新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月21日 その2 円安傾向は何を象徴しているのか

2022-04-21 09:04:48 | コラム
20何年振りかで¥129台を覗いた円安:

悲観論者と称している私にとっては、この円安は矢張り心配なのだ。在職中に教えられた表現に“I’m concerned about it but not worried yet.”というのがあった。「気になっているが、心配はしていない」ということを表しているのだそうだ。これを当て嵌めれば「心配している」のである。¥130台に入る前に、円安対策を可及的速やかに講ずべきだと思っている。

それでは何を心配しているのかと言えば「権威者である専門家やエコノミストが言われるように、アメリカと我が国の間の金利の差を較べれば、円売りドル買いに向かい、円に投資しなくなるのは当然だから云々」は尤も至極であると理解している。

同時に専門家たちは「何ヶ月も貿易赤字が続けば、国内の輸入品というか原燃料価格が高騰して物価の上昇が避けられない」と警告するのだ。こんな事は今に始まったことではないのではないか。「最早、輸出が我が国のGDPに占める比率は、遙かに輸入よりは小さく、我が国は輸出立国ではない。内需依存だ」と言ったのは専門家だった。この状況下で円安が続けば物価上昇などは当たり前過ぎる現象だ。街で何か買って原産地が中国やその他の国ではない物がどれほどあるのかということだ。

だが、悲観論者にはその類いの解説が「意図的な気休め」ではないのかと心配になるのだ。即ち、I am worried.なのである。それは、この円安の流れが「外国の投資家乃至は投資機関が我が国の国力の低下が止まらない」と見定めたのではないかという懸念だ。アベノミクスが失敗だったの、効果が未だに現れていないなどと、今になって騒ぎ立てるよりも、幾ら説得されても一向に給与水準を引き上げようとしないし、デフレ傾向から脱却する術を知らない経営者たちが運営する産業界を批判するのが先ではないかと思えてならない。

国力が低下したとすれば、その原因はそんなものだけではあるまいと思う。即ち、何時まで経っても押しつけられた憲法の改正に反対し続けるような輩を国会に送り込んだのは誰かと私は批判したいのだ。憲法第九条を後生大事に守っていれば、お国が安全でありアメリカが安保条約で守ってくれていると信じているような国を、アメリカ以外の世界の他国が評価するだろうか。中国を怖れて言うべき事も言えず、防衛予算も増額できない国を自由主義陣営が立派だと評価するのだろうか。

政府にしたところで、何か問題が起きれば自ら立ち向かう前に「専門家会議を招集してご意見を承って、それに従おうとする」のが最善の策なのだろうか。私に言わせれば、所謂専門家の方々は「日常的に常に動いている現実の世界に接して、その早過ぎる変化と進歩と直接に戦っておられるのではなく、膨大な資料と統計から得た豊富な知識と情報をお持ちであるだけ」ではないのか。

本田宗一郎氏は「統計は頼りにしない。何故ならば過去を示すだけで将来を見通してはいない」と指摘された。尤もだと思って読んだ。要するに「実務というか現実の世界にいない頭脳集団の方々の意見を尊重するのは如何なものかな」というのが私の考え方だ。

比較論ではないと断っておきながら言うが、アメリカの企業では副社長兼業部長の地位にある者でも実際に得幸先を担当するし、自ら一戦に立って行動して現実に直面して、そこから得た知識と経験を基にして判断を下している。一方、我が国では課長に始まって段階的に地位が上がっていくが、上に行けば行くほど実務を担当するのではなく、部下から上がった報告に自らの経験を加えて判断しているのだと思う。即断即決という面から見れば、アメリカ方式は良いのだが、上に立つ1人が判断を誤れば全体が転けて(コケて)しまうのだ。

我が国は民主的であるので、何時だったか橋下徹氏が「国会と議院内閣制の問題点」として指摘したように、決断までに時間がかかってしまうのだ。私は何れが良いかという優劣の点から捉えるのではなく、局面によって臨機応変に対処できる方が良いように思えてならない。その点から考えれば、現在の局面はあらゆる意味で我が国にとっては危機的な要素が多いと見える。ということは、アメリカ式の即断即決が求められるのであり、「専門家の意見も聞いて慎重に検討」の時期ではないとしか思えないのだ。円安対策を可及的速やかに講ずべきでは。


迷惑メールの近況

2022-04-21 07:47:59 | コラム
4月19日から300本台に突入:

本4月21日には315本だった。月に1~2度はお休みの日はあるが、迷惑メールは連日飽きもせずに襲ってくる。「高齢者だから対策が分かっていない」などと言われないようにあらためてお断りしておくと「OCNのブロッキングサービス」を利用しているので、毎朝送られてくるその一覧表?を見てから一度に削除して終わりだから、それほど手間はかからないのだ。

昨年の初頭までは猥褻メールの襲来があったが、今では内容はクレデイットカード会社、銀行等の金融機関のカード、あらゆる何とかpay、通販サイト、etc、駅ネット等々を標的にしているメールに置き換わっている。先ほどチェックした315本の内容ではaupayが急増してmercariと共に300台達成の原動力となっていた。

畏メル友RS氏からは「彼らは機械で送信しているのだから阻止しようがない」と教えられているのだが、良くも毎日毎日送ってくるものだと、その熱心さというかしつこさには敬意さえ表したくなる。もしかして、彼らはこのようなメールに騙される方がおられるので「継続は力なり」とでも思っているのだろうか。数分の手間で処理できるのだが、矢張り迷惑メールは迷惑だと言いたい。

「2020年の世界のグラフィック用紙」の続編

2022-04-20 09:17:16 | コラム
我が国は意外にもICT化とデイジタル化(ペーパーレス化?)先進国だった:

「意外にも」などと言えば自分の国に対して失礼かも知れないと感じたが、偽らざるところだ。先週に取り上げた「2020年の世界のグラフィック用紙」の続編として品目別に見ていくと、我が国では主要のグラフィック用紙の消費量の減少率が世界中でも概ね上位に入っていたのだった。と言うことは「デイジタル化即ちペーパーレス化」は頻繁に登場する某社のテレビCMが指摘するよりも「紙」を使わなくなってしまっていたようなのだ。これは、紙パルプ業界出身者としては決して愉快な現象ではないのだ。如何に品種ごとに見ていこう。

新聞用紙:(単位:1,000トン)
この用紙は恐らく世界で最も生産量・消費量共に急速に減少しつつあると思う。世界最大の生産国はカナダであり、そのシェアーは15.8%と最大である。生産量は2,092トンで対前年比△20.0%だった。第2位は我が国で2,061トンであり△14.2%。第3位にはロシアが登場し1,314トンで△16.3%。第4位は中国の1,000トンで△24.0%。第5位はドイツの910トンで△16.6%。第6位はスウェーデンで707トンと△20.6%。第7位に韓国が670トンで入って△20.9%。第8位はインドで494トンの△40.8%。第9位にはフランスが来て479トンで△25.9%。第10位には意外と思う方は多いかと思わせるアメリカで447トンの△47.3%。だが、後述する消費量では1,381トンで△25.7%であっても世界第3位なのだ。

以下、英国、ノルウェー、オーストリア、ベルギー、スイス、フィンランド、インドネシア、スペイン、スロベニア、オーストラリアと続くが全ての国がマイナス成長だった。ここまでで紙の新聞と印刷媒体の衰退を、これでもかと言わんばかりに示していたのだった。

次に消費量を取り上げていこう。何と第1位は我が国で2,063トンではあったが、対前年比△14.8%だった。第2位は中国の1,649トンで△6.6%で、生産量の1,000トンよりも60%以上も多かった。第3位がアメリカだったことは既に述べたが、この数字が示すことは、アメリカの新聞用紙は陸続きのカナダからの輸入に依存していることなのだ。第4位はインドで1,255トンの△42.8%。第5位はドイツで1,001トンの△22.2%。

第6位は英国で509トンの△32.8%。第7位は韓国の462トンの△10.6%。第8位はイタリアの377トンの△21.5%。第9位はカナダの317トンで△29.3%なのだが、生産量の15%しか国内で消費していないのだ。第10位にはロシアの274トンの△17.7%が入るが、ここでも国内消費は24%ほどなのだ。以下フランス、オランダ、オーストラリア、スウェーデン、ポーランド、インドネシア、オーストリア、スイス、ベルギー、メキシコと続くが、スウェーデンのみが8.3%のプラス成長を記録していた。

新聞購読者の衰退が言われるようになって久しいのだが、我が国でも新聞を取っていない若者が増えた一方で、電子版の普及も進んでいると聞かされている。だが、我が国の衰退振りなどは未だ穏やかな方で、アメリカなどでは大手の新聞用紙メーカーは殆ど退場したか、Chapter 11という会社再生法の保護の下にある状態。印刷(紙)媒体が如何にICT化とデイジタル化の荒波に押し流されてしまったかが明らかだ。我が国の生産と消費量は未だ△10%台に止まっているが、何れはアメリカ並みになってしまうのではないかと危惧している。

印刷・情報用紙:(単位:1,000トン)
ここに取り上げる紙類は「未だ紙なのか」などとテレビのCMで言われてしまったものなのだ。世界の上位20ヶ国中で生産・消費でプラスを記録していたのはベトナムの消費量だけだった。ICT化とデイジタル化は全世界的に進んでいたことが悲しいまでに解るのだ。

生産量の第1位は中国で22,720トンの対前年比△8.9%で、消費は△2,7%と低成長期に入った模様。第2位はアメリカで8,198トンの△20.9%。第3位は我が国で5,38トンと△21.8%。第4位はドイツで5,338トンの△13.9%。第5位はインドネシアの4,516トンの△8.7%だったが、消費は第10位の1,467トンで輸出国であることが明らかになっている。

第6位はインドの4,095トンの△15.3%。第7位はフィンランドで3,207トンの△30.4%。第8位は韓国の2,327トンの△10.7%。第9位にはカナダが2,221トンで入り△15.7%だが、消費では17位の863トンだった。第10位はスウェーデンの2,079トンの△12.1%だった。以下ブラジル、イタリア、オーストリア、ロシア、ポルトガル、タイ、フランス、ポーランド、ベルギー、オランダと続いていた。

消費量では1位が中国とは既に取り上げたが、第2位はアメリカの10.166トンの△22.1%。第3位は我が国で5,977トンの△23.3%。第4位はドイツの4,562トンの△13.6%。第5位はインドで4,234トンの△19.9%だった。以下上位10ヶ国にはフランスの△16.5%、イタリアの△14.7%。韓国の△6.2%。英国の△23.3%。インドネシアの19.6%と続いていた。

このようなマイナス成長の流れは最早止める手段がないようにしか思えないのが本当に残念だが、時代の流れには逆らえまいと思うのだ。

参考資料;紙業タイムス社刊 Future誌 2022年4月25日号


4月17日(日)のスポーツ

2022-04-19 09:46:57 | コラム
矢張り佐々木朗希問題に尽きるか:

2日遅れで取り上げることになった。この日は季節外れの寒さを警戒して、一日中閉じこもってスポーツ中継ばかり見ていた。特に佐々木朗希君が日本ハムファイターズとの試合に登板するというので、多大なる興味を持って朝から待っていた。また、夜の女子のバスケットボールWリーグの決勝戦、トヨタ自動車足し富士通の試合にも期待していた。なお、午前中は大谷君の試合。佐々木朗希の未完成に終わった2回続けての完全試合は大いに世間を賑わしていたので、ここに取り上げてみようと思った次第。

佐々木朗希投手:
私は完全試合の連続よりも初めて佐々木朗希投手を1回から見る機会を与えられたので、冷静なる評論家としてジックリ観察するのが楽しみだった。一寸気になっていたのが、選手名鑑に記載されていた190cmで85kgという体格だった。そういう体質なのかどうか知らないが、マリーンズの首脳陣が気にしているのがこの身長に比べて体重が少ないことかなと推測していた。私は未だ160km超の速球を投げ続ける為の筋肉が付いていないと見ているのかと思っていた。

聞きしに勝る逸材(素材)だと確認できた。だが、当人も回顧していたようにあの日の調子はテレビのニュースだけで細切れに見た1週間前よりは良くなかったと判定していた。それほど力んで投げていたように見えなくても、160km以上も出せる投手は見たこともなかった。マリーンズは過去2年間に彼の筋力等々体を全般的に鍛え上げたのだろうが、もっとウエイト等のトレーニングを適切に積めば、9回まででも160km以上を完全にコントロールして投げ続けられるようになるのかなと期待したくなった。

問題点は「それとも、マリーンズの首脳陣は佐々木朗希君の筋力は現時点が限界であり『伸びしろ』がないとでも判断して、大事を取って8回までで降ろすべきだと判断したのか」という事かも知れない。現在では、我が国でもそういう点を科学的に研究しておられる専門家が筑波大学等におられるので、そのような方々の診断を仰いであれば良いのだがとも考えながら見ていた。

即ち、我が国の指導者にありがちな「根性だの倒れるまで練習量を積めば結果を伴うのだ」というような精神力を重んじた育て方をしていなければ良いのだという意味。私は井口監督がMLBの経験があるのだから、まさか根性派ではあるまいと見ていたのだが。

私は佐々木投手がパーフェクトを続けているのを見ていて「監督とコーチ陣はさぞかし困っているだろうな」と推測していた。と言うのは、一本でも打たれるか何かパーフェクトを止めてしまう状況になるまで投げ続けさせるのか、前回が102球だったので予め投球数の制限を考えているのか、あるいは連続の完全試合をやらせる気なのか」等々を考えながら見ていた。偽らざる所を言えば、嘗てのドラゴンズの山井を8回で落合監督が降ろした例を思い出して、もしかして8回までかなとも閃いていた。

井口監督は「事前に100球辺りまでと決めていた」と後で語ったが、こんな事を外部にまで予告はしないだろう。私は6回辺りから野球界の用語である「シュート回転」なのか、疲れが出て抑えが効かなくなった為か右打者の方向に投球が外れだしたので、危険信号ではないのかと見ていた。それでも、本人が調子は最高ではなかったと認めても、あれだけの投球が出来るのは凄いことだと感心していた。8回で降ろしたのは首脳部の判断であるから、外野がとやかく言うことではないと割り切っている。それよりも、彼が何処まで伸びるのかが楽しみだ。

バスケットボール:
夜の女子のバスケットボールの試合は単純にと言うか純粋に面白かったし、トヨタ自動車が4Qにまさかの逆転をして見せてくれた1戦目を含めて、女子のバスケットボールの技術と体格の進歩と競技の種目としての発展が凄いなと感心していた。特に昨年のオリンピックの時から注目していた、あの試合を最後にWNBA(アメリカである)に出ていく富士通の町田瑠維の技術と敏捷さが印象的だった。男子では最初にNBAに挑んだ田臥勇太も小柄でありながらアメリカに出て行ったのだが、町田さんが何処まで出来るのかには大いなる興味がある。

結果としては、トヨタ自動車の圧勝に終わったのだったが、私には「バスケットボールでは矢張り身長の高さが有利である点が決定的であるようだ」と思わせられていた。それはトヨタ自動車にはステファニーとエブリンという長身の馬瓜姉妹に加えて、21年から加入したセネガル出身のシラハナファトージャ(187cm、75kg)がいたということ。この3人が頭一つ抜けていてオフェンスとデイフェンスのリバウンド、シュートブロックにと大活躍で、富士通を圧倒していたのだった。同様なことは193cmのENEOSの渡嘉敷来夢にも言えるのではないか。

去りしオリンピックでは、この2試合に大活躍した選手が数多く参加していた。彼女らは身長と体重のハンディキャップをものともせずに、3ポイントシュート力と町田瑠維等のすばしっこさと技巧を活かして見せてくれた。その素晴らしさをまたまた十分に堪能できたWリーグ決勝戦には、満足させて貰えたのだった。なお、トヨタ自動車の前記のシラさんは開志国際高から白鴎大の出身者だった。MLBでの大谷君の近況は私がここで何かを語るまでもあるまいと思うので省略する。


小室圭・真子夫妻について

2022-04-18 07:51:10 | コラム
小室圭氏NY州の弁護士試験に再度不合格:

この件についてアメリカではどのように報道されたか受け止められているのかに関心があったので、ワシントン州とカリフォルニア州の友人・知人に問い合わせてみた。ワシントン州の元同僚からの返信は既に別な形で下記のように紹介してあったが、あらためて記載しよう。アメリカ人たちにとってはさほど興味がある話題ではないのだと分かると思う。彼らはUKのヘンリー王子とメーガン妃の動静には大いなる関心を示すのだが。

「小室氏の件が日本国内で大きな話題になった事は覚えている。しかし、こちらでは彼が弁護士試験を二度失敗したということまでは話題になっていない。それと言うのも、当地ではCOVID-19やウクライナへのロシアの侵攻、急激なインフレーション等々の方が、我々にとっては重大な問題なのだから」

もう一方の、以下に紹介するカリフォルニア州に住む友人のSM氏の見方を、私は彼の地に住む日本人の方々の見方を表していると感じている。私が推測するには、SM氏は彼の地の日本人会の永年の会員であるから、会員の集まりでは話題に上っているのだろうということである

「KK氏のことは当地のメディアでは報道されてないです.やはり英国王室に比べると一般米国人の注目度は低いですね。当地でも日本生まれの我々は勿論野次馬的に関心があって集まると話題にでます。小生もKKの米国の母という人を昔知っていました。

Tさんと言って30年位前に「訴訟亡国アメリカ」という本を、ジャーナリストの高山正之氏と共著で出して当地でも話題になり私も読みました。KK とはICUの後輩ということでKKがUCLAに留学していたときに面倒を見たと日本のネットに出ていました。今はもう75歳位でしょうが当時はなかなかセクシー。それにしてもKKはある意味気の毒ですね。弁護士には不向きなのに、M子さんの圧力で資格取得を強要され、結果笑いものになるんですから。」

私は偽りのないところを言えばKK氏には肯定的な見方をしていなかったので、「ある意味気の毒ですね」と指摘されていた辺りに「そういう見方もあるのか」と興味を感じた次第だ。ところで、ある週刊誌が漸く「外国人の家族からは1人しか働く事が出来ないので、真子さんがMETに勤務できるようになれば、彼は髪結いの亭主的存在になる」と、アメリカの就労事情を取り上げていた。私は既に指摘してあったし、彼らはこんな事は先刻承知していたはずだ。「何で今頃になって言うか」と腹立たしかった。