8月17日 おはよう日本
天気の変わりやすい夏は遭難の危険と隣り合わせなのが登山。
東京の都心からも近い奥多摩の山々には
毎年10万人以上の登山者が訪れる。
今月この奥多摩の山中で60歳の男性が遭難した。
家族からの捜索願を受けて捜索隊が出動し
わずか1時間ほどで発見された。
なぜ速やかな救助ができたのか。
警視庁山岳救助隊 橋本久隊員
「ご本人の登山届なんですけど
簡単な3つしか書いてないが
入山ルートと下山ルートさえわかれば捜索できるので
これさえ書いてくれれば。」
登山届は名前や緊急の連絡先に加え
登山や沢登りのルートを書き込んで登山口などで提出する。
遭難した際に捜索の重要な手掛かりになる。
奥多摩駅に設置されている登山届の専用ポスト。
15日も大勢の登山者が訪れたが
取材していた2時間の間登山届を投函する人はいなかった。
今年に入ってから今月10日までに
警視庁の山岳救助隊が出動した31件のうち
届けが出されていたのはわずか1件しかなかった。
今年4月 54歳の男性が
奥多摩に釣りに行くと言って出掛けたまま戻らず
救助隊が出動した。
しかし登山届が出されていなかったため捜索は難航。
釣りができる沢を中心に広い範囲の捜索を余儀なくされた。
その日の捜索を打ち切ろうとした夜
がけから転落して頭に大けがをした男性が見つかった。
あと少し救助が遅れれば命の危険があったということである。
橋本久隊員
「自分は平気。
私は事故に合わないと思っている人がほとんどだと思う。
滑落したり道に迷ったりしたときにものをいうのは登山届なので
これだけはぜひお願いしたい。」
登山では遭難した時のことを考えた入念な準備が必要である。
1枚の登山届が自分の身を守る生命線となる。
今週 奈良県で中学生ら12人が遭難したケースでも
この登山届が救助の手掛かりになった。
警察は
低い山や日帰りの登山であっても
必ず登山届を提出するよう呼びかけている。
詳しくは登る山の近くの警察や市町村に問い合わせを。