新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

文在寅大統領の決断次第ではないのか

2019-11-02 09:17:36 | コラム
日韓関係の改善策は:

私が考える結論は一にかかって「文在寅大統領が考え方を変えるか否か」にあり、彼が変心するかどうかにしかないと思っている。

そういう根拠は、2晩続けて日韓議連の会談乃至は会合をPrime Newsと報道1930で聞いたが、議員たちが如何に熱心に討論し提案をしあっても、最後の決断(トランプ大統領の大統領令に倣えば“executive decision”となるか)を下すのは文大統領であり、どちらの国の議員の権限ではないからである。問題はあの熱心に論じあった内容が何処まで文大統領に上がるかであるとは思うが、私の勘ぐりでは「彼ら韓国の国会議員たちは文大統領の意向を帯してやってきたのであれば、無駄骨になりかねないのだ」なのだ。

その根拠はPrime Newsに登場した韓国側の会長と幹事長の2人は「日本側がホワイト国から外した原因の一つが安全保障上の問題だと言うのならば、これまでに韓国側から提供した情報が30件で日本からが1件でしかなかったGSOMIAは、最早DPRKは脅威ではないと看做している状況下では、その仕返しに破棄するのは当然ではないか」と堂々と延べて、司会の反町をして何度も「北朝鮮が脅威ではないのというのは本気で言っているのか」と確認させていた。反町は衛星を持っていない韓国はそれで良いのかとも質したが、糠に釘だった。一寸衝撃的だった。

戦中の半島からの労働者問題についても、1965年の協定を守っていないことについても、3年間も我が国の呼びかけに応じず懇談しなかった半導体原材料の貿易問題についても、彼らの姿勢は頑なで、一歩も譲る気がなかったのは明らかだった。私の見方では「彼ら国会議員には何らの譲歩も妥協も出来る権限などハナからないのであり、青瓦台の方針に背くことなど出来る訳がないのだ」となる。彼らは矢張り首脳会談でしか事が進まないと思っているように聞こえる論調だったが、大統領制の国であればそうなるのは仕方がないと思う。

昨1日にはあの優柔不断振りに望みはないと思っている岸田政調会長(だったか)がPrime Newsで反町に「もし今文在寅大統領と会談されるとすれば、何を仰りたいか」と振られて「お会いしたこともない人との会談で何を言うべきかは言えない。それにその段階に至るまでに事務方が準備会談を積み上げていってその態勢が整って始めて会談するのが普通である。仮定の質問には云々」と言ったのには驚かされたし、その慎重さと決断力の欠乏には呆れた。

だが、岸田氏は理論上は正しいことを言っているのは間違いないとは思う。だが、もしもこの人物を総理大臣に戴いたらどうなるのかと、矢張り不安になった。しかし、屁理屈めいたことを言えば、韓国の国会議員たちも大統領の許可無しに何かをコミットできないのも同じ事かと考えている。

確かに安倍総理対文大統領の首脳会談は必要だとは思うが、岸田氏が指摘されたようにその前に積み上げておくべき事務方というか外交筋の準備会談は必要だろう。だが、確か額賀福志郎は「水面下でも水面上でも話し合いな行われている」と強調していたが、その現実的な効果は一向に現れていない。私は文在寅大統領が膝を屈してまでも首脳会談を望むような状況に持っていく力量(カタカナ語では「パワー」とでも言うか)が外務省にあるのかどうかの問題もあると思っている。