[8月29日06:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 某ビジネスホテル]
私達は善場主任の部下が運転する車で、ホテルまで送ってもらった。
何と、ホテルの部屋はツインであった。
何でも、リサが寝坊して学校に遅刻しては困るので、あえてそうしたのだという。
リサに迫られないか心配したが、リサも疲れているのか、先にシャワーを浴びただけで、さっさと寝てしまった。
……それはそれで、何か寂しい部分もあるが。
で、私もシャワーを浴びて、ようやく就寝したのが、1時頃だった。
だから、睡眠時間は4~5時間といったところ。
警備会社時代、泊まり勤務をやっていた頃の仮眠時間のようだ。
愛原:「リサ、起きろ。朝だぞ」
私が起き上がって、リサのベッドに声を掛けたが、眠そうに寝返りをするだけで、起きようとしない。
確かにこれなら、起こし役が必要そうだ。
愛原:「リサ、起きろ」
私はリサの肩を揺さぶった。
リサ:「ううーん……」
一瞬、変化して襲ってきやしないかと思ったが、第1形態に戻っていたものの、そんなことは無かった。
リサ:「おはよー……。もう朝?」
愛原:「もう朝だよ。早く起きろ。電車に乗り遅れるぞ」
リサ:「はぁーい……」
リサに合わせていると、本当に電車に乗り遅れそうだったので、私が先にバスルームに行って、洗顔をさせてもらうことにした。
愛原:「リサも急げ」
リサ:「ふぁい……」
リサは第0形態に変化しがてら大きな欠伸をしたが、変化しきれていない牙が覗いた。
私がしばらくバスルームで髭剃りや歯磨きをした後で部屋に戻ると、ちょうどリサが着替えてる時だった。
夏服のブラウスは既に着用しており、ショーツの上から緑色のブルマを穿くところだった。
愛原:「うわっ、リサ!」
リサ:「なぁに、先生?わたしの着替え、見たいの?最初から着替え直す?w」
愛原:「いいから、オマエも歯磨きとかしろ!」
リサ:「はぁーい」
リサはブルマだけ穿くと、バスルームに向かった。
愛原:「スカート!スカート忘れてる!」
リサ:「濡れるから、後で穿くだけだよ~」
別の意味で心臓に悪い。
[同日07:07.天候:晴 同区 JR大宮駅→高崎線4004M列車7号車内]
〔おはようございます。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の6番線の列車は、7時7分発、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。この列車は、7両です。……〕
私達は善場主任から、特急列車のキップをもらっていた。
これでリサを学校に連れて行けということだ。
確かにこれなら、余裕で学校に着く。
朝食は駅構内の売店で買ったサンドイッチにした。
リサは駅弁を欲しがったが、旅行に行くわけではないので、もっと軽い物にするように言った。
リサは渋々、カツサンドを選んだ。
これとて朝からボリュームがあるように思えるのだが、私は私でミックスサンドにした。
後はリサはオレンジジュースで、私はボトル缶コーヒー。
既に朝のラッシュが始まっている大宮駅で、電車を待つ。
〔まもなく7番線に、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。この列車は、7両です。……〕
朝ラッシュで混雑するのは、何も車内の乗客だけではない。
大宮から南は高崎線と宇都宮線が合流する、渋滞発生区間なのである。
大宮駅には宇都宮線の電車が、たった数分先を走行する。
つまり、各駅間を縫って走るわけである。
なので、特急と言えども、そんなに最高速度で走れるわけではない。
高崎からの特急列車(651系1000番台)がやってくる。
他の普通列車が15両、電車線を走る京浜東北線でさえも10両なのだから、短い方である。
それでも、満席ではないのは、上野止まりだからだろう。
せめて常磐線のように、品川まで行けば、附属の4両編成を連結した11両編成でも賑わうかもしれない。
かつては常磐線の“スーパーひたち”として、そこを最高速度130キロで爆走した車両なのだから……。
最後尾の普通車に乗り込み、指定されている席に座る。
進行方向右側の席だった。
そこに隣り合って座る。
日の差す進行方向左側の席に座る乗客の殆どは、これまた懐かしい横引カーテンを引いていたが、右側の乗客も一部もカーテンを引いて仮眠を取っていた。
なので、車内は驚くほど静かである。
リサや私は鞄を網棚に置いて、テーブルを出し、そこに朝食と飲み物を置いた。
〔「この電車は高崎線の特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。ご乗車には乗車券、定期券の他、指定席特急券または座席未指定券が必要です。また、4号車はグリーン車です。大宮を出ますと、次は浦和に止まります。まもなく、発車致します」〕
ホームから発車メロディが微かに聞こえて来る。
リサはカツサンドを美味そうに頬張った。
〔6番線の高崎線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の列車を、ご利用ください〕
これまた今時珍しい、ドアエンジンを『プシュー』と響かせて、片開式のドアが閉まった。
JR化後、東日本としては初の新造車両ということであるが、現在からは見れば、アナログな所も多々残っている。
発車する時も、多少ガタガタ揺れる所とかもそうだ。
〔「大宮からご乗車のお客様、お待たせ致しました。おはようございます。ご乗車ありがとうございます。高崎線、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。停車駅は浦和、赤羽、終点上野の順です。電車は、7両編成での運転です。全車両指定席で、自由席特急券でのご利用はできません。また、4号車はグリーン車です。【中略】次は浦和、浦和です」〕
確かに電車は、常磐線時代の時速130キロなど出すこともなく、そもそも100キロも出していないような気がする。
上野着は7時37分だという。
この所要時間、実は同じ区間を走行する普通列車の所要時間と殆ど変わらない。
特急とは名ばかりの、特別料金徴収快速だと思えば良い。
もちろん、車両も特急用の車両なのではあるが……。
その代わり、特急料金は安く、同区間を走る普通列車のグリーン車並みである。
普通列車のグリーン車は自由席で、そもそも座れるかどうかさえ分からないのに、こちらは指定席なので、確実に座れるというメリットはあるが。
特急とは名ばかりの列車で、私達は都内へ向かう。
私達は善場主任の部下が運転する車で、ホテルまで送ってもらった。
何と、ホテルの部屋はツインであった。
何でも、リサが寝坊して学校に遅刻しては困るので、あえてそうしたのだという。
リサに迫られないか心配したが、リサも疲れているのか、先にシャワーを浴びただけで、さっさと寝てしまった。
……それはそれで、何か寂しい部分もあるが。
で、私もシャワーを浴びて、ようやく就寝したのが、1時頃だった。
だから、睡眠時間は4~5時間といったところ。
警備会社時代、泊まり勤務をやっていた頃の仮眠時間のようだ。
愛原:「リサ、起きろ。朝だぞ」
私が起き上がって、リサのベッドに声を掛けたが、眠そうに寝返りをするだけで、起きようとしない。
確かにこれなら、起こし役が必要そうだ。
愛原:「リサ、起きろ」
私はリサの肩を揺さぶった。
リサ:「ううーん……」
一瞬、変化して襲ってきやしないかと思ったが、第1形態に戻っていたものの、そんなことは無かった。
リサ:「おはよー……。もう朝?」
愛原:「もう朝だよ。早く起きろ。電車に乗り遅れるぞ」
リサ:「はぁーい……」
リサに合わせていると、本当に電車に乗り遅れそうだったので、私が先にバスルームに行って、洗顔をさせてもらうことにした。
愛原:「リサも急げ」
リサ:「ふぁい……」
リサは第0形態に変化しがてら大きな欠伸をしたが、変化しきれていない牙が覗いた。
私がしばらくバスルームで髭剃りや歯磨きをした後で部屋に戻ると、ちょうどリサが着替えてる時だった。
夏服のブラウスは既に着用しており、ショーツの上から緑色のブルマを穿くところだった。
愛原:「うわっ、リサ!」
リサ:「なぁに、先生?わたしの着替え、見たいの?最初から着替え直す?w」
愛原:「いいから、オマエも歯磨きとかしろ!」
リサ:「はぁーい」
リサはブルマだけ穿くと、バスルームに向かった。
愛原:「スカート!スカート忘れてる!」
リサ:「濡れるから、後で穿くだけだよ~」
別の意味で心臓に悪い。
[同日07:07.天候:晴 同区 JR大宮駅→高崎線4004M列車7号車内]
〔おはようございます。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の6番線の列車は、7時7分発、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。この列車は、7両です。……〕
私達は善場主任から、特急列車のキップをもらっていた。
これでリサを学校に連れて行けということだ。
確かにこれなら、余裕で学校に着く。
朝食は駅構内の売店で買ったサンドイッチにした。
リサは駅弁を欲しがったが、旅行に行くわけではないので、もっと軽い物にするように言った。
リサは渋々、カツサンドを選んだ。
これとて朝からボリュームがあるように思えるのだが、私は私でミックスサンドにした。
後はリサはオレンジジュースで、私はボトル缶コーヒー。
既に朝のラッシュが始まっている大宮駅で、電車を待つ。
〔まもなく7番線に、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。この列車は、7両です。……〕
朝ラッシュで混雑するのは、何も車内の乗客だけではない。
大宮から南は高崎線と宇都宮線が合流する、渋滞発生区間なのである。
大宮駅には宇都宮線の電車が、たった数分先を走行する。
つまり、各駅間を縫って走るわけである。
なので、特急と言えども、そんなに最高速度で走れるわけではない。
高崎からの特急列車(651系1000番台)がやってくる。
他の普通列車が15両、電車線を走る京浜東北線でさえも10両なのだから、短い方である。
それでも、満席ではないのは、上野止まりだからだろう。
せめて常磐線のように、品川まで行けば、附属の4両編成を連結した11両編成でも賑わうかもしれない。
かつては常磐線の“スーパーひたち”として、そこを最高速度130キロで爆走した車両なのだから……。
最後尾の普通車に乗り込み、指定されている席に座る。
進行方向右側の席だった。
そこに隣り合って座る。
日の差す進行方向左側の席に座る乗客の殆どは、これまた懐かしい横引カーテンを引いていたが、右側の乗客も一部もカーテンを引いて仮眠を取っていた。
なので、車内は驚くほど静かである。
リサや私は鞄を網棚に置いて、テーブルを出し、そこに朝食と飲み物を置いた。
〔「この電車は高崎線の特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。ご乗車には乗車券、定期券の他、指定席特急券または座席未指定券が必要です。また、4号車はグリーン車です。大宮を出ますと、次は浦和に止まります。まもなく、発車致します」〕
ホームから発車メロディが微かに聞こえて来る。
リサはカツサンドを美味そうに頬張った。
〔6番線の高崎線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の列車を、ご利用ください〕
これまた今時珍しい、ドアエンジンを『プシュー』と響かせて、片開式のドアが閉まった。
JR化後、東日本としては初の新造車両ということであるが、現在からは見れば、アナログな所も多々残っている。
発車する時も、多少ガタガタ揺れる所とかもそうだ。
〔「大宮からご乗車のお客様、お待たせ致しました。おはようございます。ご乗車ありがとうございます。高崎線、特急“スワローあかぎ”4号、上野行きです。停車駅は浦和、赤羽、終点上野の順です。電車は、7両編成での運転です。全車両指定席で、自由席特急券でのご利用はできません。また、4号車はグリーン車です。【中略】次は浦和、浦和です」〕
確かに電車は、常磐線時代の時速130キロなど出すこともなく、そもそも100キロも出していないような気がする。
上野着は7時37分だという。
この所要時間、実は同じ区間を走行する普通列車の所要時間と殆ど変わらない。
特急とは名ばかりの、特別料金徴収快速だと思えば良い。
もちろん、車両も特急用の車両なのではあるが……。
その代わり、特急料金は安く、同区間を走る普通列車のグリーン車並みである。
普通列車のグリーン車は自由席で、そもそも座れるかどうかさえ分からないのに、こちらは指定席なので、確実に座れるというメリットはあるが。
特急とは名ばかりの列車で、私達は都内へ向かう。
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