報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「真相に近づく」

2025-01-06 15:18:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月19日08時30分 天候:曇 宮城県仙台市青葉区 JR仙台駅・新幹線乗り場]

 仙台駅で新幹線を降りた私は、やかましいホームより、待合室の方に移動してから善場係長に掛け直した。

 愛原「おはようございます。愛原です」
 善場「愛原所長、おはようございます。今、仙台駅ですね?」
 愛原「そうです!これから、レンタカーを借りて、現地に向かうところです」
 善場「かしこまりました。夢の話のことですが、恐らく所長の脳内から取り出されたチップと関係しているもようです」
 愛原「それはどういうことですか?」
 善場「解析内容は機密ですので詳しくは話せませんが、実はその中に、長野県の日本アンブレラ関係者のデータが入っておりまして……」
 愛原「ええっ!?」
 善場「日本アンブレラも、日本各地に研究施設を造っており、霧生市が最も規模の大きい施設だったわけですが……」

 東京にあったのは本社であり、研究施設ではない。

 善場「長野県には、日本アンブレラの研究施設はおろか、保養施設もあったようなのです。さながら、ラクーンシティ郊外の洋館のようにです」
 愛原「ホントですか……」

 まさか、私はそんな所に行ったのではないだろうな?」

 善場「まだ解析は全て終わっていないので、まずは川崎町の例の場所に向かってください。BSAAもそこに向かっているそうですから」
 愛原「分かりました」

 私は電話を切った。
 アンブレラの研究所は、霧生市だけではないというのは知っていたが、まさか……。

[同日09時50分 天候:曇 宮城県柴田郡川崎町 ファミリーマート宮城川崎インター店]

 駅レンタカーで現地に向かう。
 借りたのはトールワゴンタイプの軽自動車。
 荷物も私1人分だけなので、特に大きな車である必要はない。
 それで国道48号線に向かい、仙台西道路を通って、仙台宮城インターから東北自動車道に入る。
 東北自動車道の上り線を走行すると、途中で山形自動車道に入る村田ジャンクションに差し掛かる。
 そこから山形自動車道に入って、少し走ると、宮城川崎インターに到着する。
 そこから一般道に下りると、国道286号線(川崎バイパス)や県道14号線(旧国道286号線)との交差点に着く。
 その左角にはコンビニがあるので、そこで小休止を挟むことにした。
 現地に向かうルートで、最後のコンビニである。
 そこでトイレを借りたり、飲み物を買ったりした。

[同日10時30分 天候:曇 同町某所 調査地点]

 国道から外れて林道を進む。
 林道は舗装されておらず、砂利道が続く。
 だが、車の往来はあるようで、車道には轍の跡がくっきり残っているし、開けた場所では釣り客の車が止まっているのが見えた。
 その林道を更に進んで行くと、何故か臨時のゲートがあった。
 『BSAA』と書かれたジープやトラックが道を塞いでいる。
 釣りポイントはこの先には無いので、他に車は無いのだが……。

 愛原「東京の探偵の愛原です。デイライト東京事務所から委託を受けている者です」

 降りて来た迷彩服姿の男達にそう名乗ると……。

 BSAA隊員A「おー、やっと来たか。待ちくたびれたぞ」
 BSAA隊員B「ΩチームからHQ、『DA』が現れた。現地に案内する」

 1人は無線で本部に連絡を入れた。
 DAとは私の事らしい。
 探偵を英語でディテクティブ、Aは愛原のAか。

 BSAA隊員B「……了解。それじゃ愛原さん、現地に案内するので、車はここで降りてください。ここから先は、この車で案内します」
 愛原「分かりました」

 私は車をトラックの横に駐車した。
 そして、ハッチを開けて荷物を降ろす。

 BSAA隊員B「いいショットガンですね」
 愛原「ここは前に化け物が出た場所ですから」
 BSAA隊員B「化け物なら、我々で倒しましたよ。……前の話ですけどね」
 愛原「今は出ますか?」
 BSAA隊員B「今は出ません。ただ、不思議な事はありましたが」
 愛原「不思議な事?」

 BSAAは私が到着するより先に、既に辺りを探索していたらしい。
 不思議なこととは何だろう?

 BSAA隊員B「見てもらえれば分かります」

 私は首を傾げて、ジープに乗り込んだ。
 そこから10分ほど走ると、かつて着たことのある開けた場所出た。

 愛原「はー……あの頃と変わってない……。変わってない!?」

 そう。
 この場所は地下から現れた化け物によって、メチャクチャに壊されたはずだ。
 にも関わらず、何事も無かったかのように元に戻っていた。
 あの時探索したプレハブ小屋も、仮設トイレもそのままだ。

 愛原「小屋には鍵が掛かっているのですか?」
 BSAA隊員C「掛かっています。しかも、特殊な電子ロックが必要のようです。何だか分かりますか?」
 愛原「特殊なロック……」

 私はドアに近づいた。
 そこにはプレハブ小屋には不釣り合いな、電子ロックの読取機があった。
 その読取機には、アンブレラのマークがある。

 BSAA隊員C「前にデイライトが複製したというゴールドカードでも開かなかったのです」
 愛原「そういうことか……」

 斉藤元社長が言っていた意味が分かった。
 あの『プラチナカード』は、ここで使うらしい。
 私は昨夜、バイク便で届いた『アンブレラのプラチナカード』を読取機に翳した。
 すると、ピピッと音が鳴って、ロックの外れる音がした。
 そして、外開きのドアを開ける。
 先にBSAAの隊員が中に入って、内側の様子を確認した。

 BSAA隊員C「……クリア!」
 BSAA隊員D「……クリア!」

 中に入ると、窓にはカーテンが閉まっていたので薄暗かった。
 床に地下へ下りる為の扉が付いていたはずだ。
 台所にある床下収納の扉みたいなヤツ。
 それを開けると地下へと続いており、梯子が付いていた。

 愛原「前はここを探索しようとしたら、そこから化け物が現れて、退散せざるを得なかったんです」

 今は化け物が出てくる様子は無い。
 しかし……。

 BSAA隊長「よし。レッドCとレッドDは先行して、下の様子を確認しろ」
 BSAA隊員C「了解!」
 BSAA隊員D「了解!」

 2人の隊員達は梯子を下りて行った。

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