旅に出ると買いたくなってしまうのが玩具
手の平に乗る様な小さなものですが民芸品や郷土玩具と言う物は
其々の土地の歴史や信仰など其処に生きる人達が育んだ文化と言えましょうか
この「ひょっとこ」は松江に行った時に手に入れた土鈴です
昔、私が育った村に平伍さんという人がおり盆踊りと言うと何時も着物の裾をたくしあげ
ヒョットコの面を被り踊りの輪に加わっていました
面を被らなくてもヒョットコの様な容貌の平伍さんに、ある日、町からお嫁さんが来ました
「あのヘゴちゃんが嫁を貰ったってよ」
さぁ、村は大騒ぎ
暫くその話題でもちきりになりました
そして翌年、その平伍さんに可愛い男の子が誕生します
男の子はすくすくと成長し、やがて18歳、大学受験を迎える事になりました
そして見事「一橋大学」に合格と相成ったわけです
それを耳にした平伍さんと同級生の県会議員のN氏
「ヘゴちゃんに負けた」と地団太踏んだそうな
この「お化けの金太」
九州の友人宅を訪れた時に購入しました
紐を引くと舌が出たり引っ込んだり、目も開いたり閉じたりします
孫が小さかった頃は雄爺の背中に隠れ、それでも怖いもの見たさで恐る恐る覗き見をしていたものでした
岩手生まれの「あかべこさん」
四国の道後で購入したお手玉
頭の上にチョコッと乗ったトンボが愛らしいでしょう
私が子供の頃は「おなんご」と言っていました
中に小豆を入れて母が作ってくれましたが何故「なんご」と呼ぶのか未だに難語です
「のろま人形」 姉のお土産で、もう40年近く飾り棚に居続けています
一昨年、佐渡を訪れた時に、この人形が欲しくてアチコチ捜し歩いたのですが、とうとう見つからず
土地の人に尋ねますと「今、のろま人形を作る後継者がいなくて工房は随分前から閉鎖されている」との事でした
佐渡の住民の中には、この人形の存在さえ知らない人さえいます
復活させて欲しいですね
二つとも獅子舞ですが上は何処で購入したのか思い出せません
下の獅子舞は小布施に行った時に気に入って手に入れました
正月の飾りに利用しています
これは手に持つと結構な重量感が有ります
これには忘れられない思い出が有ります
下さった方は私よりずっと年配の元新聞記者S氏、喉頭がんを手術したため機具を用いての会話のため
他人との接触を拒み殆ど表に出る事は有りませんでした
知り合ったのはS氏が絵を描かれている事がきっかけでした
一枚仕上げては私に見せに来るようになりましたが会話は常に奥様を介してです
ある日、珍しくS氏は一人でやってきました
聞き取れない言葉は私も遠慮なく聞き返しました
以来、奥様を同伴する事もなくなったのです
しかし、別れは誰にもやって来ます
S氏が言った「会うは別れの始めなり」の言葉が今でも耳に残っておりますが
その時に「私が大切に肌身離さず持っていた物だ」と言って下さったのがこの豚なのです
旅の思い出の玩具と共に一生の宝として今なお目に触れる場所に飾って有ります
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