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王妃の館(下)ー浅田次郎

2021年10月08日 | 読書

評価5

再読(前回2018年9月23日)。
パリの高級ホテルでダブルブッキングとなった17人の人々、ついに事の真相を知りすったもんだの阿鼻叫喚の場と化すかと思いきや、売れっ子作家が執筆中の「王妃の館」に夢中となり、最後は不動産王が計画するラスベガスのホテルにスタッフとして採用されることに!縦横無尽の浅田節炸裂!

ただのエンタメ小説かと思いきや、奇想天外なダブルブッキングストーリーにルイ14世とその王子の話を入れ込み厚みを持たせ、登場するツアー客の年老いた元教師に今や日本人が失った「愛」や「心」「誇り」を語らせるという離れ業をやってのけた浅田次郎に、ただただ感服!ニッポン人の心はどこへ行ってしまったのだろうとつくづく考えさせられてしまいました。

パリ行ってみたいな~♪