8月22日おはよう日本
ロシアが22日 WTO世界貿易機関に正式に加盟し
段階的に関税が引き下げられることになった。
日本など外国企業から自動車などの輸出が増えると期待されているが
一方でその恩恵をどこまで受けられるのか懸念する見方もある。
ロシアはWTOに加盟していない“最後の大国”ともいわれてきた。
1993年に加盟を申請したが
農業やエネルギー分野で保護政策をとったことなどから
加盟交渉が長引いていた。
しかし去年12月のWTOの閣僚会議でロシアの加盟が承認され
国内での批准手続きを終えて22日から正式に加盟国となった。
ロシアが目指すのは国内の製造業の立て直しである。
現在 ロシアの経済は
原油や天然ガスなど資源の輸出に依存しているが
WTO加盟をてこにハイテク産業などの育成を目指している。
一方 日本などの外国企業にとってもロシアの市場は大きな魅力である。
日本の自動車メーカーは
相次いでロシアでの生産体制を強化している。
拡大の続く自動車市場で外国メーカーの販売競争が始まっているのである。
ロシアは乗用車の新車の関税をWTO加盟で
現在の30%から25%にただちに引下げ
その後7年かけて15%にまで段階的に引き下げることになっている。
しかし懸念もある。
関税引き下げでロシアの国内産業が打撃を受ける懸念が出た場合
関税引き下げの役策が守られないのではないかというのである。
実際ロシア政府は国内産業への影響を抑えるため
今年9月から「リサイクル税」とよばれる廃車手数料を
輸入車に対して導入する予定である。
ジェトロ 海外調査部
「約束をきちっとロシア政府が履行していくかどうかが
非常に重要な点だと思う。
仮にもし約束を守れないところが見られた場合
必要に応じてロシアに履行を促していく活動が重要。」
ロシアでは煩雑な通関手続きや深刻な汚職などの課題も残されたままで
外国企業がWTO加盟の恩恵をどれだけ受けられるかが不透明な状況である。