新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカ合衆国の大統領選挙を考える

2020-06-22 14:13:11 | コラム
私は黙って見守るだけしか出来まい:

以下に述べることは「私が20年以上もアメリカ側の一員として、アメリカの為に対日輸出に(大袈裟に言えば「身を粉にする」覚悟で働いていたともなる)努め、上司も同僚も社外の知人も皆アッパーミドルかそれ以上という環境で彼等に可能な限り同化して過ごして来たという物の見方である」という点をご理解願った上で、ご一読賜りたいのだ。換言すれば「アメリカに庇護されている国の一員としての視点からではない」と解釈願えれば幸甚である。

私はこれまでに何人かのアメリカの人たちに「私が愛して、その為に懸命に務めてきた私のアメリカが、私の理解を超越したところまで変わってしまったのは本当に嘆かわしい」と告げていた。更に「その変わり方がトランプ政権が生み出したものかどうかまでは言えないが、minoritiesが遅かれ早かれ白人層を超えてしまう人口になってしまうという現実も、俄には信じ難いのだ」とも語りかけてきた。

即ち、私がリタイアした頃の人口が2.6億だったアメリカの人口が、今や3.2億に膨らんでいるのである。その急増はオバマ政権時代に移民に対してこれという手を打たなかった結果だったのではなかったか。オバマ大統領は不法に流入してきた連中に英語の試験をして合格すれば、居住権を与えるとまで鷹揚だった。その誤りをトランプ大統領が敢然として正したのは良きことで、当然ながら何ら異論などない。

2009~10年、2012年とカリフォルニア州を訪れて、LAの周辺では何処に行って韓国人だらけだったのには、今更ながら「何と言うことか」と驚かされた。10年にはSM氏に案内されてUCLAの構内に入ってアジア人にしか出会わないのには、正直に言って薄ら寒い感じさえした。私は外国人がこれほど増えたことが、アメリカにとって本当に有益であるとはとても受けとめられなかった。

私の知り合い(元の上司、同僚、マスターの学位を持つ退役陸軍中佐の知人、NYを拠点として投資ファンドで財をなした友人、市民権も持っているSM氏等だが、YM氏もここに入れて良いだろう)は、全員がアッパーミドルかそれ以上に属する、言わばアメリカの中では少数に過ぎない人たちである。私はこれまでに繰り返して彼らはアメリカ全体の5~10%程度しか占めていないという説を唱えてきた。即ち、トランプ大統領の所謂「鉄板」の40%と言われている支持層とは比較にならないほど少ないという意味。

少なくともアメリカのビジネスの世界は、その少数派の彼等が経営の幹部として動かしているのは間違いないというところだ。嘗てはAAAの格付けだったウエアーハウザーの幹部級は、皆揃ってIvy Leagueかそれに準ずる大学のMBA以上だったのは、そういう階層の者たちで固められていたということなのだ。私は何ら意図することなく勧誘されて入っていった会社が、そういう階層の人たちが支配し運営していただけのこと。

そこでリタイアまで生き残れたということは、そういう階層の人たちに何とかして受け入れられたのだと勝手に解釈している。その人たちは学歴は兎も角として、言葉遣い、礼儀、服装、出自、立ち居振る舞いに厳格な規範があって、そうだと知ってそれに合わせていかねばならないのは、心身共にかなりの負担だった。特に言葉遣いは何度か採り上げたように、swearwordを副社長との打ち合わせ中に使って、厳しく叱責されたことにも現れている。だが、それだけではなく“Me, too.”などが許されないのだ。(これは文法的に誤りであるから駄目なのだ)

トランプ大統領はそういうアッパーミドルの家柄の子弟しか入って行かないIvy Leagueの一校であるペンシルベニア大学のご出身である。ところが、政策や政治・経済の面で実績は兎も角、アッパーミドルかそれ以上の人たちの厳格な規範をほとんど破ってしまっているようにしか見えないのだ。私が経験したところでは、そういう品位の無さを、あの人階層の人たちが嫌うのだろう。私もその一人ではある。

だが、トランプ大統領から見れば、そういう階層の者たちは全体の1割にも満たないのだから、中西部等のラストベルトの労働者階層、農家、プーアホワイト以下、所謂minoritiesの支持を固めてあれば、優に40%に達するのだ。故に、右往左往することは不要だと判断されていても不思議ではあるまい。また、私の知り合いでウエアーハウザーに所属していた人たちは、言うまでもなく皆が共和党支持なのだから、単にトランプ大統領を嫌いだというだけでバイデンに入れるだろうか?

仮に、アッパーミドルかそれ以上の階層にいる人たち全員が、反トランプではなく「嫌トランプ」というだけで、民主党の候補に一票を投じるだろうか。今や1900年の創立当時の木材会社に戻ってしまったウエアーハウザーの元の幹部級が、民主党支持に転向するとは思えないのだ。以前にも述べたが、ジョージ・ウエアーハウザーはYaleのビジネススクールでパパブッシュと同級で、親友の間柄だったと聞く。90歳台半ばで健在のジョージが、民主党支持に転向するだろうか。

このように考えて来ると、多くのアッパーミドルかそれ以上の共和党支持者は、ことによるとかなり難しい選択を迫られる事態が生じるかも知れない。だが、77歳のバイデンがあれほどの激務であるアメリカ合衆国大統領に相応しいと判断するでだろうか。だが、部外者の私は何も断言できる立場にはない。ただ黙って見守っているべき事と思う。とは言っても、折に触れて友人や知人たちにアメリカ動向を照会してみようとは考えている。


我が国の旅行業界の総売上高にインバウンドが占める比率は17%

2020-06-22 08:03:20 | コラム
昨21日で3回目だったが:

昨日、フジの日曜報道に登場された星野リゾートの星野佳路社長が、少なくとも私にとっては聞いたのが3度目となる「インバウンド」が我が国の旅行業界の総売上高全体にに占める比率は17%であると語っておられた。新型コロナウイルスの感染が始まって以来「インバウンドがほとんど消滅したので、訪日外国人観光客に依存してきた観光業界が危機に瀕している」とまことしやかに報道されてきた。だが、星野社長は「そんなことはない」と強調されたのだった。

社長の解説では「旅行業界の19年の総売上高は27.9兆円、その中でインバウンドは4.8兆円であり、全体の17%に過ぎないのだ」と他局で既に2度も指摘しておられたのを私は聞いていた。星野社長の主張は「この他に邦人の邦人の海外旅行で消費している分が3兆円ほどあるので、それを国内旅行に振り向けて貰えるように努力すれば、インバウンドの分が補えるのではないか」という点にあった。私は素直に尤もな指摘であり、主張でもあると思って聞いていた。番組の中では、それは何処の統計化という質問が出たが「政府の日本観光局発表の統計だ」と指摘された。

マスコミ報道では「中国からの観光客が来ないので観光業界も門前町的な土産物やも大変だ」という報道ばかりで、マスメディアであれば当然承知しているべき観光局の統計には一向に触れようとしないのだ。それだけに止まらず、5月は対前年同月比で観光客が△99.9%だったと大騒ぎしてみせる。これは誰が考えても当然のことで、我が国は110の国乃至は地域からの入国を拒否するか制限しているのは公知の事実であり、当然の結果であろう。ここでは「だからマスコミは・・・」という話ではなく、インバウンドが17%だったということを強調したい

終わりに矢張り英語の解説というか、カタカナ語のおかしさに触れておこう。“inbound”という単語に「訪日外国人観光客」という意味はないと既に指摘してあった。これは辞書を見おるまでもなく「入ってくる」か「到着する」という意味である。“outbound”とすれば、反対の意味になるのは当然。思うに、多くの方は何処かで“bound for”という表現を教えられたと思う。これは“This flight is bound for Narita.”のように言えば「当機は成田行きです」となる。序でに、アメリカから我が国に向かってくる船は“westbound”となり、出ていく方は“eastbound”などと言っている。