今日、一番にやる事は郵便局へ行く事
宿のご夫婦はチェックアウトの時間は気にしなくても良いですよと言って下さいましたが
それでも決まりは決まりですし、ご迷惑は掛けたく有りませんでしたので
郵便局が開くのを待って宿を出ました
この郵便局は下見した方では無く宿で教えて下さった歩いて5分ほどの所に有る郵便局です
荷物の量を見てピッタリな段ボール箱を用意し手早に荷造りをして下さった男性職員
手続きに言葉の不足を補って下さった見知らぬ女性
にこやかに手続きをして下さった女性職員
お蔭で問題なく荷物を日本に送るに至りました
宿に戻り残りの荷物をリュックに詰め10時チェックアウト
ご主人はフェリー乗り場まで送ると仰って下さいましたが
夕方まで時間を潰さなくてはならないし部屋のお掃除もお忙しいでしょうからと
お気持ちに対するお礼を述べ遠慮する事に致しました
すると奥さんが「一寸、待って」と奥から乾燥したワラビを一袋、お土産に下さったのです
そのワラビは二人で山へ行き積んできた物なのだとか
私達も季節になるとワラビ採りをし塩漬けしたものですが原発問題が起きてからは
そうした季節の楽しみも失われてしまいました
ガシャン
ネジが緩んでいたんですね
眼鏡のレンズが・・・・・・・
まぁ色々な事が起こるものです
でも今回は予備を持参していましたので事なきをえました
さてさて、6時半余りをどう過ごしましょうとミニ公園のベンチで相談した結果
民族博物館へ行こうという事になりました 1100ウオン
中は色々な分野に分かれていましたが私の一番興味を引いたのが柿渋染料の行程であり
何よりも未熟の青柿を使用すること自体が驚きでした
説明に寄りますと
未熟の柿の実を潰してその汁で染めた木綿の着物を褐衣と呼ぶ
日に乾かした明るい褐色の褐衣は強くて汚れにくい
水に濡れても直ぐに乾くので農事や漁、牧畜の作業に適した服である
ならば先人の知恵を戴こうではないかと売店に行ってみましたが
残念ながら小物ばかりで作業衣は置いて有りませんでした
博物館の喫茶でコーヒーを飲み時間を潰しますが、こんな時の時間の流れは遅いもので未だ12時
「それ程お腹も空いてないけど博物館の前の食堂で昼食でもどうでしょうかね雄さん」
私達は見た目それほど綺麗ではない店にオソルオソル入ります
店は見た目で決め手はいけないんですね
お願いした海鮮鍋がとても美味しかったのです
最初、緊張顔だった奥さんも次第に慣れてきて私達が食べ易い様に選り分けてくれました
もう、これ以上する事も無く
出航するまで待合室で日記でも書いていようという事になり
タクシーに乗りますと
今のスマホ(?)は便利なのですね
いきなり女性の声がしましたので会社と連絡を取っているのかしらと思っていましたら
その女性の声が私達に問いかけて来るではありませんか
要するに運転手さんが聞きたい事をプッシュすると女性の声で問いかけ
私達がそれに対して答えると韓国語に変換されて運転手さんに届くという仕組みなのです
味気ない会話ですが、これが有れば個人旅行は心配ないですよね
フェリー会社で降ろして頂きタクシーが離れた時、カメラのフィルターが無いのに気づきました
ちょっとした時に外れてしまうので気を付けてはいたのですが降りる時に外れてしまった様です
これは各カメラメーカーに、この問題改善を要求したい
「マッ、シャーナイカ」とバス停のベンチで一休みしていますと
スーッツと現れた一台のタクシー
見れば先ほどの運転手さんではないですか
私達がバス停に居るのをバックミラーで見て
送る場所が違ったのだろうかと引き返してくれたのでした
渡りに船、お蔭でフィルターは無事 手元に戻ったと言う事です
雄さんが溜まってしまった日記を書いている間、私はする事も無くアチコチを見て回りました
ふと、ロビーに展示されていた済州の良き時代の写真に釘付けになりました
目を背けたくなるのも有りましたが、敢えてそれは載せませんが
日本の昭和の頃の済州の風景でしょうかね
先ずは南北分断の地、板門店(パンムンジョン)と分断後の家族の再会の写真です
次は済州の市街地と済州港です
そして観徳亭の前の様子と五賢路(前にアップしました五賢者を祀ってある通り→石垣に名残が)
最後は西帰浦(ソキボ)の港、今とは全く異なる風景です
そうこうしている内に出航時間が迫りました
改札では警備員が厳めしく入航者をチェックしています
もしかしたら逃亡中のセオウル号の社長の関係かもしれません
17時50分いよいよフェリーは済州港を離れました
遠くに薄ぼんやりと懐かしいハルラ山が見送ってくれています
ウワッ、豪華客船
縁がないなぁ
船内でマッサージ機にかかったり市場で購入した甘いミカンを食べながら日没を待ちます
海が紅く染まり始めました、それ行け
甲板は強い風ですが数人の客がカメラを構えていました
気持ちの高ぶりを抑え徐々に沈みゆく夕日と対峙するその時は
此処が異国である事も忘れた一時でした
やがて海は残照に包まれ淡い光景へと変わります
数分間のドラマの素晴らしい幕引きでした
予定変更で再びワンド港にやって来ますと
港では接岸を待つ係員が一人二人と集まり始めました
何だか、こうしている事が現実なのか夢なのか私自身、分からなくなってきています
きっと目の前に広がるぼんやりとした景色のせいかもしれません
宿は中程度の宿と言う事で後はタクシーの運転手さんに任せますと
バスターミナルに近い所が良いでしょうと希望通りの宿を紹介して下さいました
日本の旅の案内書などを見ますと模範タクシーを使うべしと謳っていますが
一般タクシーの方が短距離で有れば安価ですし平均的に親切な方が多い様な気が私はします
要は瞬時に人を見分ける事でしょうか
宿に着いた頃には日もどっぷり暮れ海風が冷たく感じられる時刻になりました
上衣を着込んで食堂を探して街に繰り出せば街の灯りが眩しいほど
今夜は無性にアワビの粥が食べたい夜でした
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