報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日の動静

2013-05-25 19:31:02 | 日記
 今日は歯医者で歯石除去。その後バスで大宮駅に向かい、西口付近のアニメイトに行ってきたのだが、目ぼしいものは無かった。そういう時、Amazonは便利だな。なに、前記事で紹介しているうちに、私も“悪ノ娘”や“悪ノ召使”が聴きたくなってきた。なかなかの名曲らしいとのこと。
 明日は久しぶりに日曜日に休みが回ってきた。いつもは仕事でしか行かない都内。たまには休日も歩いてみるか。

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 “新人魔王の奮闘記”より。

「は?旧館の方で?」
「はい。夜な夜な大魔王ヴァール様の咆哮が聞こえるとの、専らの噂です」
 安倍春明は魔王城新館にある首相執務室で、親衛隊長からそのような報告を受けた。
「旧館の地下には、更に魔界の大深部に繋がるトンネルがあるわけだろ?そこに大魔王が“邪悪なる者”を鎮めに行ってるんだから、もしかしたら、声が聞こえるかもしれないな」
「それが、その声が最近大きくなっているとのことです」
「旧館自体に何か変化は?」
「いえ。それはまだ……」
「分かった。旧館内部の監視体制を強化し、噂が無くなるまで警戒を怠るな」
「かしこまりました」
 春明が命じると親衛隊長は一礼して、部屋を出て行った。
(旧館は立ち入り禁止にしているから、よほど何か起こらない限りは何も間違いは無いな)
 そして春明は、室内の時計を見た。
(もうそろそろ昼の時間だな)
 春明は机の上の電話を取った。
「もしもし。ちょっとお昼食べてくるから」
 秘書に電話したのか。
 そして、部屋を出る。
「おっと!」
 部屋の外にはリーフがいた。
「ごめんごめん。どうした?」
『陛下はいないのですか?』
 ダークエルフの少女は、スケッチブックにたどたどしい日本語を書いた。
 彼らにはエルフ語なる独自の言語があるため、ルーシーが英語を教えていたのだ。
 だが、春明はエルフ語の文字について、ある法則を見出した。
 日本語のひらがなとカタカナを崩したような形になっていて、それを『元に戻す』と、彼らの言わんとしている内容と一致しているのである。
 それならばと、春明はリーフに日本語のひらがなとカタカナを教えた。元のエルフ文字が似ているだけに、リーフはすぐに覚えた。
 因みにスケッチブックに文字を書くのは、彼女の心の傷がまだ癒えぬからに他ならない。
「ああ。今日、陛下は魔王軍の閲兵に向かわれている。午後には帰ってくるよ」
 春明もまたエルフ文字の法則を覚えると、それをスケッチブックに書いてやり、それを日本語で発音した。
 するとリーフは、大きく頷いた。
「良かったら、一緒に昼御飯食べよう」
 リーフは後ろからついてきた。
 今は全廃・解散させた民主党人民軍のアジトを攻め込んだ時、多くのエルフ女性達が集団強姦されていた。
 リーフが、そんな被害者達の1番最年少。年端の行かない少女も、初潮を迎えた時点で同じ運命を辿ることになる。
 寿命がすこぶる長く、かつ成長の遅いエルフ族で、リーフの実年齢が幾つかは不明だが、いきなり訳も分からず犯され続けた少女が1番重傷であった。
 さすがに見かねたルーシーがリーフを特別に魔王城で預かることとし、ルーシーによる直接的な治療を受けてから約1ヶ月。徐々に落ち着きを取り戻しつつはあったが、未だに言語障害は回復できずにいた。
 しかし真っ先に救い出してくれた春明のことは慕っているようで、よくこうして執務室に訪ねてくることがよくあった。
(AK-47の出所、バレなくて良かった……。ルーシーはその辺、鋭いからな……)
 自動小銃をどうやって人間界から持ち込んだのか。いや、そもそも人間界での入手経路は秘密にしておきたいようだ。
コメント (5)
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ブログ開設250日目!

2013-05-25 00:43:55 | 日記
 おかげさまで、ブログ解説250日目を迎えました。ネタ切れの暁には駄作を掲載することで凌がせて頂きましたが、今後とも続けていきたいと思います。
 閲覧者の皆様におかれましては、厚く御礼申し上げます。

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 “ボカロマスター”より。

「あ、そうだ。リン・レンのラジオ……」
 初音ミクは研究所の事務室内にあるラジオを入れた。
「おっ、そうだ。これからだったな」
「はい」
 敷島も思い出して、PCのモニタから目を離した。
〔「ハック・ワン生ラジオ!今日のゲストは、この方々!今話題のボーカロイド、鏡音リンちゃんと同じくレン君にお越し頂きましたー」「いぇい!ぱふぱふ♪」「では早速オープニングいってみよー!」〕
「何の番組なんですか?」
 巡音ルカもやってくる。
「例のミュージカルのことさ。いきなり有名になったもんなぁ……」
 敷島はそう言って、壁のポスターに目をやった。そこには、“悪ノ娘と召使い”というタイトルがでかでかと目についた。

 ラジオ局のスタジオでは、順調にトークが流れていく。
「ミュージカルの主役と準主役に抜擢されたんだって?」
「はい!いよいよ来月から、仙台公演が始まります」
「東京公演の時にも御好評頂いたので、ぜひ仙台の皆さんにも楽しんで頂きたいです」
「おおー!じゃあさ、リンちゃん。ちょっと地元のリスナーの皆さんに、ざっくりストーリーを紹介しちゃってくれる?ネタバレしない程度にさ」
「はーい。まず、舞台は中世ヨーロッパのどこかの王国で、リンがその国の王女様、レンが召使いをやるお話だよ。そこでリンが暴政を振るう悪い王女になって……」
 急にリンのテンションが下がる。
「レンがその王女様の忠実な召使いを……」
 DJが少し困惑した。
「ど、どうしたの?確か最後には、革命が起きちゃうんだよね?」
 レンが慌てて答えた。
「あ、えーと……つまりボク達が双子だというのが、この物語の大きなミソなんです。あの、これ以上はネタバレになっちゃうんで……」
「あっ、そうだね。それじゃ、今度はこのミュージカルのテーマソングをお2人に歌ってもらいましょう!」

 どうにか生放送が終わる。
「リン、どうしちゃったのさ?いつもは調子よく喋るのに……」
「ねえ、レン。あの話ってさ、最後にリンとレンが入れ替わって、レンがギロチンで首を切られるじゃん?」
「ああ。ボク達、双子だからね。この時の為に、首と体が離れても大丈夫なように改良してくれたし……。まるで本当に首が切り落とされたみたいだって、大きく盛り上がるところ……」
「そうじゃなくて、レンは何かに気づかない?」
「何が?」
「あのストーリーを忠実にやると……リン、壊れちゃうよ……」
「は?え?どういうこと?だって、ギロチンで首を切られる役はボクだよ?だって、東京公演の時は全然なんとも無かったじゃないか」

 その頃、研究所では……。
「えっ?平賀先生もファンなんですか?」
 師匠である南里を訪ねて来た平賀もまた、カーラジオでリンとレンのラジオを聴いていたという。
「ええ。いわゆる原作ファンです。原作の小説が面白くてですね、全巻そろえちゃいましたよ」
「さすが先生。凝り性ですね」
「ははは。でも、ロボット研究よりも面白いものは無いですよ。それより、何でここに台本が?」
「ああ。赤月先生が置いてったんです。元々は赤月先生が取って来た仕事ですからね。で、ボーカロイドは1度台本の内容を入力したら、あとはもう忘れることはありませんから」
「なるほど」
 平賀は台本の中を覗いてみた。
「ははぁ、基本的には原作に忠実なんですね。……ん?この『仙台公演特別ストーリー』って何ですか?」
「は?いや、知りませんよ?」
「あれ?ストーリーの内容が、少し変わってるぞ?……初音ミクが、チョイ役で出てくるんだ」
「はい。城から逃げる王女を偶然にも発見して、剣で斬り伏せる兵士の役です。全然脇役ですけど……」
「そ、そう?何か、原作とだいぶ変えたなぁ」
 平賀は違和感を拭えなかった。
 思えばこの時、平賀が人間の中で一番真相に近い所にいたのかもしれない。
コメント (4)
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