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地のはてから(下)ー乃南アサ

2021年10月21日 | 読書

評価4

再読(前回2020年8月20日)。
知床へ開拓移民した「とわ」の一代記。奉公に出た小樽の商家が没落した後、故郷に帰ったとわは斜里の男性と結婚し古着屋を始める。うだつの上がらない夫を支えながら太平洋戦争を切り抜け三男三女を育て上げたとわの生き様に感動。

終盤は夫や兄弟が徴兵されて女手一つで家計を支えるとわの懸命な働きぶりに風雲急を告げる戦況が重なり頁をめくる手が止まらない。戦争の悲惨さを改めて思う。13年ぶりに「大好きだった」三吉に再会した時のとわの毅然とした態度には驚いた。「おがちゃ(母)」は強し!