報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサ・トレヴァーの悪夢」

2022-12-07 09:01:31 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[期日不明 時刻不明 天候不明 場所:愛原のマンション]

 誰もいないマンションの部屋。
 そのリビングのソファで、リサは1人で座っていた。
 と、そこへ突然開けられる玄関。
 入って来たのは、善場やその部下の黒スーツの男達。

 リサ:「な、何!?なになに!?」
 善場:「あなたを連行します」
 リサ:「れ、連行!?わたし、何もしてないよ!?」
 善場:「愛原所長が事故に遭いました。高橋助手は意識不明の重体のまま。そうなると、あなたはもう行く所が無いのです。あいにくですが、研究所に戻ってもらいます」
 リサ:「研究所!?やだ!やだやだやだ!」
 善場:「連れて行きなさい」
 部下:「はっ!」

 リサ、両脇を抱えられる。

 リサ:「放して!放してよ!先生に会わせてーっ!」
 善場:「あなたには、幸せになって欲しかったのに……」

 マンションの外に出ると、湿地帯のような場所に出る。
 そこには、黒いワンピースを着た10歳くらいの黒髪の少女がいた。

 エブリン:「やっぱり、ダメだったね。いくら頑張っても、BOWが人間と同じ生活なんてできやしないって」
 リサ:「そんなことない!」
 エブリン:「いっそのと、ウィルスばら撒いちゃえば?皆で堕ちる所まで堕ちようよ?」
 リサ:「うるさい!」
 ローズマリー・ウィンターズ:「私もね、小学生の頃はイジめられたの。『お前は人間じゃない。化け物だ』って。だから私は諦めた。あなたも早く、『こっち』に来るといいよ」
 リサ:「あ、あなた誰!?」
 リサ・トレヴァー:「オマエ……友達……親……いない……」
 リサ:「お、オリジナルの先輩まで何を……!」
 善場:「あなたは一生、地下の研究施設で皆と暮らすのですよ」

 そしてリサは、真っ暗闇の地下の底へと落ちて行った……。

[8月30日06:12.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ:「!!!」

 リサはそこで目が覚めた。
 と、ドサッと床に落ちる。

 リサ:「いでっ!?」

 どうやら、ベッドから落ちたようだ。

 リサ:「ゆ、ゆ……夢だったの……か……!」

 リサは視界が逆さまになっている状態で、目を見開いていた。
 で、ようやく体勢を整えて起き上がる。

 リサ:「じょ、冗談じゃない!」

 リサは起き上がると、落ちた掛布団もベッドに上げた。

 リサ:「し、シャワー浴びよ……」

 リサは着替えを持って、浴室に向かった。
 そして、愛原の為に着ている体操服と紺色のブルマを脱衣所で脱ぎ捨てて全裸になると、浴室に飛び込み、悪夢のせいでかいた汗を流したのだった。

[同日07:00.天候:晴 同マンション]

 朝食は愛原が作った。
 予定通りのトーストとサラダ、コンソメスープの他、ベーコンエッグという感じであった。
 ベーコンエッグは、愛原が工夫した簡単な作り方で完成した。
 パックご飯の空き容器に、生卵とベーコンを入れ、黄身に何ヶ所か爪楊枝で穴を開けておく。
 そして、ゆるくラップをかけて、後は電子レンジで1分ないし2分で温めればできあがるというもの。

 愛原:「足りないようなら、また作るから」
 リサ:「ありがとう。朝食は先生が担当だね」
 愛原:「あっ、あー……そうだな」

 リサは体操服から学校の制服へと着替えていた。

 リサ:「先生、今日は仕事なの?」
 愛原:「当たり前だよ。今日もまた、善場主任からの依頼だ」
 リサ:「そうなんだ」
 愛原:「またもや、埼玉だ」
 リサ:「エレンの家だった所?」
 愛原:「いや、日本アンブレラの五十嵐社長絡みだよ。ほら、川口市の」
 リサ:「ああ」
 愛原:「実家の薬局が廃業して、その建物自体が取り壊されるっていうんで、跡地を見に行くんだそうだ」
 リサ:「先生1人で大丈夫なの?」
 愛原:「ああ。今回は善場主任も一緒だし、取り壊しの工事現場にBOWがいるとは思えないからな。ましてや、街中らしいし」
 リサ:「なるほど」

 建物を取り壊すことで、何か出て来るかもしれないことを期待してのことだろう。
 ある程度、建物は壊されているということで、デイライトとしては、その瓦礫が撤去される前に調査したいようである。

 リサ:「……わたしも行きたいな」
 愛原:「お前は学校があるだろ」
 リサ:「うん。まあ、そうなんだけど……」
 愛原:「心配しないで行ってこいよ。あ、夕食だけ頼むな?」
 リサ:「何がいい?」
 愛原:「うーん……。リサが高橋から覚えたヤツで頼むよ」
 リサ:「ふむふむ……。分かった。作ってみる」
 愛原:「よろしくな」
 リサ:「先生……」
 愛原:「何だ?」
 リサ:「事故には気をつけて」
 愛原:「何だ、そんなことか。分かってるよ」
 リサ:「…………」

[同日15:00.天候:曇 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 この日のリサのクラスでは、最後の授業は体育であった。
 そして、この日の体育の光景は、異様であったという。
 そう。

 

 リサ一派(通称、『魔王軍』)が、ついにブルマでの授業を受け始めたのだ。
 リサ1人ではなく、リサの寄生虫を受けている者全員が、である。

 体育教師:「私が現役だった頃を思い出すわ……」

 作者とほぼ同じ年齢のアラフォー女性体育教師は、目を丸くした様子だった。

 体育教師:「せっかく廃止になったというのに、どんなインフルエンスを狙ってるの……」
 リサ:(あーあ……。愛原先生に見て欲しかったなぁ……)

 リサは心の中でほくそ笑みながら、今日最後の授業である体育を受けていた。
 体育教師も、あくまでブルマが校則から削除されただけの『事実上の廃止』であることを知っており、明確に『禁止事項』とはされていないことも知っているので、強く注意はできなかったという。

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1 コメント

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あとがき (雲羽百三)
2022-12-07 10:14:23
 尚、記事中のブルマ画像は、私が撮影したものではございません。
 ネットからの拾い物です。
 くれぐれも、誤解の無きよう……。
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