ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

気軽に楽しみたい南仏ローヌのワイン

2012-09-28 11:11:33 | ワイン&酒
先日の アルザス&ローヌ試飲会 では南仏のローヌのワインも数多く出展がありましたが、今回は本当に出展ブース数が多く(51社)、立ち寄るには限界がありました。

特にローヌに関しては、試飲はしたものの写真画像を撮る余裕がなく、画像とともに紹介できるのはごく一部になることをご了承ください。



ローヌワイン の全体的な感想としては、果実味のボリューム、しっかりとした酸、タンニンの質と量、これらのバランスが良好な赤ワインが多くなってきている、と感じました。

特に、濃厚ながらもフレッシュ感があり、みずみずしさを感じさせ、飲み疲れしないエレガントな赤ワインが増えているように思います。
だからといって単に軽くなったというわけではありません。さすがに上級クラスのワインは余韻も長く、複雑味もあり、フィネスを感じさせ、満足度が高い仕上がりとなっています。

力でグイグイ押してくるタイプではなく、上品でデリケートな赤ワインが多くなってきているのは、消費者の嗜好の変化も大きいでしょう。

ローヌの白ワインの生産量は多くありませんが(全体の約5%)、個性豊かな品種でつくられ(マルサンヌ、ルーサンヌ、クレレット、グルナッシュ・ブラン、ピクプール・ド・ピネ、ヴィオニエetc...)、白ワイン好きにとっては非常に魅力的な存在です。

しかも、ローヌの白ワイン、かなり美味しくなってきました!
シンプルなコート・デュ・ローヌ・ブランや、手軽に飲めるレンジの白ワインの質もかなり高くなってきているのを感じます。

例えば…

Ventoux Sud Blanc 2010  Ventoux Sud Rose 2010  Ventoux Sud Rouge 2010
Vin Attitude (希望小売価格 各1365円、輸入元:アグリ株式会社)

白だけでなく、ロゼ、赤と揃った、AOC Ventoux(ヴァントゥー)のワインです。
以前はAOC Cotes du Ventouxでした(1973年AOC認定)が、最近AOC Ventouxと変わりました。

ヴァントゥーは、マルセイユの東に位置し、“プロヴァンスの巨人”と呼ばれるヴァントゥー山(標高1800m)の麓の産地ですが、あまり起伏が激しくなく、自転車で回るのにピッタリだとか。

白ワイン はクレレットとブール・ブランのブレンド。果実味が豊かで、まろやかで飲みごたえがあり、アルコール14%ですが、酸が生きていてスッキリ感もあります。これは素直においしい!

ロゼワイン はグルナッシュとシラーのブレンド。果実味がチャーミングで、みずみずしいワインです。色もキレイで心浮き立ちます。これなら1年中楽しみたいですね。

赤ワイン はグルナッシュとカリニャンのブレンド。果実味がやさしく、タンニンがスムースでなめらか。ボリュームもスパイシー感も強すぎないので、いつの間にか1本開けてしまえそうなワインです。これは食卓にピッタリ!
この2010年ヴィンテージは、オランジェコンクールで金賞を受賞しています。

ヴァン・アティチュード社は、2006年に2つの生産者協同組合が合併して設立された会社で、550の栽培農家、2150以上のブドウ畑を共有しています。それゆえ、さまざまなニーズに合うワインが提供できるのでしょう。

3つのワインはどれもおいしく、この味わいでこの価格はかなりお値打ち!
デイリーワインにしたいかも、と思ってしまいました



紹介したこれらのワインのように、日常の食卓で使いやすい味わい&プライスのローヌワインがたくさん出てきています。
また、食欲の秋にもローヌのワインは似合います
この機会に、まずは気軽に楽しめるタイプからチャレンジしてみてはいかがですか?


コメント
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