2011年6月7日、オーストリアワインマーケティング協会が主催する
「オーストリアワイン大使」選抜コンテスト の最終審査が大使公邸にて行われました。
3年前に初めて開催されたコンテストでは10名の「オーストリアワイン大使」が誕生しました。
第2回目となる今回は初回よりもかなりの応募数があり、非常に激戦だったようですが、前回と同じく10名が「オーストリアワイン大使」として認定されました。
最終審査に残ったのは20名。
大使となるかどうかは、ちょうど1/2の確率。
その明暗を分けた審査は・・・
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Wine list for Blind Tasting
-ブラインドテスト-
生産者を当てることはもちろん無理。
肝心なのは、ブドウ品種と生産地域です。
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オーストリア大使公邸で行われた表彰式に出席した際、ブラインドで出題されたワインが出てきましたので、私もすべて飲んでみました。
(ワインはすべて本国の生産者協賛、ただし日本に輸入されているものも一部あり)
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Wine 1
生産者 Weingut Setzer
ワイン Gruner Veltliner Weinviertel DAC 2010
生産地域 Weinviertel DAC
Wine 2
生産者 Weingut Wieninger
ワイン Gemischter Satz Nussberg Alte Reben 2009
生産地域 Wien
当然というか、トップバッターは、オーストリアを代表するグリューナーフェルトリーナー
出てくる順番はわからずとも、グリューナーのワインが必ず入ることは100%予測できるので、出てきたワインの中のどれがグリューナーか?を探っていくことが重要です。
2番目のゲミシュターザッツは、ウィーン地域でよく飲まれている混醸ワイン。色々なブドウ品種をいっしょくたにして醸造します。これもオーストリアの特色のあるワインのひとつなので、出題されることは予測できますね。
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Wine 3
生産者 Weingut Erich & Walter Polz
ワイン Sauvignon Blanc Therese 2008
生産地域 Sudsteiermark
Wine 4
生産者 Weingut Hirtzberger
ワイン Riesling Smaragd Hochrain 2006
生産地域 Wachau
3番目のソーヴィニヨンは超リッチで肉厚!ソーヴィニヨンらしくないワインなので、これは品種がわかりにくいかもしれません。
リースリングはやはりリースリング。リースリング好きなら必ずやわかるはず。ただ、地域の限定が難しいですね。
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Wine 5
生産者 Weingut Hans & Anita Nittnaus
ワイン Leithaberg weis (Chardonnay) 2009
生産地域 Leithaberg DAC
Wine 6
生産者 Weingut Prieler
ワイン Leithaberg rot (Blaufrankisch) 2008
生産地域 Leithaberg DAC
シャルドネを出題してくるとは意外!このワインは特徴が掴みにくかったので、品種を当てた人が果たしていたのかどうか?
最後は赤ワインのブラウフレンキッシュ。オーストリアの赤はこれとツヴァイゲルトが有名で、それぞれの個性の違いをしっかり捉えていればわかる、とは言い切れない難しさがあったかもしれません。
飲んでみると、6のワインは非常に上品でデリケートでした。
ブラウフレンキッシュは酸もタンニンも色調も強めに出ると言われていますが、ちょっと違う感じがしたのです。
ブラウフレンキッシュ+ザンクト・ローランの交配品種であるツヴァイゲルトは、ブラウフレンキッシュよりも引き締まり方がゆるめになり、若飲み傾向のものも多く見られます。
じゃあ、他の品種の可能性は?・・・・と、色々考えを巡らせてみると、ますますわからなくなってきます(笑)
ブラインドは日頃の訓練が大事 だと思いますので、ただ飲むだけでなく、これは品種の特徴をよく表しているワインかどうか?を考えながら飲むと、自然とテイスティング能力がアップしていくかもしれません。が、考えながら飲むのは頭が痛くなりそう!って思う人もいるかもしれませんね(笑)
---------
Oral Exam
-口頭試問-
審査の後半は1人ずつ部屋に呼ばれての口頭試問です。
オーストリア大使を含む5名の試験官の前で答えるため、かなり緊張を強いられます。
1. 知識問題
Q.1
今年2011年は、当時「ピアノの魔術師」と呼ばれ、オーストリアをはじめヨーロッパ各国で活躍した音楽家、フランツ・リストの生誕200周年の記念の年です。
現在はオーストリア領となっている、彼の生誕地・ライディングがあるオーストリアの州名を答えて下さい。
A1. ブルゲンラント Burgenland
Q.2
ワインの銘醸地として有名なヴァッハウ地方で、原産地呼称保護製品の指定を受けている農産物の名前を答えて下さい。
A2. マリレン もしくは アプリコット、あんず
2. 自分の一番好きなオーストリアワインについて、オーストリアの風土や文化等と結び付けて自由に口述して下さい。
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前半の知識問題は、ワインそのものの勉強より、オーストリアのガイドブックを隅から隅まで読みつくした人の方がピンと閃いたのではないでしょうか?
第1回目の審査の口頭試問にも音楽家の生誕年に関わる問題が出されました。
オーストリアの文化、産業、観光など、多方面に興味を持って学ぶことがポイントですね。
求められているのは、単なるワインオタクではなく、オーストリア全体を理解し、愛し、その魅力を日本に広めてくれる「大使」のはず。
誰が目の前に来ても 堂々とした態度で自信を持って臨むことも大事ですね。
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オーストリアワイン大使に認定された10名には、オーストリア研修旅行 という素晴らしい副賞が用意されています(8月頃に実施予定らしいです)。
今回、新たに認定されたのは以下の方々です(敬称略)
入山 泰之、 岩井 穂純、 鬼頭 英雄、 根木 啓司、 篠原 直樹、
塩田 光治、 塩田 典久、 鈴木 裕一、 田中 徹、 山形 秀仁
レストランの店長、シェフソムリエ、ソムリエ、アシスタントマネージャー、酒販店、
オーベルジュのオーナーシェフ等々、すべて男性。
女性は最終20名の中に5名入っていましたが、1人も大使に手が届かなかったのは残念でした。
次回は自分が!と思った方は、今からガイドブックを買って勉強を始めてみてはいかが?
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「オーストリアワイン大使」選抜コンテスト の最終審査が大使公邸にて行われました。
3年前に初めて開催されたコンテストでは10名の「オーストリアワイン大使」が誕生しました。
第2回目となる今回は初回よりもかなりの応募数があり、非常に激戦だったようですが、前回と同じく10名が「オーストリアワイン大使」として認定されました。
最終審査に残ったのは20名。
大使となるかどうかは、ちょうど1/2の確率。
その明暗を分けた審査は・・・
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Wine list for Blind Tasting
-ブラインドテスト-
生産者を当てることはもちろん無理。
肝心なのは、ブドウ品種と生産地域です。
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オーストリア大使公邸で行われた表彰式に出席した際、ブラインドで出題されたワインが出てきましたので、私もすべて飲んでみました。
(ワインはすべて本国の生産者協賛、ただし日本に輸入されているものも一部あり)
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Wine 1
生産者 Weingut Setzer
ワイン Gruner Veltliner Weinviertel DAC 2010
生産地域 Weinviertel DAC
Wine 2
生産者 Weingut Wieninger
ワイン Gemischter Satz Nussberg Alte Reben 2009
生産地域 Wien
当然というか、トップバッターは、オーストリアを代表するグリューナーフェルトリーナー
出てくる順番はわからずとも、グリューナーのワインが必ず入ることは100%予測できるので、出てきたワインの中のどれがグリューナーか?を探っていくことが重要です。
2番目のゲミシュターザッツは、ウィーン地域でよく飲まれている混醸ワイン。色々なブドウ品種をいっしょくたにして醸造します。これもオーストリアの特色のあるワインのひとつなので、出題されることは予測できますね。
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Wine 3
生産者 Weingut Erich & Walter Polz
ワイン Sauvignon Blanc Therese 2008
生産地域 Sudsteiermark
Wine 4
生産者 Weingut Hirtzberger
ワイン Riesling Smaragd Hochrain 2006
生産地域 Wachau
3番目のソーヴィニヨンは超リッチで肉厚!ソーヴィニヨンらしくないワインなので、これは品種がわかりにくいかもしれません。
リースリングはやはりリースリング。リースリング好きなら必ずやわかるはず。ただ、地域の限定が難しいですね。
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Wine 5
生産者 Weingut Hans & Anita Nittnaus
ワイン Leithaberg weis (Chardonnay) 2009
生産地域 Leithaberg DAC
Wine 6
生産者 Weingut Prieler
ワイン Leithaberg rot (Blaufrankisch) 2008
生産地域 Leithaberg DAC
シャルドネを出題してくるとは意外!このワインは特徴が掴みにくかったので、品種を当てた人が果たしていたのかどうか?
最後は赤ワインのブラウフレンキッシュ。オーストリアの赤はこれとツヴァイゲルトが有名で、それぞれの個性の違いをしっかり捉えていればわかる、とは言い切れない難しさがあったかもしれません。
飲んでみると、6のワインは非常に上品でデリケートでした。
ブラウフレンキッシュは酸もタンニンも色調も強めに出ると言われていますが、ちょっと違う感じがしたのです。
ブラウフレンキッシュ+ザンクト・ローランの交配品種であるツヴァイゲルトは、ブラウフレンキッシュよりも引き締まり方がゆるめになり、若飲み傾向のものも多く見られます。
じゃあ、他の品種の可能性は?・・・・と、色々考えを巡らせてみると、ますますわからなくなってきます(笑)
ブラインドは日頃の訓練が大事 だと思いますので、ただ飲むだけでなく、これは品種の特徴をよく表しているワインかどうか?を考えながら飲むと、自然とテイスティング能力がアップしていくかもしれません。が、考えながら飲むのは頭が痛くなりそう!って思う人もいるかもしれませんね(笑)
---------
Oral Exam
-口頭試問-
審査の後半は1人ずつ部屋に呼ばれての口頭試問です。
オーストリア大使を含む5名の試験官の前で答えるため、かなり緊張を強いられます。
1. 知識問題
Q.1
今年2011年は、当時「ピアノの魔術師」と呼ばれ、オーストリアをはじめヨーロッパ各国で活躍した音楽家、フランツ・リストの生誕200周年の記念の年です。
現在はオーストリア領となっている、彼の生誕地・ライディングがあるオーストリアの州名を答えて下さい。
A1. ブルゲンラント Burgenland
Q.2
ワインの銘醸地として有名なヴァッハウ地方で、原産地呼称保護製品の指定を受けている農産物の名前を答えて下さい。
A2. マリレン もしくは アプリコット、あんず
2. 自分の一番好きなオーストリアワインについて、オーストリアの風土や文化等と結び付けて自由に口述して下さい。
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前半の知識問題は、ワインそのものの勉強より、オーストリアのガイドブックを隅から隅まで読みつくした人の方がピンと閃いたのではないでしょうか?
第1回目の審査の口頭試問にも音楽家の生誕年に関わる問題が出されました。
オーストリアの文化、産業、観光など、多方面に興味を持って学ぶことがポイントですね。
求められているのは、単なるワインオタクではなく、オーストリア全体を理解し、愛し、その魅力を日本に広めてくれる「大使」のはず。
誰が目の前に来ても 堂々とした態度で自信を持って臨むことも大事ですね。
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オーストリアワイン大使に認定された10名には、オーストリア研修旅行 という素晴らしい副賞が用意されています(8月頃に実施予定らしいです)。
今回、新たに認定されたのは以下の方々です(敬称略)
入山 泰之、 岩井 穂純、 鬼頭 英雄、 根木 啓司、 篠原 直樹、
塩田 光治、 塩田 典久、 鈴木 裕一、 田中 徹、 山形 秀仁
レストランの店長、シェフソムリエ、ソムリエ、アシスタントマネージャー、酒販店、
オーベルジュのオーナーシェフ等々、すべて男性。
女性は最終20名の中に5名入っていましたが、1人も大使に手が届かなかったのは残念でした。
次回は自分が!と思った方は、今からガイドブックを買って勉強を始めてみてはいかが?
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