報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「リサの帰宅後」

2023-10-29 17:23:45 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月23日16時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]

 リサは帰宅すると、早速、ブルマの購入申込書を愛原に見せた。

 愛原「なるほど。これがそうなのか」
 リサ「うん、そう。ここに、紺色の購入チェック項目がある」
 愛原「お役所の書類みたいに小さいマスだな。しかも※の所をよく読むと、『従来品は製造中止の為、現行品は別メーカーが製造します。よって、従来品とデザイン・材質が異なります』って書いてある。これは多分、緑の方だな。写真写りのせいもあるだろうが、本当にまだ東京中央学園でブルマが使用されていた頃の緑は、もう少し鮮やかなものだったと思われる。だけど今、リサが穿いているのは、それより若干濃い緑なんだよな」
 リサ「ふむふむ……。ということは?」
 愛原「まあ、写真写り程度の違いの色合いだから、あまり気にすることもないのかもしれない。多分、今の体操服を造っている所に、改めてブルマの製造を依頼するんだろう。今の体操服のメーカーってどこだ?」
 リサ「ちょっと待って。部屋に行って、ついでに着替えて来る」

 リサはそう言ってエレベーターに乗り込み、4階の自分の部屋に向かった。

 リサ(あの分だと買ってくれそう)

 リサは自分の部屋に入ると、制服から学校の体操服とブルマに着替えた。
 この時、リサは今は穿いていない現行の短パン(クォーターパンツ)のタグを見た。
 ブルマ反対派と、リサが復活運動を開始する前までは、これが当たり前のように使用されている。

 リサ「ギャレックス?……まあいいや」

 リサはそれに着替えると、再び2階へ下りた。

 リサ「先生、こんな感じ」
 愛原「ギャレックスか」
 高橋「聞いたことないメーカーっスね」
 愛原「いやいや、かなり有名だよ」
 高橋「えっ、そうなんスか?」
 愛原「ああ。FILAって知ってるよな?」
 高橋「あ、はい。それはもう……」
 愛原「あれと同じメーカーだよ」
 高橋「えっ、そうなんスか?」
 愛原「うん。要はブランド名だよね。リサが穿いてるブルマのサイサリスというのも、オータニというメーカーのブランド名だから」
 高橋「はー……さすが先生、お詳しいですね」
 愛原「雑学だよ、雑学」
 パール(雑学程度には見えないけど……)
 リサ「すると、この注文書で申し込んだら、ギャレックスのブルマが届くってわけだね」
 愛原「いや、それは分からんな」
 リサ「えっ?」
 愛原「1度製造を中止したものを、再開するってのは結構大変なんだ。休止していたものを再開するというなら、まだいいんだけどな。しかも、東京中央学園の体操服がギャレックスとなると、少し雲行きが怪しくなる」
 リサ「どういうこと?」
 愛原「俺もネットで見たんだが、製造中止を食らう前のギャレックスのブルマって、サイサリスのブルマとそっくりなんだよ」
 リサ「んん?」

 リサはまだ理解できなかった。
 まあ、仕方が無い。
 自分は確かに積極的にブルマを着用しているが、別に好きで穿いているのではなく、愛原の気を引く為であるからだ。
 愛原にもっと目を向けてもらう為なら、『魔王軍』を結成し、彼女らにも穿いてもらうことも辞さない。

 愛原「ブルマの製造部門をリストラしたギャレックスに対し、その業務を引き継いだのがオータニのサイサリスだという噂がある。それなら似てるのも当然だ」
 リサ「……なるほど」
 愛原「恐らく、絶版したものはさすがに製造再開はできないが、それまでギャレックスが製造していた物については何とか製造できている状態なんだろう。恐らく購買部も、リサの入手経路と同じように、そこに注文するんじゃないかな?」
 リサ「うーん……。だったらあんまり意味無いな……」
 愛原「そういうことになる。せいぜい、違いはそのメーカータグぐらいだろう。そのタグの形状だって、画像で見ると結構そっくりだったりするんだ」
 リサ「ふーん……。だとしたら、どうして紺色の方は別のメーカーなんだろ?わたしが持ってる紺色だって、同じメーカーから購入したんだよ?」
 愛原「あー……そうだな……」

 愛原は首を傾げた。

 愛原「もう1度、申込書を見せてくれ」
 リサ「はい」

 愛原は注文書をもう1度読んでみた。
 紺色のブルマは、どうもついでにメーカーが販売しているような気がしてならない。

 愛原「あ……!」
 リサ「なに?」
 愛原「リサ、学校指定のスパッツってどこのメーカーだ?」
 リサ「それなら……あっ!学校のロッカーの中だ!もうブルマ穿いてるから、しばらく穿かないと思って……」

 リサがうっかりしてブルマを穿き忘れた時のみ、臨時に稼働するという感じ。
 学校の校則では、女子生徒のスカートの中は、必ず下着の上にオーバーパンツを穿かないといけないというのがあるからだ。
 但し、ストッキングを穿く場合はこの限りではない。
 ブルマが廃止になった際、それに代わる物として、いち早く採用されたのがスパッツだったが、さすがに体にピッタリし過ぎていたからか、体操服としての用途は見送られた。
 あくまで、オーバーパンツとしての用途のみである。

 愛原「体操服メーカーも、スパッツを造っていることがある。どういう経緯か知らないが、スパッツと同じメーカーだったとしたら、そういうことかもしれない」
 リサ「分かった。他のメンバーに聞いてみる」

 リサはスマホを出した。
 そして、『魔王軍』のグループLINEにて問い合わせた。
 すると、1人のメンバーから回答があった。

 リサ「トンボだって」
 愛原「やっぱりか……」

 画像付きで送られてきた。
 メーカーのタグはブルマや短パンと違って外側には付いておらず、内側に付いていた。
 女子用を強く意識しているのか、ナプキンなどを入れる為であろう小さな内ポケットもある。
 トンボは学生服のメーカーとして有名だ。
 恐らく学園側は、新たに女子制服の一部として、スパッツを制定したのだろう。
 そこで、体操服メーカーではなく、制服メーカーの物を指定したのだと思われる。
 そして、同じ用途を想定したことで、紺色ブルマも体操服メーカーではなく、制服メーカーの物になったのかもしれない。

 リサ「で、どうするの?」
 愛原「緑のブルマは様子見だな。『魔王軍』とかで新たに購入するコがいたら、それを見せてもらうといい」
 リサ「分かった。じゃあ、紺色の方だけ……」
 愛原「サイズアップするんだっけか?」
 リサ「お願い。……ていうか……」
 愛原「そもそもサイズがキツくなりつつあるわけだから、緑ブルマも更新しないと、ハミパンするってか」
 リサ「そういうこと!……先生にだけはハミパン見せてあげるねぇ……」
 愛原「そりゃどーも」
 リサ「少しずつ体が成長してる感じがする。“鬼ころし”って、そういう効果があるのかな?」
 愛原「分からんなぁ……」

 愛原は首を傾げた。
 リサがしばらくロリ体型だったのは、Gウィルスが成長阻害していたからである。
 その為、同じくGウィルスが形を変えて遺伝子に深く食い込んでしまったシェリー・バーキンは、人種や年齢の割に体は小柄で、老化もかなり遅いのだという。
 そしてそれは、善場も同じ。
 人間に戻れた者達でさえそうなのだから、まだ戻れていないリサは、年齢に見合わぬロリ体型なのである。

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