俳句の勉強会に行くと必ず「切れ」がでてきます。切れとは「○○や」「○○かな」「××けり」で、「古池やかわず飛び込む水の音」という使いかたをします。
今日は、その切れではなく前から関心のあった「前書き」というのを取り上げてみたいと思います。
俳人が出す句集等を見ていますと句の前にその句の説明が載っている場合があります。それを前書きと言います。
「俳句」6月号に井上康明氏のこんな句が載っていました。
四月二十五日は福田甲子男忌
「 破顔一笑花桃の風の中 」 井上康明
これはこの句の補足ですね。大先輩にあたる福田氏の命日にあたりこの句を作りましたという説明です。
このように、使うわけですが、俳句ばかりでなく短歌にもこれがあります。
6月3日(月)東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約一千億円が被災地以外で使われていることがわかった。
「 四階までのぼる息子が少しづつ階段を濡らしのぼりゆきたり 」 大口玲子
この説明によりこの歌が俄然意味を帯びてきます。大震災により息子さんは職を失ったのでしょうね。毎日ハローワークに通う日々。いまだ職はみつからない。なんてこった、雇用対策の復興予算はどこへ消えたのか…何ともやり切れない怒りが湧いてくる。
このように、前書きというのはその作品に有効的に働きます。
しかし、17文字とか31文字とかの短詩形の文芸と言っておきながら、説明を加えるのはずるいではないかとおもいますよね。
では、いつどういう場面で使うのか…このことを知りたかったのですが、井上氏の講演ではこの部分の説明はありませんでした。使用例ですね。
俳句の大会には絶対前書きはありえないことで、句集などの個人的な作品に限って使うのかなぁ…もうちょっと勉強したいと思います。
H23に、国文祭を開催した与謝野町です。国文祭以後、前書俳句大会を開催しています。現在募集していますので、応募してみたら、いかがでしょうか?
http://www.kyt-net.jp/kozan/haikuprize.html
驚きました。前書俳句大会があるとは…。
とても珍しいですね。
さすがnontanさん、いろいろご存知で頼もしいです。
この場合、前書きと俳句が一対で審査されるということですね。
前書きがあるということは、かなり省略してもいいということでしょうか。
以前の入賞句が気になります。
ニュースファイル、これを見ると講義内容がばっちり分かりますね。
写真でもお分かりの通り、この日のコーディネーターはS先生でした。
井上先生をとても熱ぽっく紹介していて、仲間をほめたたえている姿にちょっとびっくりしました。
井上先生の句会がどうも発足しそうです。入会するかどうかは決めていませんが…。
この場合、自由題と前書の部に分かれていますので、それぞれ表彰されるものと思われます。
入賞作品、12月号に載っていました。
前書き俳句はご当地ものが強いですね。
これは当然ですけど。
与謝野町を勉強しないと作れない…。
本当は行けばいいんですが。
地方の大会で、応募作品が多く集まるケースは、それほど多くありません。
前書に関わらず、作品がよければ、大賞は無理でも選ばれると思います。
これまで、データベースを作るため、多くの俳句を見てきましたが、無難な作品が選ばれるケースが少なくありません。国文祭の時にも、現地を知るものとしては、この作品を選ぶのかという例がありました。
そういうことですか…
どこも応募数はそんなに多くはないのですね。笛吹市が盛況なのは、主催者がいろいろと知恵を絞っているからなのでしょう、きっと。それに、蛇笏・龍太の聖地ということもありますかね。
どこの大会にしろ、よく作品を作ればいいということでしょうか。
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ご存知ですか?今年から山梨県俳句大会というものが創設されました。
応募者は山梨県在住者か在籍者に限られます。S先生が事務局です。