たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(続)思い出に残る山 妙高山

2020年01月30日 | 心に残る思い出の山

続き

下って行った人達とは逆に燕新道を下山コースとした

が、一歩踏み出して驚いた

斜面一帯が数日前降った雪が完全に凍結していたのだ

岩稜は時には垂直に時には60度と容赦がない

まさかこんな事態になるとは思ってもいなかったので

アイゼンは携帯していなかった

足を置くと滑るので頼れる木や岩をみつけ殆ど腕力で下った

大分、高度を下げて幾らか凍結も緩みを見せ始めた尾根上で上衣を脱ぎ一息入れた

緊張の連続だったが無事通過を果たした後の沸々と湧くこの快感

これも山を堪らなくさせる一つなんだろう

見上げる木立の上には妙高山山頂がかなり高い位置になっていた

黒沢池と長助池の分岐

(長助池とは冠松次郎等を案内した妙高の名ガイド岡田長助に因んでいる)

黒沢池・火打山方面への分岐を右に長助池に向かう

道は雪の重さで変形したダケカンバが林立する穏やかな下りだった

周辺はもう冬の様相だ  何と静寂で心休まる風景なんだろう

乱している物が有るとすれば、それは私達であり

樹間を飛び交う鳥達でさえ羽音一切立てない

 

突然、林が切れ長助池に出た  

大倉山の麓まで点々と散らばる池塘は静かに空の青さを映し

木道が一筋 狐色の湿原に延びている  何と言っても目を惹いたのは

午後の斜光に白さを一層際立たせている大倉山を覆うダケカンバだったかもしれない

燕新道には手垢の付いていない自然の美しさが有った

樹齢何百年は経っていると思われるダケカンバの太い幹は

大蛇の風格が漂い

道の左手奥には赤い実をたわわに付けたナナカマドが行列を作っている

そして道のアチコチには自分のテリトリーを誇示するか様に

草の上や石の上に狐の落し物

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

標高を下げ木の葉の色付きが戻って来た頃、瀬音が響き

やがて大倉沢に辿り着いた 

川を囲む山々は午後のモヤを受けて淡く霞み始めていた

その山肌に黄葉した木々がスポットライトを浴びた様に浮かび上がる様は

幻想的で有り、しばし私達の目を惹きつけて離さない

そしてそれらの山の上には一段と高く妙高山があり川の流れと共に

一枚の絵の様だった

「つい先ほどまであの上に居た事が夢の様に思えるね」と私は呟いた

(妙高山が薄っすらと写っているだけで解り辛かった為、手書きしました)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

沢を転石伝いに渡り落陽を踏みしめながら下ると途中、遭難碑を見た

足を踏み外して沢に落ちたのだろうか 

すると後方で人の声 振り向いたがその気配は無い

雄さんは何も聞こえなかったと言う  

暫くすると又、聞こえた 口笛まで聞こえる

今度も雄さんは聞こえなかったと言ったが私には確かに聞こえたのだ

背中がゾクゾク、何度も後ろを振り返り歩いていると

ブーーーップ 派手な  

「今日はバカに出がいいな、これだけ強烈なものをすれば

こりゃ堪んねぇと言って霊も退散するだろう」

大笑いし私も平常に戻る事が出来た

(この近くに惣滝が有るのですが4時を回っていたので諦めました)

  

渓谷沿いは見事な紅葉に彩られていた

振り返ればその紅葉の上には妙高山が辺りを睥睨している

私達はその雄姿を何度も立ち止まり眺めてはカメラに納めた

燕温泉に辿り着いたのは5時少し前、約10時間に及ぶ山行だった

ー(略)-

針村屋さんで白濁した湯に浸かり湯上りに女将さんが入れて下さった

お茶を頂き世間話をして外に出ると

既に辺りは暗く十分温まった体に冷気が気持ち良かった

6時、駐車場に戻ると例のキンキラ夫婦が丁度、到着した所だった

私達と同じ燕新道を下って来たらしい  ご主人は額に懐中電灯を

付けたまま地べたにヘタヘタと座り込んでしまった

「針村屋さんの湯はとっても良い温泉だから入れば疲れも取れますよ」

と言う私達の言葉にも俯いたまま

声をかけてくれるなと言った余裕を失くした表情だった

果たしてあの夫婦にとって、この山行は楽しいもので有ったのだろうか

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思い出に残る山(46)妙高山

2020年01月29日 | 心に残る思い出の山

H8年10月20日

   

妙高山に登るチャンスが突然やってきた

本当は皇海山に登る予定だったのだが台風で林道が崩れ

通行不可との情報に変更せざるを得なくなってしまい

では何処へ行ったらよいのか迷っている時に職場のNさんが16日より

上信越道が中野まで伸びたと言うチラシを持って来た

妙義ICから妙高IC間は約1時間

「そうだ、妙高にしよう」迷う事なく決定した

-(略)-

外は猛烈な風が吹き荒れカラカラと音を立てて

枯葉が路上を駆けめぐっている

隣りの車の夫婦が上から下まで高そうな登山グッズで

身を固め出発して行った

三条市から来た元気な女性二人と男性一人が到着し身支度を始める中

6時55分、いよいよ登山を開始する

 

温泉街のはずれの土産屋で娘に「起きたかコール」をし

気持ち良さそうに二人の小母さんが入浴している黄金の湯(露天)を

右に見てスキー場の中の道を登り始める 見上げる空に雲は無い

空気はすっかり晩秋の気配だが幸いな事に風は和らいでいた

行く手に妙高山が早くも姿を現し、その右には残月を置いて

「ちょっと出来過ぎじゃない」と言った風景を作っている

スキー場で早くも疲れが出てペースを落としたキンキラ夫婦を抜いた

ご主人は雄さんより若そうに見えたが

奥さんから5m位後をムッツリした表情で歩いている

私達もペースは決して早い方ではないが、あの速度で無事 

山頂まで行ってこられるのか他人事ながら心配になった

スキー場を抜けると沢の流れを眼下に山峡の道は

緩すぎずきつすぎず前方に延びているが

辺り一帯、硫黄臭の立ち込め足元の石は黄色く変色していた

先日、安達太良山で死者が出たばかりなので

生きている山と言うのは余りいい気がしないものだ

沢を離れてホッとするも今度は雷光形の急登が始まった

樹林帯の中に続く大石の登りは歩幅を乱され結構きつい

1時間近く喘いだのち天狗堂に着いた

池と言うより湿地といった感じの光善池を過ぎると

この登り一番の急登が待っていた

下から見えていた最後の登りの様だ

 

登って行くに従い日の当たらない場所では霜柱や草の上には

薄っすらと雪が解けずに残っていた  

空の青さは一段と増しダケカンバの樹皮の白さと

ナナカマドの赤い実を一層、引き立たせている

それにしてももどかしい

山頂は確実に近づいているのに中々辿り着けない

 

 

 

貝ずりの嶮と呼ばれる長い鎖場が幾らか気分転換になり

途中の岩棚で眺めた野尻湖などが気持ちに落ち着きを与えてくれた

稜線に躍り出ると妙高山は増々大きく、のしかかって来る様だ

歩を進める先は稜線とは言え未だまだ緩まず頂上直下に差し掛かると

傾斜は更に強まり岩と岩の間を渾身の力を振り絞って

すり抜けるしか無かった

北アルプスの山並み

アルプス群の山体は殆ど空の色と同化し纏まった雪が辛うじて

それと指し示してくれたが晴れる日の方が少ないと言われる妙高山

これ以上臨んだら贅沢と言うものだろう

もう少しで南の頂と言う所で前方に火打山が見えてきた

ゆったりとした山容は直ぐ隣の白煙を上げる焼山とは対照的に

静かで穏やかな景観を見せている

妙高山南方は草木一切よせつけない溶岩の風化した岩塊が散らばる

殺伐とした風景の中に在り三角点のある北峰とは指呼の間

雪解けのドロドロした道を辿って10時50分

いよいよ妙高山の頂点に辿り着いた

相変わらず遠望は霞んで展望写真を撮るには至らなかったが

北アルプス群は先ほどよりもハッキリし展望図と照らし合わせながら

同定出来たのは何よりだった

後からやって来た3人組と6人組は早くも往時を下って行った

あのキンキラ夫婦は私達が居る間、とうとう姿を見せなかった

帯頂1時間半、私達もそろそろ腰を上げなければならない

下って行った人達とは逆に燕新道を下山コースとした

が、一歩 踏み出して驚いた

(大分長くなってしまいましたので明日に続きを記したいと思います

本日はコメント欄を閉じました)

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戸惑うがね、この暖かさ(上州弁)

2020年01月27日 | 

今年の冬は異例の暖かさです

花芽も開花時期を狂わされて戸惑っているに違い有りません

朝日しか当たらないにも関わらず玄関先の紅梅は今にも開き出しそうです

 

さすが5月開花のレンゲツツジやシャクナゲは

硬く花芽を閉じておりますが

敏感にこの暖かい空気を感じ取っている様に見えます

スタンバイ オーケー

沈丁花は舞台の袖で逸る気持ちを静めています   

   

「どちらが早いか競争だね」

黄花のクリスマスローズと椿のそんな囁きが聞こえて来そう

何たってこの庭に君臨する女王ですから、私!

ボタンは余裕の表情ですね

未だ寝てたいよ~、二度寝してもいいですか~?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(おまけ ここ数日の日常ニュース)

数日前、家から3キロほど先で山林火災発生

ウォーキングクラブで新年会

昨年中に咲ききってしまいそうだったマツムシソウを

ブログのお仲間さんの助言を受け

玄関に避難させましたところ控えていた蕾が開花しました

何時まで咲き続けるのでしょう

未だまだ蕾は頭をもたげていますので当分、楽しめそうです

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井野川の野焼きと慌てた野鳥

2020年01月25日 | 年中行事

浜川運動公園へ行くと運よく横を流れる井野川の野焼きに出くわしました

今日は風も無く野焼きには最適の日和の様です

 

 

「な・なんだよ」

「火事よ!火事~ 119番へ電話しないと」 とハクセキレイ

「何か前触れ有ったか?無かったよな」

「折角いい気持ちで寝てたのに~~」

「鳥騒がせな 全くケシカラン」

 

 

 

野鳥たちにとっては災難だった様ですが

私達にとっては嬉しいハプニングでした

時刻は11時50分、近くの食堂で昼食です

大衆食堂の様な店構えでしょう

でも味の美味しさ、麺の腰の強さ(手打ち麺)

そして安さが定評で何時も客でいっぱい

12時前でしたので何とか席に着く事が出来ました

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三ツ寺公園の水鳥たち

2020年01月23日 | 野鳥や動物

運動場、子供広場から今度は池の周りを散歩です

挿しこむ陽光が水面をキラキラと輝かせていますね~

この水どりはカルガモかな?

何してるんですか?

気になるポーズです  ヒドリガモはズッとこのままの姿勢を崩しませんでした

仲良し

私の好きなキンクロハジロです

「何処が気に入ってるの?」 

「頭の後ろのチョンチョリンと金色に光る目の鋭さかな!」

オオバンがまるでダイヤモンドを吐き出しながら泳いでいる様ですねぇ

 

 

  

パパ、ママと一緒にやってきた女の子がパンを盛んに投げると

俄かに水面がざわつき始めました

 

こちらは兄妹

何時早く見つけたヒドリガモがダッシュ

 

パンの取り合い合戦

あっちでもこっちでも餌が投げられる休日はノンビリしてられないねと

また一羽、近づいて来ましたよ~

投げられた場所を通り越して勇み足 オットットットット・・・

この池にはこれと言った珍しい水鳥はやってきませんが

近くでこれだけ見られれば先ず先ずでしょうかね

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