8月1日 おはよう日本
子どもの安全にこだわった製品の開発に力を入れる企業が増えている。
予測が難しい子どもの事故をどう防ぐのか。
子どもの視線に立ち安全性にこだわった製品や取り組みを表彰する
キッズデザイン賞が発表された。
電気を使わず利用者の体重で開閉する自動ドアは
子どもが誤ってドアに挟み込まれる危険が無い。
電池を使わない光る耳かきは
子どもの耳を誤って傷つけないよう先端が明るく光り耳の中をてらす。
キッズデザイン賞審査員で小児科医の山中龍宏さんは
さまざまな子どもの怪我を診察してきた。
電気ポットが倒れこぼれた熱湯で胸からおなかにかけて大やけどをしたり
遊具の隙間から落下して骨折をしたり。
事故の原因には製品の構造にも問題があるケースが多いと指摘する。
「子どもの事故が起きると親の不注意、責任といわれているが
残念ながら24時間見張っているわけにはいかない。
ちょっと眼を離したときにも安全な製品や環境を作るような
努力が必要だなと思う。」
利用者の声などを通じて独自の安全基準を作る企業も出てきた。
今回優秀賞に選ばれた福井県の遊具メーカー。
この会社の製造しているローラー型の滑り台は
当初 回転するパイプの隙間が端の部分は最大12mmあり
子どもの指が挟まれたと指摘を受けた。
わすかな隙間の危険を見落としていたのである。
ローラーのかたちを工夫することで隙間を4mmにせばめ
指が入らないようにした。
そのくらいの隙間で指やひざが挟みこまれるのか。
子どもが握りやすい鉄棒の太さはどれぐらいか。
メーカーでは幼稚園や保育園に協力してもらい
年齢ごとにデータを集め設計に生かしている。
こうしたデータを生かした遊具のひとつは
子どもたちが上り下りするネットのひとつの編み目は縦横10cmにしている。
こうすることで誤って首が挟まれる心配をなくした。
遊具メーカー 牧野英雄営業部長
「工場で作ったものが全て安心というわけでは絶対にない。
子どもたちの意外な遊び方 使い方をつぶさに見て
提案 改善することで安心安全につながる。」
6回目となる今回のキッズデザイン賞には
文具や家電、住宅メーカーなど全国の企業から
過去最高の377点の応募があった。
子どもの事故をどう防ぐのか。
さまざまな企業で関心が高まっている。