新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

にしん蕎麦

2016-11-02 17:43:30 | コラム
懐かしき「にしん蕎麦」:

先月の中旬だったかに、大久保通りの外国人様御用達の業務スーパー・河内屋で、真空パックされたお買い得と覚しき鰊の甘露煮を発見した。多分(日本の会社時代の)大阪支店勤務の頃と、最初の転身先のM社の京橋にあった事務所の近所にだったかの「うどんすき」の名店”美々卯”でも食べていた関西風の「にしん蕎麦」が自宅で出来るかと思って、試しに買ってみた。しかし、あのにしん蕎麦の鰊が甘露煮であるかどうかなど全く知らなかった。東京の蕎麦屋で「にしん蕎麦」を出しているところは少ないのではと思っていた。

そして試してみた。我が家で茹でてつゆ蕎麦を作り、その上におっかなびっくり甘露煮を乗せて暖まるのを待って食べてみた。するとどうだろう、まさしくあの懐かしきにしん蕎麦の味になっていたのだった。「何だ。こんなに簡単なものだったのか」と恰も「コロンバスの卵」的な感覚でゆっくりと味わった。それまでは河内屋にそんな商品があったとは知らなかったが、その後も行ってみると、チャンと段ボール箱に入ったままで無造作に床に置かれていた。その程度の「非売れ筋商品」のようだった。

特に魚好きというわけでもないが、大阪に転勤した直後には関西風の薄口醤油の饂飩(と蕎麦)のつゆの色の薄さに「これは何だ」と驚かされたし「こんなに美味いものは東京にはないやろ」と大阪人が自慢する(東京を貶す?)ほど「きつねうどん」も「たぬきうどん」も美味だとは思わなかった。言うなれば、関東と関西の文化の違いだろうが。だが、それらよりも遙かに高価な「にしん蕎麦」は少しは美味いなと感じていたので、京橋への美々卯の出店は大歓迎だった記憶がある。

「うどんすき」は意外にもアメリカ人に受けたので、美々卯では屡々”UDON”を楽しんだものだった。中には「生もの」ではないことで安心して食べた者もいたのだと思う。しかし、それがどれほど高価な料理であるかには余り関心がなかった。そこで、本日はあらためて検索してみると、今や一人前が¥8,800となっていた。金額は大きいが、何となくどっちつかずの価格のような気もする。

にしん蕎麦に話を戻せば、それ以来毎週一度は鰊の甘露煮蕎麦を家内と楽しんでいる。それはまさか中国製ではあるまいと思って、やっと本日包装の生産国の欄を読んでみれば製造者名に宮城県の会社名があったが、魚の原産地は表記されていなかった。加工品はそれで良いのだったかと思って冷蔵に戻した。

豊洲問題を考える

2016-11-02 07:42:45 | コラム
何時までかかるのだろうか:

11月2日。朝5時のここコンクリート住宅の室内温度は21度と、早くも冬の寒さと言っても良いだろう。その寒さの折からテレビを見ても新聞を読んでも、お寒い話題が多過ぎはしないか。豊洲問題然り、オリンピックの何かと言えば「レガシー」ばかりが強調される会場新設?の費用問題、2%インフレ先送り案件、アメリカ大統領選挙の乱れに乱れた混戦模様、中国の無法な九段線進出問題、韓国の崔順実問題、フィリピン大統領の暴言のバラツキ等々枚挙に暇がない有様。そこに山本農水相の失言問題も加わったかな。

中でも、我々都民にとってより身近な問題が豊洲だろう。この件は小池都知事が立候補した時から採り上げてきたが、就任後は完全に火がついて最早簡単に収拾がつきにくい案件となってしまったようにさえ見える。私は最初から「犯人捜しは程々にして何時移転が実現するかを明示することに集中して欲しい」と言ってきた。だが、事態は都政大改革の旗印(美名?)の下に犯人捜しが進み、遂に昨日の小池都知事の記者会見で責任が誰にあったのかが明確になった。

私はその会見の模様を偶々チャンネルを合わせていたTBSで聞いていた。小池都知事は慎重を期されたのか、原稿を読んでおられた気配で語り口に政治家の演説のような盛り上げ方がなく、淡々と進んで行った。特に山であるべき責任者8名を述べる時に「マネジメントと責任感の欠如、チェック不足、前例踏襲、職種間の連携不足等々」を挙げた後で、「事実と異なる説明を続けてきたのは言語道断」と厳しい言葉で決めつけられた。

だが、余りにも淡々と一切感情を交えることがない批判の仕方だったので、「言語道断」のようなきつい表現があっても私にはほとんどその言葉が意味する厳しさを感じさせないままに時が過ぎでしまった。だが、今朝になって活字となったものを読むと、非常に厳しい都庁の幹部職員に対する批判であったことが読み取れてきたのだった。小池都知事はその場では処分の内容には触れなかったが、私には8人の者どもが果たして本当に自らの至らざる点を認識しているのかが、非常に疑問に思えてならなかった。

私はこれで豊洲問題は一歩は前進したかとは思う。だが、解決というか「移転できるのか否か」という根本の問題点は全く進んでいないのだ。盛り土がどうの、地下空間の存在がどうのと言う前に、共産党都議によって地下に溜まった水や地下水の中に何とかいう物質が基準値を上回ったの何のと、恰も菅内閣の際の3.11の時に何ミリシーベルトがどうのと言い募り福島県産の魚類等が忌避されるような風評被害を巻き起こした事態にも似た「豊洲の魚忌避」を云々する連中が現れているではないか。

ここにも、オリンピックの会場新設等々の過剰な費用と同様、乃至は東京都にとってはそれ以上かも知れない予算の問題が含まれているのだ。私は犯人捜しと同時進行でこの水質問題等の解決乃至は対策に東京都は集中しておいて欲しかったのだ。私は以前に「小池都知事は(如何に良いことに着手しておられたにしても)手を広げ過ぎでは?」との疑問を呈していた。

豊洲はオリンピックとは異なって外圧の如き存在のIOCに期限を切られている問題ではないが、可及的速やかに解決に向けた進行予定表を明らかにして欲しいものだと、一都民として願っている。