸が大きくなれば良いのにと思う。
善場「承知しました」
とのこと。
恐らく、来週までには用意してくれるのだろう。
特に変わったサイズでもないので、店に在庫品でもあればすぐだろうが。
さすがに体操服と違って、制服は在学中に何度も換える物ではないので、購買部では売っていない。
体操服は売っているのだが、今のところまだブルマが再販開始したという話は無い。
校則を変えさせたとはいえ、今のところは『魔王軍』による一時のムーブメントとしか学校側は見ていないのだろう。
リサを怒らせると死人が出ることは分かっているのか、ブルマの事実上の復活は認めたが。
事実上の復活というだけであって、別に強制されるものではない。
実際にブルマを穿いているのは、リサを含む『魔王軍』のメンバーとその賛同者のみである。
全女子生徒の3分の1がブルマを穿いているという調査結果が出たが、リサは2年生であり、2年生を中心に『魔王軍』のメンバーが増えていった為、穿いているのは殆どが2年生というだけだ。
1年生や3年生にあっては、数少ない『魔王軍』のメンバーや、卒業前の記念的な感じで購入した程度に過ぎない。
この程度では、まだ購買で再販を開始するわけもに行かず、今のところは賛同者が任意でネットで購入しているだけである。
レイチェル「今のはデイライトのエージェントからのメールですか?」
リサ「まあね。ほら、私の返り血で汚れた制服の代わり、これから注文するんだってさ」
レイチェル「そうでしたか。デイライトも大変ですね」
リサ「いや、全く」
レイチェル「ボスクラスのBOWにそれほどまでの手厚い待遇。やはり、日本政府はBOWを生物兵器に使うつもりでは……」
リサ「どうだかね」
リサはトボけてみたが、社会人としての進路が既に決まっているので、あながちウソでもないと思っている。
何しろ、デイライトへの就職が既に決まっているくらいだ。
もちろん、善場の下で働くことになるわけである。
それに当たっては、別に高卒でも良いわけであるが、なるべくリサの希望に沿う形ということで、大学への進学は認めてくれた。
恐らくこれは、前例となっている善場が大卒だからであろう。
さすがによほど事情が変わったりしなければ、その先の大学院は認められないだろう。
また、大学もどこでも良いとされた。
善場の卒業した大学でもいいかなと思ったのだが、合格偏差値が国立大並みの数字を求められる有名私大だったので、豪快に断念。
取りあえず、モラトリアム期間確保目的での進学であれば、学内での成績がモノを言う、付属の東京中央学園大にすることにした。
リサ「デイライトに聞けばいいじゃん」
レイチェル「あくまで監視目的として、デイライトで面倒を看るだけだと……」
リサ「そうだね。もしわたしが大学に行かないんだったら、高校卒業したらデイライトに入ることになってるよ」
善場「どうせ同じ公務員になるんだったら、高卒よりは大卒の方が優遇されるんじゃない?例え三流のバカ田大学だとしてもさ」
東京中央学園大は新設大学なので、今のところは何の実績もない、企業人事部から見れば三流私大である。
リサ「それもそうだね」
小島「リサさんをスカウトしているエージェントのお姉さん、どこの大学出身なの?」
リサ「【某有名私大】だよ」
小島「……リサさんなら、頑張ればそこに入れるんじゃない?」
リサ「いや、ムリ。学校の成績がいいだけじゃ入れる大学じゃないでしょ?」
小島「ま、まあ、そうだけどさ……」
淀橋「コジマは塾通いしてるんでしょ?受験の情報とか入って来そうだよね?」
小島「まあね。もう今から、受験対策しろってさ」
淀橋「普通は3年生なってからじゃない?」
小島「それだと遅いんだって。特に、有名大学に行きたいんであれば」
淀橋「なるほど。コジマは私と違って成績いいから、国立大志望かな?」
小島「うーん……多分ね」
リサ「コジマ。滑り止めで、東京中央学園大も受験したら?」
小島「……一応、試験だけ受けときます」
リサの場合は、推薦入学希望である。
当然、付属の高校からの推薦希望は優先されるが、先ほどリサが言った通り、まずは学内での成績が重視される。
特に、専願であれば尚更だ。
今のリサの成績であれば、十分に狙えるとはされている。
ただ、生活態度まで見られればどうかということだが……。
もちろん、無断遅刻や早退、欠席はしていないものの……。
[同日13時20分 天候:晴 同学園新校舎2階 2年5組]
倉田「えー、授業の前に1つ連絡事項があります」
午後イチの授業は、副担任である倉田恵美の英語の授業。
倉田「愛原さん。放課後になったら、生徒指導室に行ってください。生活指導の三上先生が、話があるそうです」
リサ「うへー……」
淀橋「何したんスか、魔王様?」
小島「1年生のコ、『魔王軍』に勧誘したの、バレたんじゃ?」
レイチェル「もしかして、BSAAが出動する案件ですか?」
リサ「いや、何でもない……。せっかく早く帰ろうと思ったのに……」
リサは深い溜息を吐いた。
[同日15時30分 天候:曇 同学園新校舎1階 生徒指導室]
三上「女子相撲部3年生の及川部長と共謀して、校長先生のベンツを反転させたそうだな!?」
リサ「何故にバレたし!?」
三上「おおかた、相撲部と力比べしようとしたんだろうが……」
リサ「は、ハハハ……」
三上「どうやって、持ち上げた!?校長先生のベンツ、AMGだから相当重いはずだが!?」
リサ「わ、わたし1人で持ち上げたんじゃないんですよ~!わたしがボンネットの下を持ってぇ……で、及川部長が後ろを持って、それでよいしょって持ち上げてぇ……で、それでクルッと反転させただけですぅ~」
三上「アホか!オマエがウソを付いてないことは、防犯カメラの映像を見れば分かる!だが、大体だな……」
リサ「防犯カメラあったの!?あの部長、『カメラなんて無いから安心しな』って言ってたのに……」
三上「そういうことじゃないだろう!!」
リサ「ぴっ!?」
三上「何でそんなことをしたんだ!?」
リサ「力比べが目的だったんですけど、わたしが勝ったら、女子相撲部員が全員ブルマを穿いてくれることになったんです。まあ、御存知の通り、デカい体の人達ですから、サイズもかなりデカいのを用意しないといけないでしょうけど……」
三上「オマエなぁ……!」
さすがの生活指導教師も、リサには呆れた。
三上「このまま揉め事を起こしてると、例え普段の成績が良くても、内申点で大学の合否に関わるぞ?」
リサ「うー……」
三上「一般入試なら、確かに試験の成績がモノを言う。だが、推薦入試はそういうことじゃない。普段の学校の成績はもちろんのこと、普段の学校生活の善し悪しも考慮される。そこが頗る悪かったりしたら、かなり不利だぞ」
リサ「スイマセンでした……」
三上「2度とあんなフザけた遊びはしないように!分かったか!?」
リサ「はぁい……」
三上「よし」
三上は廊下の窓に向かって、何か合図を送った。
そこには担任教師の坂上がいた。
リサは生徒指導室を出た。
坂上「よう。済んだか?」
リサ「何とか……」
坂上「オマエ、なるべくなら正体は隠しておきたいんだろ?だったら、もう少しおとなしくしてなきゃ」
リサ「はあ……」
坂上「あ、そうそう。ヘコんだオマエに、1つだけ朗報がある」
リサ「朗報?」
坂上「オマエのブルマ復活運動が少し前進したみたいでな、来年度から購買部でもブルマを買えるようになったぞ」
リサ「ええっ、本当!?」
坂上「但し、注文票を置いといて、希望者は注文票を書いて提出するというシステムだ。結局、メーカー受注生産になるみたいだから、そういうことらしい。すぐ体操服が欲しければ、従来通り、短パンということになるんだが、少なくとも購買でブルマが注文できるようになったというのは、オマエにとっては前進なんじゃないのか?」
リサ「確かに!」
坂上「というわけで、もうすぐ下校時刻だ。早く帰るんだぞ」
リサ「はい。さよならです」
リサは坂上と別れると、急いで昇降口に向かった。
この学校の下校時刻は17時であるが、この季節ともなると、さすがに真っ暗である。
どこのメーカーが受注してくれるのか定かではないが、ネット販売限定で細々と現在でも学販用を生産しているメーカーもあるので、そういう所が引き受けてくれたのかもしれない。