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八月十五日の開戦ー池上司

2021年10月29日 | 読書

評価4

再読(前回2018年2月10日)。
日本の終戦は8月15日ではない。日本が無条件降伏を受け入れたその日にソ連が北海道占領作戦を発令したのだ。ノモンハンの傷が癒えぬまま転進した戦車連隊を中核にソ連兵の上陸を巡る攻防が始まった。竹田浜の日ソ両軍の肉弾戦が凄まじく、停戦へ向けたかけ引きも興味深い。

浅田次郎著「終わらざる夏」と違って、戦闘に関する描写がかなり詳しい。日本軍戦車の装甲の薄さに驚く。これではいくら兵士が精鋭でも厳しい戦いになる。工業力の差は致し方なし・・・第5方面軍(北海道)の大佐がアメリカに停戦調停を求めるために、札幌から八戸、羽田、江田島を経由してマニラのマッカーサーの許に飛ぶがどこまで史実なのだろう?気になる。あと、浅田次郎さんは占守島に展開した戦車は「ガソリン車」としていたが、この本では「ディーゼル車」となっているので、どうなんだろう?

日ソ双方ともに登場人物が多すぎるので覚えきれませんでした(泣)。