『母は枯葉剤を浴びた ダイオキシンの傷あと』中村梧郎郎 2023年04月30日 | あいさつ 二冊の同じ本があります。 岩崎ちひろの絵の表紙、新潮文庫昭和58年初版で、2刷りのもの。 子どもの写真が表紙の岩波現代文庫のは、2005年初版で4刷りのもの。 最後に、新潮文庫のものに「そして子どもたちは大人になった」「ダイオキシン、その人体影響」を書きおろし、各章に加筆と修正を行い、写真も一部入れ替えた。とあります。 その写真。一部どころではありません。 新潮文庫の方は、ホルマリンに入った、胎児の写真がたくさんあるのです。これがもう、ベトちゃんドクちゃんどころではない。生きて生まれることのできなかった子達のもの。 つまり、戦争の悲惨さをどっちがきちんと伝えているかというと、新潮文庫のほう。 加筆部分は、よかったです。 あの胎児の写真は、やはり衝撃的すぎるのでしょうか。でも、それを隠すのはいかがなものでしょうか。