[8月5日09:57.天候:晴 静岡県富士宮市 上条地区]
〔「大石寺入口です」〕
朝になって温泉施設を出た稲生達は、富士宮駅経由で大石寺に向かった。
かつては御開扉のある日に限って、富士宮駅からの直行バスが運行されていたのだが、乗客が少ない為に廃止になった経緯がある。
但し、上条行きの一般路線は運行されている。
本数は少なく、中型バスでの運行となるが。
稲生:「大人2人お願いします」
運転手:「はい。ありがとうございました」
バス停は名前の通り、大石寺の前にあるわけではない。
三門前の国道を西に向かうと、途中で県道との十字路交差点にぶつかる。
あの辺りにバス停がある。
バスを降りると、その国道を東に向かった。
既に夏の太陽が照り付け、マリアはローブを防暑着として羽織った。
“フェイク”では登山者数の減少を揶揄して伝えている。
特に具体的な数字を挙げていないところをみると、噂話程度のものなのであろう。
ただ実際、富士急静岡バスが集計した乗客数を提供してもらうと、確かにそれは減少しているそうだ。
実際、富士宮駅発着の登山バスは乗客数が理由で廃止されたことを鑑みると……。
少なくとも、増えているという主張は無理があろう。
もし増えているのなら、バスの本数も増えると思う。
公共交通機関が不便だから登山者数が増えないのか、或いはその逆が理由なのか……。
稲生:「先生から連絡はありましたか?」
マリア:「いや、全く無い。多分、今日中にはあると思うけど」
稲生:「そうですか」
まだプレハブの囲いが目立つ三門前に到着する。
稲生:「僕は登山事務所に行って手続きしてきますから、マリアさんは適当に見学でもしていてください」
マリア:「分かった。多分ここは、教会の奴らは来ないだろうから安全地帯かな?」
稲生:「来ようものなら、ガチ勢にフルボッコにされますからねぇ……。あ、ガチ勢で思い出した」
ガチ勢信徒:「すいませーん、見学者の方ですか?もし宜しかったら……」
稲生:「あ、すいません。僕、東京第3布教区の正証寺の信徒です」
ガチ勢信徒:「あ、これは失礼しました」
稲生とマリアは三門前から離れた。
尚、東京第3布教区も正証寺も現実には存在しておらず、フィクションである。
作者が法道院時代、『あまりにも折伏誓願が達成できない東京第1布教区や第2布教区の寺院が送られる、支部解散処分直前の不良布教区』という冗談を飛ばしたところ、【お察しください】。
もしかして、ガチか?
稲生:「時折、ガチ勢さんの山内折伏がありますので、もしエンカウントしたら日本語通じないフリでもしていてください」
マリア:「そんなんでいいのか」
稲生:「外人さんならではの、日本人に対する最大の攻撃かつ防御です」
マリア:「英語で話しかけたりはしないのか?」
稲生:「それができる山内折伏者がどれだけいるのか……。だって、さっきそうだったじゃないですか?」
マリア:「あれは勇太に話しかけたんだろう?」
稲生:「明らかに信徒じゃない恰好をしているのはマリアさんの方なのに、あの人は日本語で話し掛けて来たわけですよ。つまり、そういうことです」
マリア:「ふーん……」
尚、正証寺の信徒の殆どがそうである為、唯一英語が堪能な稲生が通訳担当なのだという。
マリア:「来年にはオリンッピックが控えてるのにねぇ……」
皆が皆、オリンピック開催に賛成していると思うなよ?(By作者)
マリア:「確か日本政府はインバウンド政策を推進しているということだけど……」
皆が皆、インバウンド政策に賛成していると思うなよ?(By作者)
稲生:「何かさっきからカントクの声がうるさいので、これは撮り直しですかね?」
[同日12:00.天候:晴 同市内 大石寺境内仲見世“なかみせ”]
布教講演を拝聴した稲生は再びマリアと合流して、昼食を取ることにした。
稲生:「すいません、豚汁定食2つください」
女将さん:「はい、ありがとうございます」
マリア:(この暑いのに熱いものを食べて汗をかこうってヤツの気が知れないと思っていたけど、美味しそうだったので注文してみた)
こぢんまりとした店内は昼時ということもあってか賑わっていた。
マリア:「日本人以外の信者の方が多そうだな?」
稲生:「おかげでマリアさんが目立たないわけです。昔は中国人が多かったものですが、今日は白人が多いな……」
だからこそマリアが目立たない。
マリア:「アメリカ人辺りかな?言い回しがそれっぽい」
稲生:「あ、そうですか。結構早口の人が多いですね」
アメリカのABCテレビのキャスターと、イギリスのBBCテレビのキャスターの喋り方を見比べてみると分かる。
前者は日本語で言えば『大阪人』、後者は『京都人』なのだそうだ。
ん?『東京人』どこ行った?
稲生:「御開扉が終わったら、新富士駅に向かうバスが出るんです。それで帰りましょう」
マリア:「分かった」
〔「大石寺入口です」〕
朝になって温泉施設を出た稲生達は、富士宮駅経由で大石寺に向かった。
かつては御開扉のある日に限って、富士宮駅からの直行バスが運行されていたのだが、乗客が少ない為に廃止になった経緯がある。
但し、上条行きの一般路線は運行されている。
本数は少なく、中型バスでの運行となるが。
稲生:「大人2人お願いします」
運転手:「はい。ありがとうございました」
バス停は名前の通り、大石寺の前にあるわけではない。
三門前の国道を西に向かうと、途中で県道との十字路交差点にぶつかる。
あの辺りにバス停がある。
バスを降りると、その国道を東に向かった。
既に夏の太陽が照り付け、マリアはローブを防暑着として羽織った。
“フェイク”では登山者数の減少を揶揄して伝えている。
特に具体的な数字を挙げていないところをみると、噂話程度のものなのであろう。
ただ実際、富士急静岡バスが集計した乗客数を提供してもらうと、確かにそれは減少しているそうだ。
実際、富士宮駅発着の登山バスは乗客数が理由で廃止されたことを鑑みると……。
少なくとも、増えているという主張は無理があろう。
もし増えているのなら、バスの本数も増えると思う。
公共交通機関が不便だから登山者数が増えないのか、或いはその逆が理由なのか……。
稲生:「先生から連絡はありましたか?」
マリア:「いや、全く無い。多分、今日中にはあると思うけど」
稲生:「そうですか」
まだプレハブの囲いが目立つ三門前に到着する。
稲生:「僕は登山事務所に行って手続きしてきますから、マリアさんは適当に見学でもしていてください」
マリア:「分かった。多分ここは、教会の奴らは来ないだろうから安全地帯かな?」
稲生:「来ようものなら、ガチ勢にフルボッコにされますからねぇ……。あ、ガチ勢で思い出した」
ガチ勢信徒:「すいませーん、見学者の方ですか?もし宜しかったら……」
稲生:「あ、すいません。僕、東京第3布教区の正証寺の信徒です」
ガチ勢信徒:「あ、これは失礼しました」
稲生とマリアは三門前から離れた。
尚、東京第3布教区も正証寺も現実には存在しておらず、フィクションである。
作者が法道院時代、『あまりにも折伏誓願が達成できない東京第1布教区や第2布教区の寺院が送られる、支部解散処分直前の不良布教区』という冗談を飛ばしたところ、【お察しください】。
稲生:「時折、ガチ勢さんの山内折伏がありますので、もしエンカウントしたら日本語通じないフリでもしていてください」
マリア:「そんなんでいいのか」
稲生:「外人さんならではの、日本人に対する最大の攻撃かつ防御です」
マリア:「英語で話しかけたりはしないのか?」
稲生:「それができる山内折伏者がどれだけいるのか……。だって、さっきそうだったじゃないですか?」
マリア:「あれは勇太に話しかけたんだろう?」
稲生:「明らかに信徒じゃない恰好をしているのはマリアさんの方なのに、あの人は日本語で話し掛けて来たわけですよ。つまり、そういうことです」
マリア:「ふーん……」
尚、正証寺の信徒の殆どがそうである為、唯一英語が堪能な稲生が通訳担当なのだという。
マリア:「来年にはオリンッピックが控えてるのにねぇ……」
皆が皆、オリンピック開催に賛成していると思うなよ?(By作者)
マリア:「確か日本政府はインバウンド政策を推進しているということだけど……」
皆が皆、インバウンド政策に賛成していると思うなよ?(By作者)
稲生:「何かさっきからカントクの声がうるさいので、これは撮り直しですかね?」
[同日12:00.天候:晴 同市内 大石寺境内仲見世“なかみせ”]
布教講演を拝聴した稲生は再びマリアと合流して、昼食を取ることにした。
稲生:「すいません、豚汁定食2つください」
女将さん:「はい、ありがとうございます」
マリア:(この暑いのに熱いものを食べて汗をかこうってヤツの気が知れないと思っていたけど、美味しそうだったので注文してみた)
こぢんまりとした店内は昼時ということもあってか賑わっていた。
マリア:「日本人以外の信者の方が多そうだな?」
稲生:「おかげでマリアさんが目立たないわけです。昔は中国人が多かったものですが、今日は白人が多いな……」
だからこそマリアが目立たない。
マリア:「アメリカ人辺りかな?言い回しがそれっぽい」
稲生:「あ、そうですか。結構早口の人が多いですね」
アメリカのABCテレビのキャスターと、イギリスのBBCテレビのキャスターの喋り方を見比べてみると分かる。
前者は日本語で言えば『大阪人』、後者は『京都人』なのだそうだ。
ん?『東京人』どこ行った?
稲生:「御開扉が終わったら、新富士駅に向かうバスが出るんです。それで帰りましょう」
マリア:「分かった」
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