[1月21日06時00分 天候:雪 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階リサの部屋→3階ダイニング]
リサの枕元に置いたスマホがアラームを鳴らす。
リサ「うーん……」
リサは大きく伸びをして手を伸ばし、アラームを止めた。
昨日は一眠りする際に思ったより深く眠ってしまい、そのせいで就寝時間になっても眠気が無かったが、“鬼ころし”を飲んだおかげですぐ寝付くことができた。
リサ「おー……」
起き上がってから両手を見るが、爪が長く鋭くなっているわけではない。
鏡を見たが、鬼形態になっているということもなかった。
やはり、“鬼ころし”は暴走防止の他、無駄な変化を抑える効果もあるのだろう。
あいにく、どうして“鬼ころし”にだけそんな効果があるのかは不明だが。
部屋から出てトイレに向かい、そこで用を足して、今度は隣の洗面台で顔を洗う。
寒さに強いリサだが、今朝は少し寒さを感じた。
そこで、洗面所横の窓を開けてみる(その窓は曇りガラスになっている為)。
リサ「わぁ……」
開けてみると、雪が舞っていた。
但し、先週ほどの強い雪ではない。
小雪が舞うといった感じである。
リサ「雪だ。さすがに積もらないかな……」
そんなことを呟いて顔を洗い、歯も磨いた後でまた部屋に戻る。
部屋着代わりに着ている体操服から、制服に着替える為だ。
今日は体育は無いが、一応、学校用の緑のブルマに穿き替えておく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/cb/6773046a71828d56a3942453f3e3d3ae.jpg)
リサ「学校に行くんだから、一応学校用のを穿いておこう」
1着は洗濯中なので、洗濯済みのもう1着を穿いて行くことにする。
リサ(レイチェルが穿いてたハイカットのヤツ、何か良かったな……)
レイチェルのように、足の長い者だから似合うというのもあるだろう。
だが……。
リサ(逆にあのブルマの方が、足が長く見えるかもしれない……)
と、思った。
ロリ体型が、ややコンプレックスのリサだった。
グラマー体型になれば、愛原を振り向かせることができるかもしれないのにと……。
リサ「なるほど。グラマーの方が、ハイカットも似合うってか。うーん……」
リサは制服に着替えると、エレベーターではなく、階段で3階に向かった。
食べてすぐに学校に行けるよう、鞄も持って来るのを忘れない。
リサ「おはよう!」
愛原「おはよう」
リサ「何か、雪降ってるね?」
愛原「ああ。下手すると、また積もるかもしれないってよ」
リサ「マジで!?」
愛原「最悪、2~3cmくらいな」
リサ「2~3cmかぁ……。ビミョーだね」
愛原「この前の10cmと比べると、電車が止まるほどではないと思うが……。ましてや今日は、休日ダイヤだし」
リサ「あ、そうか」
リサはトーストに齧りついた。
愛原家では、土日の朝食はパンとなっていた。
あとは2つ目玉のベーコンエッグと焼いたウィンナー、それと生野菜サラダにコンソメスープと。
十分な洋食形式の朝食であるが、これでもリサにはやや物足りないようだった。
トーストを2枚、お代わりしたくらいである。
愛原「お昼は食べて帰ってくるんだな?」
リサ「うん、そう。それじゃ、行ってきます」
リサは一気に食べると、再び口を洗口液で濯いだ後、学校へ向かうことにした。
リサ「おー、小雪が舞ってる」
いつもはコートを着ないリサだが、今日はコートを羽織った。
これは寒いからではなく、フードを被る為である。
通学の途中は、人間形態でいる訓練も兼ねているので、帽子を被ったり、フード付きの上着を着ることは殆ど無い。
今日は雪が降っている為、フードを被ろうと思ったからだ。
土曜日ということもあって、駅に向かう通りは、いつもより人が少ない感じであった。
[同日7時25分 天候:雪 同地区 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線703T電車先頭車内]
駅に行くと、平日よりは乗客が少なかった。
どちらかというと、通学客よりはリサのような学生の方が目立つ感じ。
リサのように、登校日になっている学校が多いのだろうか。
〔まもなく1番線に、各駅停車、橋本行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
電車が強風と轟音を伴いながらやってくる。
今日の電車も、東京都交通局の電車だった。
但し、昨日の帰りに乗った物とは違い、やや車内が薄暗く感じる初期車であったが。
〔1番線の電車は、各駅停車、橋本行きです。きくかわ~、菊川~〕
電車も平日よりは空いている。
但し、座れるほどではない。
リサはスルリと乗り込むと、ドアの近くに立った。
〔1番線、ドアが閉まります〕
そしてドアが閉まり、電車が走り出す。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
リサはスマホを開いて、『魔王軍』のメンバーとLINEしていた。
どうやら今日の学食のハンバーグ定食は、在庫処理の為、やや大きいものなるかもしれないとのことだ。
リサ「もちろん、食べてから帰る」
と、リサは鼻息を荒くして返信した。
危うく、興奮して鬼形態になってしまうところだったが、何とか堪える。
しかし、もしも昨夜、“鬼ころし”を飲んでいなかったら、変化してしまったかもしれない。
[同日08時00分 天候:雪 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校 教育資料館(旧校舎)→新校舎2階・2年5組]
リサは登校するとフードを取って、旧校舎の前に一礼した。
リサ「おはよう、“トイレの花子さん”。……イジメ、ダメ、絶対」
リサは、日本版リサ・トレヴァーの起源となった少女の霊に対して挨拶した。
本名は斉藤早苗という。
白井伝三郎の同級生だった少女だ。
白井が密かに思っていた少女であり、長い間、“学校の七不思議”の頂点に立つ少女であった。
それは特異菌が見せた幻覚であったことが分かったが、この旧校舎のトイレで斉藤早苗が首を吊って自殺したのは事実。
その霊を慰める為、リサはいつもここで挨拶していた。
“学校の七不思議”の全てを牛耳ったリサだが、正確には違う。
そのうちの1つである、『旧校舎には、かつて“トイレの花子さん”と呼ばれる凶暴な悪霊がいた。今はもうそれはいないが、時折、彼女が着けていた白い仮面が落ちていることがある。それを見つけた者は呪われる』というもの。
リサが自分の白い仮面を、“花子さん”が着けていた白い仮面に見立て、供養しているだけのことである。
リサは鞄の中から、自分の白い仮面を取り出した。
リサ「……それじゃ、また」
仮面越しに旧校舎に向かってそう言うと、リサは新校舎に向かった。
淀橋「おはよう、魔王様」
リサ「おはよう」
小島「また雪降って来たね。私達、帰れるかなぁ?」
リサ「わたし達は地下鉄だから、大丈夫だろう?」
淀橋「うーん……北千住駅は地上にあるからねぇ……」
小島「中目黒も」
リサ「2人して便利な所に住んでるね」
昇降口で、『四天王』のうちの2人、淀橋と小島と合流したリサは、教室へ向かった。
リサの枕元に置いたスマホがアラームを鳴らす。
リサ「うーん……」
リサは大きく伸びをして手を伸ばし、アラームを止めた。
昨日は一眠りする際に思ったより深く眠ってしまい、そのせいで就寝時間になっても眠気が無かったが、“鬼ころし”を飲んだおかげですぐ寝付くことができた。
リサ「おー……」
起き上がってから両手を見るが、爪が長く鋭くなっているわけではない。
鏡を見たが、鬼形態になっているということもなかった。
やはり、“鬼ころし”は暴走防止の他、無駄な変化を抑える効果もあるのだろう。
あいにく、どうして“鬼ころし”にだけそんな効果があるのかは不明だが。
部屋から出てトイレに向かい、そこで用を足して、今度は隣の洗面台で顔を洗う。
寒さに強いリサだが、今朝は少し寒さを感じた。
そこで、洗面所横の窓を開けてみる(その窓は曇りガラスになっている為)。
リサ「わぁ……」
開けてみると、雪が舞っていた。
但し、先週ほどの強い雪ではない。
小雪が舞うといった感じである。
リサ「雪だ。さすがに積もらないかな……」
そんなことを呟いて顔を洗い、歯も磨いた後でまた部屋に戻る。
部屋着代わりに着ている体操服から、制服に着替える為だ。
今日は体育は無いが、一応、学校用の緑のブルマに穿き替えておく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/cb/6773046a71828d56a3942453f3e3d3ae.jpg)
リサ「学校に行くんだから、一応学校用のを穿いておこう」
1着は洗濯中なので、洗濯済みのもう1着を穿いて行くことにする。
リサ(レイチェルが穿いてたハイカットのヤツ、何か良かったな……)
レイチェルのように、足の長い者だから似合うというのもあるだろう。
だが……。
リサ(逆にあのブルマの方が、足が長く見えるかもしれない……)
と、思った。
ロリ体型が、ややコンプレックスのリサだった。
グラマー体型になれば、愛原を振り向かせることができるかもしれないのにと……。
リサ「なるほど。グラマーの方が、ハイカットも似合うってか。うーん……」
リサは制服に着替えると、エレベーターではなく、階段で3階に向かった。
食べてすぐに学校に行けるよう、鞄も持って来るのを忘れない。
リサ「おはよう!」
愛原「おはよう」
リサ「何か、雪降ってるね?」
愛原「ああ。下手すると、また積もるかもしれないってよ」
リサ「マジで!?」
愛原「最悪、2~3cmくらいな」
リサ「2~3cmかぁ……。ビミョーだね」
愛原「この前の10cmと比べると、電車が止まるほどではないと思うが……。ましてや今日は、休日ダイヤだし」
リサ「あ、そうか」
リサはトーストに齧りついた。
愛原家では、土日の朝食はパンとなっていた。
あとは2つ目玉のベーコンエッグと焼いたウィンナー、それと生野菜サラダにコンソメスープと。
十分な洋食形式の朝食であるが、これでもリサにはやや物足りないようだった。
トーストを2枚、お代わりしたくらいである。
愛原「お昼は食べて帰ってくるんだな?」
リサ「うん、そう。それじゃ、行ってきます」
リサは一気に食べると、再び口を洗口液で濯いだ後、学校へ向かうことにした。
リサ「おー、小雪が舞ってる」
いつもはコートを着ないリサだが、今日はコートを羽織った。
これは寒いからではなく、フードを被る為である。
通学の途中は、人間形態でいる訓練も兼ねているので、帽子を被ったり、フード付きの上着を着ることは殆ど無い。
今日は雪が降っている為、フードを被ろうと思ったからだ。
土曜日ということもあって、駅に向かう通りは、いつもより人が少ない感じであった。
[同日7時25分 天候:雪 同地区 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線703T電車先頭車内]
駅に行くと、平日よりは乗客が少なかった。
どちらかというと、通学客よりはリサのような学生の方が目立つ感じ。
リサのように、登校日になっている学校が多いのだろうか。
〔まもなく1番線に、各駅停車、橋本行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
電車が強風と轟音を伴いながらやってくる。
今日の電車も、東京都交通局の電車だった。
但し、昨日の帰りに乗った物とは違い、やや車内が薄暗く感じる初期車であったが。
〔1番線の電車は、各駅停車、橋本行きです。きくかわ~、菊川~〕
電車も平日よりは空いている。
但し、座れるほどではない。
リサはスルリと乗り込むと、ドアの近くに立った。
〔1番線、ドアが閉まります〕
そしてドアが閉まり、電車が走り出す。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
リサはスマホを開いて、『魔王軍』のメンバーとLINEしていた。
どうやら今日の学食のハンバーグ定食は、在庫処理の為、やや大きいものなるかもしれないとのことだ。
リサ「もちろん、食べてから帰る」
と、リサは鼻息を荒くして返信した。
危うく、興奮して鬼形態になってしまうところだったが、何とか堪える。
しかし、もしも昨夜、“鬼ころし”を飲んでいなかったら、変化してしまったかもしれない。
[同日08時00分 天候:雪 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校 教育資料館(旧校舎)→新校舎2階・2年5組]
リサは登校するとフードを取って、旧校舎の前に一礼した。
リサ「おはよう、“トイレの花子さん”。……イジメ、ダメ、絶対」
リサは、日本版リサ・トレヴァーの起源となった少女の霊に対して挨拶した。
本名は斉藤早苗という。
白井伝三郎の同級生だった少女だ。
白井が密かに思っていた少女であり、長い間、“学校の七不思議”の頂点に立つ少女であった。
それは特異菌が見せた幻覚であったことが分かったが、この旧校舎のトイレで斉藤早苗が首を吊って自殺したのは事実。
その霊を慰める為、リサはいつもここで挨拶していた。
“学校の七不思議”の全てを牛耳ったリサだが、正確には違う。
そのうちの1つである、『旧校舎には、かつて“トイレの花子さん”と呼ばれる凶暴な悪霊がいた。今はもうそれはいないが、時折、彼女が着けていた白い仮面が落ちていることがある。それを見つけた者は呪われる』というもの。
リサが自分の白い仮面を、“花子さん”が着けていた白い仮面に見立て、供養しているだけのことである。
リサは鞄の中から、自分の白い仮面を取り出した。
リサ「……それじゃ、また」
仮面越しに旧校舎に向かってそう言うと、リサは新校舎に向かった。
淀橋「おはよう、魔王様」
リサ「おはよう」
小島「また雪降って来たね。私達、帰れるかなぁ?」
リサ「わたし達は地下鉄だから、大丈夫だろう?」
淀橋「うーん……北千住駅は地上にあるからねぇ……」
小島「中目黒も」
リサ「2人して便利な所に住んでるね」
昇降口で、『四天王』のうちの2人、淀橋と小島と合流したリサは、教室へ向かった。