fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『おはようの声』(新日本出版社)について

2023年04月29日 | 自作紹介
 
『おはようの声』は、所属している「季節風」に12年も前に、投稿作品として掲載いただいたのがベースです。
 これを長編にしようと書き直し、大会に出し、推薦作品になりました。
 その翌年、推薦作品の合評会が春研でありました。一応推薦された作品なので、皆さん褒めてくださいました。ところが最後に、あさのあつこさんが言ったのです。

「うまいです。いい作品です。でも、何かが足りない気がする」と。「何が足りないのかはよくわからないけど、何かが」とも。

 その後、私はその言葉を、この作品だけではなく、どの作品にも投げかけて書いています。
 『おはようの声』は、本になりましたが、だからといって、「何か」を書き切れたかどうかはわかりません。
 これからも、書いた作品に、その言葉を投げかけていくと思います。

 先日、何年かぶりで春研にあさのさんがいらしてくださいました。私はこの件を、ちゃんとお伝えしなくてはと、会が始まる前にお伝えしました。
「こんなふうに、10年もかけて書いてます」と申しましたら、
 「それも、才能ですよね」とおっしゃっていただきました。

私の作品に足りない「何か」とは、なんなのか。それを人に尋ねようと思ったこともありません。自分で、書くことでしか答えは出ないと思っていました。春研では、あさのさんからまさにそういう話も出て、私は激しく心の中でうなずいていました。

 新刊の『ファミリーマップ』にも、似たような逸話があります。また、後日。