1月20日 サンデーモーニング
今年の新成人は1968年の調査開始以降で最も少ない約122万人。
その多くが平成4年生まれ。
80年代から始まったバブルがはじけ経済成長が終わりを告げたころにあたる。
(1992年 経団連 平岩外四会長(当時))
「景気は調整過程というか底ばい状態にある。
まだ底をついたかどうかも分からない。」
そしてこの年に生まれた若者たちが育った時代が
日本社会の“失われた20年”と重なる。
1989年12月29日 3万8957円(史上最高値)を記録した日経平均株価。
しかし1992年8月には半分以下の1万5000円割れに下落し
その後2001年には1万円を割り込んだ。
“失われた20年”で民間企業の給与は50万円近く減少。
非正規雇用者の割合も増加の一途をたどる。
また2000年代には
学校へ行かず就職もしていない“ニート”の増加が社会問題に 。
2005年 20代30代の会社員対象の調査では
「現在の仕事に対して無気力を感じる」と答えた人が75%に達するなど
若者に対して無気力 無関心といった表現がしばしば使われた。
この“失われた20年”で日本経済が低迷するなか
いま若者たちの87,9%が「自分の将来に不安を感じる」と答えている。
(早稲田大学名誉教授 加藤諦三さん)
「すごく豊かになったが幸せになったかというと幸せになっていない。
なんとなく便利になって無気力になっている。
経済が行き詰まり無気力になったということは
いかに我々が経済だけを重視していたかということ。」
ところが最近そうした若者たちの意識にも変化がみられる。
「社会の一員として何か社会のために役立ちたい」と考える20代は
46,4%(1992年)→70,1%(2011年)と大幅に増加。
内閣府「社会夷湿気に関する世論調査」
こうした若者の価値観の変化を反映した新たな試みが今注目を集めている。
「自分のスキルを生かしたボランティア活動」
若者たちを中心とした新しいボランティア活動として注目を集めるプロボノ。
プロボノ
ラテン語の公共の禅のために(Pro Bono Publico)という言葉に由来し
本来ビジネスの手段であり利益を得るための専門技能を
無償で社会貢献に使おうというもので
培ったスキル・知識を提供するボランティア
(NPO法人「サービスグラント」 嵯峨生馬代表理事)
「会社でやっていることや自分が得意なことを
どうやったら人に分けて人を幸せにできるのかを
みんな真剣に考えている。
もっと他に社会貢献することがあるんじゃないか。」
(早稲田大学名誉教授 加藤諦三さん)
「“失われた20年”によって経済的な意味で幻想を持てなくなった。
幻想から解き放たれて現実の中で若者が
人間にとって大切なのは人とのつながり・共同体だと気づきだしているとすれば
この20年はなくてはならない20年。
“失われた20年”ではなくて
“再生の20年”。」