梅さんのかわら版.umelog

甲州市~甘草屋敷

プレバト俳句~突然の雨

2022-06-06 00:52:43 | プレバト俳句

夕立や楽譜にカンマ書き入れる  村上健志

題:突然の雨
1位  新妻聖子  夕立にすれ違いしか同級生
 添削 級友か夕立にすれ違いしは
2位  田中要次  過雨上がり歩道橋より虹の橋
 添削 虹の端や過雨上がりたる歩道橋
3位 大園玲(櫻高46) 夏服の肩擦れ合う傘底に
 添削 夏服の肩のふれ合う相合傘
4位 山﨑ケイ  相合いに照れしまう傘梅雨はじまる
 添削 走り梅雨相合い傘はまだ早い

名人
◆北山宏光(Kis-My-Ft2)現状維持 
   浮葉の雫止めるシャッターボタン
添削 シャッターボタン浮葉の雫ふくらみ来

◆村上健志(フルーツポンチ) 1つ前進 
   夕立や楽譜にカンマ書き入れる

◆梅沢富美男 ボツ 
   まず眼鏡次に手のひらすぐ夕立
添削 まず眼鏡おでこ掌の平あら夕立

この季節、突然の雨と言うと夕立だが、
夕立には傍題として「白雨(はくう)」「驟雨(しゅうう)」
「村雨(むらさめ)」「銀竹(ぎんちく)」がある
又、この他に「通り雨」というのもある

今回は一般的な夕立が多かった
田中の「過雨あがり」だが、「夕立晴れ」と言う季語があるので、
敢えて難しい言葉を使う必要はなかったのでは…
村上は発想を飛ばして、一つ前進で名人になった
「夕立と楽譜にカンマ」がつかず離れずでよかったのだろう
 
調べてみると、夕立は発想を飛ばしやすいのか、
意外性のある句が目立った

 心臓は一人にひとつづつ夕立  櫂未知子
 戦争のこと言い出すと驟雨来  宇多喜代子
 殺すほど愛したこともなく夕立  櫂未知子

又、いつもumeさんの言っている自然との取り合わせの句は…

 花葛のあかるむ後山驟雨すぐ  飯田蛇笏
 蜻蛉の高く飛びをり夕立晴  星野立子
 葉鶏頭のいただき躍る驟雨かな  杉田久女
 短夜の雲の帯より驟雨かな  野澤節子

こうやって上げてみると、梅沢永世名人の句は狭い範囲での発想だナと思う
もっと外に飛び出して大きな景で詠んで欲しいと思う