1月28日 おはよう日本
去年12月 東京調布市の小学校で
チーズなどのアレルギーのある女子児童が誤ってチーズ入りの給食を食べた後
ショック症状を起こして死亡した。
誤って教職を食べアレルギーを起こしたケースは
平成17年度~20年度までの4年間で全国の小学校で528件報告されている。
大阪狭山市立北小学校の3年生 田野ちなりさんは
食物アレルギーの原因となる食材を使わない除去食を給食で食べる。
給食のメニューがカニの酢の物のときは
ちなみさんにエビやカニなど甲殻類にアレルギーがあるため
カニを抜いた酢の物が特別に作られる。
学校が工夫しているのは
ちなみさんにまちがいなく除去食が届く仕組みである。
チェック1
給食センターから届いた除去食を最初に確認するのは給食担当の職員。
子どもの名前や除去食の種類をチェックする。
チェック2
教頭が職員室に届いた除去食を確認する。
チェック3
取りに来た本人が行なう。
「起用は何の除去食か覚えている?」
「カニ。」
「はいどうぞ。」
「ありがとう。」
チェック4
自分で除去食を教室に運び担任と最終確認。
こうしたチェックを重ねて本人やほかの児童も
ちなりさんが給食で何を食べてはいけないかを理解している。
(田野ちなりさん)
「きょうはカニが入ってたから食べられへん。」
(クラスメート)
「ちなみが食べたらあかんもんやから知っておいた方がいい。
間違って入れて食べたらあかん。」
チェック5
専用の連絡ノートを作り母親が食べてはいけないものをチェック。
このノートを本人と教頭、担任とで確認する。
(担任教師)
「不安はいつもあるんですけど
たくさんの方が見てくださってると
ここに届くまでにいろんな人のチェックが入っているので安心ですね。」
万が一アレルギー症状が出たときは教職員全員が対応できるようになっている。
呼吸困難などの重い症状がでたとき
応急処置として教師が打つことが認められているエピペンと呼ばれる注射薬を
職員室に保管し教職員ならだれでも取り出すことが出来る。
(大阪狭山市立北小学校 車谷哲明校長)
「担任1人に任せるのではなく
職員の協力体制を学校全体でとることが必要。
そのことが担任を支えていくことになる。」
母親の成美さんもこうした学校の対応に信頼を寄せている。
(ちなりさんの母親 田野成美さん)
「何重にも人の手を渡りチェックしてもらうことで子どもも安心だし
家で子どもを送り出した後の保護者がすごく安心できる。
すごくありがたい。」
こうした取り組みは各地で徐々に始まっている。
27日に開かれた専門家らの会議では
学校をあげた対策が必要だという意見が相次いだ。
(国のガイドラインに携わった海老名元宏医師)
「チェック体制をもう1回見直していただくことは重要ではないか。
今後の対策を
国 学会 医師としての立場から進めていかなくてはとあらためと強く思う。」
文部科学省の調査では
食物アレルギーがある子は小中学校のクラスに平均1人以上いるということである。
調布市の事故のあと文部科学省は
個々の状況に応じた対応を改めて確認するよう全国の教育委員会などに通知した。