ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Return to Vinexpo 2010 in Hong Kong -Part4

2011-06-24 23:56:26 | ワイン&酒


どうですか、これ?
一度目にしたら忘れられないほど強烈なインパクトがありますよね?
これも、昨年の香港で出会いました。



ワインのエチケットが 陶器製 なんです

穴にリボンを通し、ボトルネックに結んだ状態で付けられていました。



左のワインは Pago de Tharsys UNICO NV (スペイン、バレンシア)

黒ブドウのボバル種100%を使い、CAVAと同じ醸造方法(瓶内二次発酵、16カ月)で造った、白のスパークリングワインです。ドサージュゼロのブリュット・ナトゥーレ

ボバル100%というのはCAVAの条件を満たしていないので、このワインのDOはUtiel Requena。しかし、生産者であるPago de Tharsys は“完璧でオリジナルなBlanc de NegreのCAVA”と謳っています。
※Blanc de Negre は、シャンパーニュでいうBlanc de Noir(黒ブドウの白ワイン)



右のワインは Pago de Tharsys Brut Nature NV (スペイン、バレンシア)

こちらはマカベオとシャルドネのブレンドで、正真正銘のDO CAVA(瓶内二次発酵、16カ月)。
UNICO同様、ドサージュゼロのブリュット・ナトゥーレですが、ブドウ品種が違うので、個性が違います。



他にはガルナッチャを使ったロゼ(Brut Rosado NV)があり、それにも丸い陶器製の絵がかけられていました。

それにしても、陶器製のエチケットとはユニーク!
しかも、描かれているのは頭髪が蛇のメドゥーサ?というのも超個性的

このエチケットはボトルを揺らすとカチャカチャ音を立て、割れる危険性もありますので、取扱いは慎重にしましょう。



Pago de Tharsys Millesime 2007

こちらも同じ造り手のCAVAですが、エチケットはいたってノーマル(笑)
左がロゼで、右が白。年号入りです。

マカベオとパレリャーダのブレンドの DO CAVAで、瓶内熟成22カ月のBrut Reserva。
ロゼガルナッチャ100%のDO CAVAで、瓶内熟成24カ月のBrut Reserva
ドサージュは、白はゼロですが、ロゼは少し加えているようです。



Pago de Tharsys は、スペインはバレンシア州のRequena(少し内陸に入ったところ)にあるワイナリーで、このような個性的なCAVAの他に、普通にスティルワインも造っています。



Pago de Tharsys Dulce

こちらは甘口の白ワインで、ブドウはローカル品種のSultaninaとCorintia
一部、枝に付けた状態で過熟させてドライになったブドウも混ぜているようで、この品種からのスペインワインはこのDulceが初とのこと。


アルコールは15%と高い、甘~いワインで、コロンとした500mlボトル入り



ちょっと官能的な絵のエチケット(“Young Beotian”というバレエの一場面を想定)は、恋人へのプレゼントにも最適ということですが、いかがでしょうか?(笑)



ここのオーナーはフランスで修行していますが、スペイン国内の有力なCAVAのいくつかのワイナリーを経てきていますので、やはりCAVAに思い入れがあるように思います。

また、2002年以降の収穫は、気温の低い夜(12~13℃)に行っています(Night Harvest)

エチケットといい、さまざまなこだわりを持つ生産者のようですので、今後注目していくと面白いのではないかと思います。

生産量が少ないのが残念ですが(今回紹介したワインはどれも年間1400~1500本程度)、ワイナリーに宿泊施設が併設されていますので(4部屋のみ)、気になる人は現地を訪ねていてはいかがでしょうか?


コメント
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