約1年振りに横浜スタジアムへ:
昨13日は快晴の天候も味方してくれたので、愚息の車で横浜に向かった。混雑を覚悟で昼食は懐かしき南京街を予定していたので、駐車場に無事に車を預けてから突入。そこは前日に人出を見込んで家内とともに訪れた築地場外市場の中国人等の観光客で歩くことすらままならなかった状態に勝るとも劣らない大賑わい。何とか以前には何度か食べたことがあった華正楼に入って見たところ、順番待ちのリストに記載されてしまったが、さほど待たずに席に案内され、14時近くに目指す横浜スタジアムに入場。
元Xリーグ所属のテイームで助監督を務めていた愚息とともに内野の一塁側のスタンドの高いところまでこのスタジアムの特徴でもある急坂のような階段をフウフウ言いながら上り詰めて、言わば理想的に近い席を確保。フットボールは俯瞰しないことには試合運びが見えてこないのだ。関東学生アメリカンフットボールのリーグ戦では言うなれば全館自由席である。日頃から「オリンピックとやらを開催する国立競技場の観客席はこのような急勾配であるべし」と主張している以上、文句は言わない。
先ずは関東学生アメリカンフットボールのリーグ戦の当日の第2試合、一応リーグ優勝も懸かっている、ここまで全勝の法政に対するに、既に慶応に1敗していた前年の甲子園ボウル出場校の早稲田の試合を第1クオーターから観戦となった。面白かったのは早稲田では我が国の大学のフットボールでも、アメリカでも珍しい左投げのQBが昨年に続けて使われていたこと。レシーバーというポジション経験者に聞くと、左利きが投げるパスは回転が反対な言わば癖球なので捕球が難しいことがあって難渋(迷惑?)するそうだ。
その左利きのQBが投じる長・短両方のパスは法政のデイフェンス陣は何をやっているのかと思わせたほど無力で、失敗することなく通ったし、早稲田も昨年の甲子園ボウルの経験で一皮むけたのか、プレーの種類も豊富となって法政を圧倒しただけではなく攻撃も何とか抑えきって、次の対戦相手の対慶応にも勝利すれば優勝だった法政を頓挫させてしまった。元助監督の見方は
早稲田はプレーの小引き出しの数が著しく増えた」だった。
長年(と言っても1980年前後からだが)このリーグ戦を見続けてきた目から言えば「こんなに下手な質が低いフットボールをする法政を見たのは初めて」と言いたいほど無残な負け方だった。余談だが、現在の法政の監督はOBのY氏で、彼は”Under Armour”のブランドのスポーツ用品を販売する「ドーム」という会社を設立した社長さんである由。
昨日の横浜も好天で気温も高く早稲田と日大の応援席であった一塁側はまぶしいほどの日当たりで、一瞬「日焼け」を気にしたほどだったのは有り難かった。愚息にもアドバイスされ(「勧告されか、助言され」があるべき日本語の表現だと、カタカナ語排斥論者は敢えて書き添えておきたい)安全策にUNIQLOの暖か下着を着用しその上にダウンジャケットという完全冬支度だったので、寧ろ暖かすぎるくらいだったのだ。
さて、言わばお目当てだった日大対慶応戦である。今年の日大は既に何と2敗して優勝の可能性もなく、残る希望は何とか2位に食い込んで関西の2位校と雌雄を決する?試合に出られることを目指していると、親しくして頂いている熱心にフットボール部というか”Phoenix”を応援されているST教授から伺っていた。不調の理由は、レギュラーのQBを始めとして負傷と故障者の続出にあるとのことだった。とは言え、驚かされたことは先発のQBが1年生だったことも含めて多くの新人を起用せざるを得なくなっていた布陣だった。
そのフェニックスが何とか奮闘して、恐らく現在の大学日本一だろうと言われている慶応のエースRB、#29李卓の凄まじいランプレーを何とか抑えきって前半(第1と2クオーター)を0対0で終わらせたのは良かった。これは大健闘の部類に入るだろうが、往年の篠竹監督率いるライスボウル(全日本で実業団をも負かしていたという意味)三連覇の時代を知る者にとっては、何とも寂しい限りのこと。フェニックスも何度かタッチダウン(TD)のチャンスはあったが、一歩及ばなかったのがあのメンバーでの限界だったのだろう。
第3クオーターに入って一寸目を離している間に慶応の李君が自陣深くからのプレーで、こちら側のサイドライン際をフェニックスのデイフェンス陣を見事に抜き去った快走で最初のTDを記録した時点で実質的に試合は終わっていた。結果的には27対6というさほど開かない点差で終わったが、そこにはあの顔ぶれて善くぞフェニックスが守り切ったと言うことも言えるかとも思う。だが、思うに慶応の優勝を見込んで関西学院大学や立命館大学のスカウテイング・テイームが乗り込んできていただろうから、慶応は李君のプレー他の重要な手の内を見せない方式で試合を進めたのだろうと疑っている。それでも、悠々とフェニックスを封じ込めた今年の慶応の実力の向上振りは評価せねばなるまい。
フェニックスは今年から監督が替わったばかりで、新監督の指導方針が未だに実を結んでいなかったのではないのかとも見方も出来るだろう。私はそれ以外に「負傷者が多かった」という点に注目したい。専門家の意見では、負傷者が出ると言うことはウエイトトレーニングを主体とする基本的な体力というか筋力の鍛え方の不足がありはしないかと指摘していた。何れにせよ、関西の強豪校のコーチ陣が「フェニックスには全国の大学でも最も優れた素材が集まっている」と評価している以上、来年の奮起に期待したい。
2試合も見ていたので観客の状態も観察したが、その昔は(20年以上も前のことだが)見に来ているのは当該校の関係者、選手たちの親御さん、OB、応援団等が主体で、中には「私はこの大学のフットボールのファンでして」などと言って下さる奇特な方も散見される状態だった。だが、昨日はそういう方々に加えて明らかにフットボールを愛しているファンもスタンドをいくらか埋めておられたと見えたのは結構なことだった。やっとマイナースポーツにもそれなりに人気が出てきたのだ。実は何を隠そう、私もその有り難きファンの一人だったのだ。
昨13日は快晴の天候も味方してくれたので、愚息の車で横浜に向かった。混雑を覚悟で昼食は懐かしき南京街を予定していたので、駐車場に無事に車を預けてから突入。そこは前日に人出を見込んで家内とともに訪れた築地場外市場の中国人等の観光客で歩くことすらままならなかった状態に勝るとも劣らない大賑わい。何とか以前には何度か食べたことがあった華正楼に入って見たところ、順番待ちのリストに記載されてしまったが、さほど待たずに席に案内され、14時近くに目指す横浜スタジアムに入場。
元Xリーグ所属のテイームで助監督を務めていた愚息とともに内野の一塁側のスタンドの高いところまでこのスタジアムの特徴でもある急坂のような階段をフウフウ言いながら上り詰めて、言わば理想的に近い席を確保。フットボールは俯瞰しないことには試合運びが見えてこないのだ。関東学生アメリカンフットボールのリーグ戦では言うなれば全館自由席である。日頃から「オリンピックとやらを開催する国立競技場の観客席はこのような急勾配であるべし」と主張している以上、文句は言わない。
先ずは関東学生アメリカンフットボールのリーグ戦の当日の第2試合、一応リーグ優勝も懸かっている、ここまで全勝の法政に対するに、既に慶応に1敗していた前年の甲子園ボウル出場校の早稲田の試合を第1クオーターから観戦となった。面白かったのは早稲田では我が国の大学のフットボールでも、アメリカでも珍しい左投げのQBが昨年に続けて使われていたこと。レシーバーというポジション経験者に聞くと、左利きが投げるパスは回転が反対な言わば癖球なので捕球が難しいことがあって難渋(迷惑?)するそうだ。
その左利きのQBが投じる長・短両方のパスは法政のデイフェンス陣は何をやっているのかと思わせたほど無力で、失敗することなく通ったし、早稲田も昨年の甲子園ボウルの経験で一皮むけたのか、プレーの種類も豊富となって法政を圧倒しただけではなく攻撃も何とか抑えきって、次の対戦相手の対慶応にも勝利すれば優勝だった法政を頓挫させてしまった。元助監督の見方は
早稲田はプレーの小引き出しの数が著しく増えた」だった。
長年(と言っても1980年前後からだが)このリーグ戦を見続けてきた目から言えば「こんなに下手な質が低いフットボールをする法政を見たのは初めて」と言いたいほど無残な負け方だった。余談だが、現在の法政の監督はOBのY氏で、彼は”Under Armour”のブランドのスポーツ用品を販売する「ドーム」という会社を設立した社長さんである由。
昨日の横浜も好天で気温も高く早稲田と日大の応援席であった一塁側はまぶしいほどの日当たりで、一瞬「日焼け」を気にしたほどだったのは有り難かった。愚息にもアドバイスされ(「勧告されか、助言され」があるべき日本語の表現だと、カタカナ語排斥論者は敢えて書き添えておきたい)安全策にUNIQLOの暖か下着を着用しその上にダウンジャケットという完全冬支度だったので、寧ろ暖かすぎるくらいだったのだ。
さて、言わばお目当てだった日大対慶応戦である。今年の日大は既に何と2敗して優勝の可能性もなく、残る希望は何とか2位に食い込んで関西の2位校と雌雄を決する?試合に出られることを目指していると、親しくして頂いている熱心にフットボール部というか”Phoenix”を応援されているST教授から伺っていた。不調の理由は、レギュラーのQBを始めとして負傷と故障者の続出にあるとのことだった。とは言え、驚かされたことは先発のQBが1年生だったことも含めて多くの新人を起用せざるを得なくなっていた布陣だった。
そのフェニックスが何とか奮闘して、恐らく現在の大学日本一だろうと言われている慶応のエースRB、#29李卓の凄まじいランプレーを何とか抑えきって前半(第1と2クオーター)を0対0で終わらせたのは良かった。これは大健闘の部類に入るだろうが、往年の篠竹監督率いるライスボウル(全日本で実業団をも負かしていたという意味)三連覇の時代を知る者にとっては、何とも寂しい限りのこと。フェニックスも何度かタッチダウン(TD)のチャンスはあったが、一歩及ばなかったのがあのメンバーでの限界だったのだろう。
第3クオーターに入って一寸目を離している間に慶応の李君が自陣深くからのプレーで、こちら側のサイドライン際をフェニックスのデイフェンス陣を見事に抜き去った快走で最初のTDを記録した時点で実質的に試合は終わっていた。結果的には27対6というさほど開かない点差で終わったが、そこにはあの顔ぶれて善くぞフェニックスが守り切ったと言うことも言えるかとも思う。だが、思うに慶応の優勝を見込んで関西学院大学や立命館大学のスカウテイング・テイームが乗り込んできていただろうから、慶応は李君のプレー他の重要な手の内を見せない方式で試合を進めたのだろうと疑っている。それでも、悠々とフェニックスを封じ込めた今年の慶応の実力の向上振りは評価せねばなるまい。
フェニックスは今年から監督が替わったばかりで、新監督の指導方針が未だに実を結んでいなかったのではないのかとも見方も出来るだろう。私はそれ以外に「負傷者が多かった」という点に注目したい。専門家の意見では、負傷者が出ると言うことはウエイトトレーニングを主体とする基本的な体力というか筋力の鍛え方の不足がありはしないかと指摘していた。何れにせよ、関西の強豪校のコーチ陣が「フェニックスには全国の大学でも最も優れた素材が集まっている」と評価している以上、来年の奮起に期待したい。
2試合も見ていたので観客の状態も観察したが、その昔は(20年以上も前のことだが)見に来ているのは当該校の関係者、選手たちの親御さん、OB、応援団等が主体で、中には「私はこの大学のフットボールのファンでして」などと言って下さる奇特な方も散見される状態だった。だが、昨日はそういう方々に加えて明らかにフットボールを愛しているファンもスタンドをいくらか埋めておられたと見えたのは結構なことだった。やっとマイナースポーツにもそれなりに人気が出てきたのだ。実は何を隠そう、私もその有り難きファンの一人だったのだ。