又吉直樹の芥川賞受賞以前の作品を読んでみた。
この二冊の本は、又吉の作った自由律俳句が載っている。
この時期、又吉は自由律に嵌っていたようだ。
自由律俳句は、575ではない。
575の定型や季題にとらわれず、自由な感情の表現に重きが置かれる。
種田山頭火という有名な俳人がいる。
あるけばかつこういそげばかつこう 山頭火
酔うてこほろぎと寝ていたよ 山頭火
だからなんなんだ…というような、おおよそ俳句とは思えない言葉の羅列だ。
このような俳句を2009年と2010年に相次いで出版している。
又吉にとって、色々制約のあるものより、感情をそのまま言葉にする物の方があっていたのだろう。
しかし、又吉にとっては思い入れのある句だと思うが、全然面白くない。
こつが解ったから早くやりたいと焦っている 又吉直樹
二日前の蜜柑の皮が縮んでいる 又吉直樹
芥川作家にこんなことを言っては失礼だが、共感も感動もない。
最後まで読みたいと思わない。
自由律って誰もその良さが分から無いと思う。
まぁ、今は定型句を勉強しているようなので、それでよかったと思う。