新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

トランプ大統領に思う

2017-04-16 10:36:37 | コラム
トランプ大統領は深慮遠謀的か衝動的か:

オバマ大統領と顔付き論:
先ずは前任者のオバマ大統領から。彼は優柔不断であり、その為に8年の任期中の80%は何らの実績というか歴史の残るような功績を残さずに終わった。とは思わせるが、気が付けば、リーマンショック後の誰がやっても立て直せまいと思わせてくれていたアメリカ経済を4%台の失業率にまで立て直し、アメリカの一人勝ちかと言わせるほどに安定させていたのだった。私は「トランプ大統領は幸運にもこの状態のアメリカを引き継ぎ、深慮遠謀の上か衝動的なのか俄に判断出来かねるような政策を打って出られているのではないか」とすら考えている。

次は顔付きで、私は政治であれ会社経営であれ、その規模の大小を問わず指導者にはそれなりの顔があって然るべきだと思っている。即ち、社長やCEOにはそれに相応しい顔があり、大統領や総理大臣にもそういう顔付きがあるのだと言いたいのだ。その点ではオバマ大統領は何時まで経っても一向にアメリカ大統領の顔にならず、その辺にいるごく一般的なアフリカ系のアメリカ人の顔から脱しきれなかったと見ていた。

即ち、私は就任乃至は着任早々にはそれなりの顔付きにはならなくても、このような激職(なのだろう)に就いてある程度の日時を過ごせば如何にもそれらしい表情が出てくるものだと、長年多くの偉い人に接するか、テレビ等で顔を見ていればその変化が見えてくるものだと考えていた。オバマ大統領はあれほどの変化に富み難しい時にアメリカを統治し指導したにも拘わらず、ほとんど変化見えてこなかった。だが、あの広島に来られた時には髪は白くなり顔には明らかに皺が深く刻まれていたと見た。遅すぎた。

トランプ大統領:
では、トランプ大統領はどうなのだろうか。未だ、満3ヶ月にも足りない現時点で云々するのは時期尚早かも知れない。だが、ここ数日はテレビで見る限るではそれらしい顔付きと言うよりも、未だに多くの訳が分かっていない方々が呼ぶ「ビジネスマン」(だったのだろうか?)の表情であることは変わっていないと見る。しかし、その表情には明らかに疲労感が滲み出ていると思う。それは今日までの業績というか実績を考えれば当たり前だろうと思わざるを得ない。

次に、何故そうなって来たかを考えてみよう。私は極言すればトランプ大統領がやって来たことは「平地に乱を起こす」のに近いとすら考えている。現在世界中と言うべきか我が国においてと言うべきか、または両方かも知れないが、対DPRKのアメリカの姿勢と金正恩の敵愾心に満ち溢れたかのような核兵器とミサイルを見せつける強力な軍事態勢を誇示する態勢が「一触即発の危機」を孕んでいると思わせているのだ。

一触即発の危機:
私はこの危機感を醸し出した原因の一つにはオバマ大統領が何もしないのが策のうちとでも思われたのか、金正日以来のDPRKのやりたい放題と言うのか、アメリカ敵視政策を採りながら対話を切望するかの如き姿勢を許してしまったことがあると思っている。即ち、DPRKの核武装政策を放置して今日に至ってしまったのだ。

そこに「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」を最大の眼目とするトランプ大統領が登場し、独自の外交政策を打ち出したのだった。その諸政策が深慮遠謀の上なのか、衝動的だったのか、あるいは「無知は力なり」だったのかは不明だが、兎に角金正恩とDPRKの核武装体制を許すべからずとばかりに強硬な姿勢で臨まれたのだった。その一方ではDPRKの親会社的なようにも見える中国の習近平には硬軟取り混ぜたやり方で接し、シリアへのミサイル攻撃でその心胆を寒からしめたようだった。

私如きにはトランプ大統領とその側近が「DPRKとシリアに対するあのような政策で臨んだ場合に全世界に如何なる波紋を巻き起こすかを」を事前にあるいはその進行中に十二分に検討されたかなどは解らない。だが、少なくとも我が国と韓国と中国にとっては、それぞれの国内の事情によって深刻さの度合いが違うだろう。思うに、各国内では実に容易ならざる時代が生じるだろうと真剣に論じられているだろうし、少なくとも我が国では万一というかいざという場合にはシェルターは何れにあるのかと考えている方々は多いのではないか。

その時にあっても、安倍総理はトランプ大統領にシリア攻撃に対する理解と支持を表明された。同盟国の総理としては当然の策だとは思う。だが、国内には妙に危機感をあおり立てる論調も出ていることに対しては慎重に対応願いたいものだと思っている。現に、私は「その場合にはこの建物の地下の駐車場に退避すれば良いのかな」などと模索しているが、そこに到着出来るのかななどとも心配している。