晩秋…この時期はどこに行っても美しい光景がある。
紅葉が始りそしてやがて散り交ふ…(紅葉かつ散る)
鳥達も入れ交ふ…(鳥渡る)
こんな季語がいっぱいの金川の森で吟行があった。
ここにはどんぐりの森と言われるエリアがある。
ちょうど、いっぱい木の実が落ちていた。(木の実降る)
しかし、ここの森は、木に実も落葉も持ち帰りが出来ない。
落葉は虫たちのふかふかのベッドになり、木の実は森の住人の食事となる。
この森には、沢山の生き物が生息しているのだ。
句会はこの森の一角にある「杜茶や」で行われた。
小鳥の餌台が用意されている。(小鳥来る)
樹々の葉っぱが落ち、森に静けさが訪れる頃になると、
沢山の鳥達がここに餌を啄みに来る。
何ともゆったりと時間が流れている場所だ。
杜茶やの女主人…ママさんと呼ぼう…はとても魅力的だ。
実は、吟行の前に下見にここを訪れた。
カフェには、馴染みと思われる先客が一組いた。
挽きたてのコーヒーはとても美味しかった。
窓からは、森が一望できる。
そうこうしているとなんとママさんが、
零余子飯を炊いてご馳走してくれた。
初めて食べる味だ。
その後も、畑で採れた野菜や季節の果物が出てきた。
初めて訪れた客なのに…なんとも嬉しい出会いだった。
句会は和気藹々と行われた。
umeさんは、この吟行で一番印象に残った「杜茶や」と
「ママさん」との出会いを詠んだ二句を出した。
これは誰もの共感を呼び、先生の入選も頂いた。
ここには披露しないけれど、ママさんが欲しいと言ったので、
杜茶やに行けばそのうち見られると思う。