1月12日 NHK海外ネットワーク
本物のお金に代わって世界で注目されているのがインターネット上で流通するビットコインという仮想の通貨。
利用者はまずネット上に専用の口座を開く。
そして現金を支払ってビットコインを買う。
そうするとこのコインを使ってネット上の店舗などで買い物ができるようになる。
ビットコインを使う人同士なら支払いの際に金融期間を通さないので手数料がかからないというメリットがある。
ビットコインは現金や電子マネーに代わる決済の手段としていま世界に広がっていて
実際にお店で使えるところも増え始めている。
ビットコインを使えるニューヨークの飲食店。
客が10ドルの飲み物をビットコインで買う場合
店員はQRコードで請求する。
10ドルはこの日のレートで0,0248BTC(ビットコイン)。
“ビットコインで支払いを”という表示が出た。
それを客がスマートフォンで読み取り画面をタッチすると
10ドル分のビットコインが店側に支払われた。
銀行などの金融機関を通さないため取引に手数料はほとんどかからない。
スマートフォン1台で決済できる手軽さや世界共通の通貨で両替の必要が無いことから利用者は数百万人に急増しているとみられている。
(ニューヨークに来たドイツ人)
「とにかく便利だ。
行く先々の国で両替せずに済むから。」
今や高額な商品までビットコインで売り買いできる。
ラスベガスで売りに出されている高級住宅は価格は日本円で約8億円だが所有者はビットコインでの受け取りを望んでいる。
ドルよりもビットコインのほうが将来的に価値が高まると考えているからである。
(住宅を売りに出す所有者)
「ビットコインは他の仮想通貨よりも広く普及しているから良い。」
ビットコインが世界に広がるきっかけを作ったソフト開発会社創業者フレッド・エーサムさん(25)。
一昨年 一般の人でも簡単にビットコインで買い物ができるソフトを開発した。
ビットコインの利用者の多くがそのソフトを使っていると言う。
エーサムさんは勤めていた大手投資銀行を辞めて開発会社を設立。
ビットコインによってビジネスチャンスが広がると確信している。
(ソフト開発会社創業者 フレッド・エーサムさん)
「これは素晴らしい技術で世界中の銀行や支払いの在り方を根本から変える。」
しかしビットコインは匿名で利用できるため犯罪に悪用されるケースが相次ぎ大きな問題になっている。
去年10月 インターネット上で闇取引を行うサイト「シルクロード」を運営していたアメリカ人の男がFBI連邦捜査局に逮捕された。
この闇サイトでは主に麻薬が密売され売買にはビットコインが使われていた。
開設余2年余りで世界各地で約100万人がこのサイトを利用し取引は日本円で1000億円超と見られていた。
この闇サイトはFBIによって閉鎖されたが同じような闇サイトがすぐに立ち上げられた。
掲載されているのはこれまでと同様コカインや覚せい剤などの違法薬物。
そして偽造パスポート。
決済はやはりビットコインである。
金融機関などの第三者に知られることなく取引が行われることから闇社会で悪用されているのである。
危機感を強めているのがアメリカ議会である。
闇サイトの摘発を受けて去年11月 緊急に公聴会を開催。
ビットコインの規制を強化すべきか調査に乗り出した。
(米上院国土安全保障・政府問題委員会 カーパー委員長)
「仮想通貨は資金洗浄や麻薬の密売、子どもの人身売買に悪用の可能性がある。」
アメリカ司法省の高官もビットコインの危険性を指摘した。
(司法省高官)
「ビットコインのような新技術は犯罪に使われる恐れがあると認識している。」
これに対してビットコインの普及を目指す団体は
ビットコインが犯罪の温床になっているというのは誤りだ
と反論した。
(ビットコインの普及を目指す団体幹部)
「ビットコインが違法取引を助長しているわけではない。
明確なルールを示してもらえれば人々は従うし雇用も生み出せる。」
ビットコインは利用者が増えれば価値が上がることから投資の対象になっている。
中國で富裕層を中心にビットコインを購入する人が急増し価格が急上昇した。
去年始め約10ドルだった1ビットコインの価格は1200ドルにまで上昇した。
(中国のビットコイン利用者)
「私が買ったビットコインの価格は今では10倍以上になりましたよ。」
しかし中国政府が投資の過熱を警戒し12月にビットコインの規制を強化する措置を発表すると瞬く間に価格は半分以下に下落した。
中国の国営テレビはビットコインへの投資はリスクが大きいと繰り返し伝えている。
(中国のビットコイン取引所社長)
「ニュースを見て多くの人があわてて売りに出して大幅に下落した。
短時間で1000元も下落していて非常にリスクが大きい。」
通常の通貨と違って国や中央銀行の後ろ盾がないビットコイン。
ヨーロッパ諸国やインドも暴落の危険性を指摘し投資家などに注意を呼び掛けている。
専門家はビットコインがコインの裏表のようにメリットとデメリットを併せ持っていると指摘する。
(ジョージタウン大学 ジェームズ・エンジェル准教授)
「当面はコンピューター関連の雇用を生み出すでしょう。
ほかの分野に応用が利く画期的な技術も開発されている。
しかしビットコインは買いたい人がいて初めて価値が生まれる。
価格が急激に変動したことは誰もその価値を保証していないことを示す。
現時点ではまだ確固とした存在とは言えない。」
今のネット社会を象徴ともいえるビットコイン。
可能性を感じさせる一方で危うい側面も明らかになってきている。
新たな決済の手段として定着するまでには多くの課題が残されている。
本物のお金に代わって世界で注目されているのがインターネット上で流通するビットコインという仮想の通貨。
利用者はまずネット上に専用の口座を開く。
そして現金を支払ってビットコインを買う。
そうするとこのコインを使ってネット上の店舗などで買い物ができるようになる。
ビットコインを使う人同士なら支払いの際に金融期間を通さないので手数料がかからないというメリットがある。
ビットコインは現金や電子マネーに代わる決済の手段としていま世界に広がっていて
実際にお店で使えるところも増え始めている。
ビットコインを使えるニューヨークの飲食店。
客が10ドルの飲み物をビットコインで買う場合
店員はQRコードで請求する。
10ドルはこの日のレートで0,0248BTC(ビットコイン)。
“ビットコインで支払いを”という表示が出た。
それを客がスマートフォンで読み取り画面をタッチすると
10ドル分のビットコインが店側に支払われた。
銀行などの金融機関を通さないため取引に手数料はほとんどかからない。
スマートフォン1台で決済できる手軽さや世界共通の通貨で両替の必要が無いことから利用者は数百万人に急増しているとみられている。
(ニューヨークに来たドイツ人)
「とにかく便利だ。
行く先々の国で両替せずに済むから。」
今や高額な商品までビットコインで売り買いできる。
ラスベガスで売りに出されている高級住宅は価格は日本円で約8億円だが所有者はビットコインでの受け取りを望んでいる。
ドルよりもビットコインのほうが将来的に価値が高まると考えているからである。
(住宅を売りに出す所有者)
「ビットコインは他の仮想通貨よりも広く普及しているから良い。」
ビットコインが世界に広がるきっかけを作ったソフト開発会社創業者フレッド・エーサムさん(25)。
一昨年 一般の人でも簡単にビットコインで買い物ができるソフトを開発した。
ビットコインの利用者の多くがそのソフトを使っていると言う。
エーサムさんは勤めていた大手投資銀行を辞めて開発会社を設立。
ビットコインによってビジネスチャンスが広がると確信している。
(ソフト開発会社創業者 フレッド・エーサムさん)
「これは素晴らしい技術で世界中の銀行や支払いの在り方を根本から変える。」
しかしビットコインは匿名で利用できるため犯罪に悪用されるケースが相次ぎ大きな問題になっている。
去年10月 インターネット上で闇取引を行うサイト「シルクロード」を運営していたアメリカ人の男がFBI連邦捜査局に逮捕された。
この闇サイトでは主に麻薬が密売され売買にはビットコインが使われていた。
開設余2年余りで世界各地で約100万人がこのサイトを利用し取引は日本円で1000億円超と見られていた。
この闇サイトはFBIによって閉鎖されたが同じような闇サイトがすぐに立ち上げられた。
掲載されているのはこれまでと同様コカインや覚せい剤などの違法薬物。
そして偽造パスポート。
決済はやはりビットコインである。
金融機関などの第三者に知られることなく取引が行われることから闇社会で悪用されているのである。
危機感を強めているのがアメリカ議会である。
闇サイトの摘発を受けて去年11月 緊急に公聴会を開催。
ビットコインの規制を強化すべきか調査に乗り出した。
(米上院国土安全保障・政府問題委員会 カーパー委員長)
「仮想通貨は資金洗浄や麻薬の密売、子どもの人身売買に悪用の可能性がある。」
アメリカ司法省の高官もビットコインの危険性を指摘した。
(司法省高官)
「ビットコインのような新技術は犯罪に使われる恐れがあると認識している。」
これに対してビットコインの普及を目指す団体は
ビットコインが犯罪の温床になっているというのは誤りだ
と反論した。
(ビットコインの普及を目指す団体幹部)
「ビットコインが違法取引を助長しているわけではない。
明確なルールを示してもらえれば人々は従うし雇用も生み出せる。」
ビットコインは利用者が増えれば価値が上がることから投資の対象になっている。
中國で富裕層を中心にビットコインを購入する人が急増し価格が急上昇した。
去年始め約10ドルだった1ビットコインの価格は1200ドルにまで上昇した。
(中国のビットコイン利用者)
「私が買ったビットコインの価格は今では10倍以上になりましたよ。」
しかし中国政府が投資の過熱を警戒し12月にビットコインの規制を強化する措置を発表すると瞬く間に価格は半分以下に下落した。
中国の国営テレビはビットコインへの投資はリスクが大きいと繰り返し伝えている。
(中国のビットコイン取引所社長)
「ニュースを見て多くの人があわてて売りに出して大幅に下落した。
短時間で1000元も下落していて非常にリスクが大きい。」
通常の通貨と違って国や中央銀行の後ろ盾がないビットコイン。
ヨーロッパ諸国やインドも暴落の危険性を指摘し投資家などに注意を呼び掛けている。
専門家はビットコインがコインの裏表のようにメリットとデメリットを併せ持っていると指摘する。
(ジョージタウン大学 ジェームズ・エンジェル准教授)
「当面はコンピューター関連の雇用を生み出すでしょう。
ほかの分野に応用が利く画期的な技術も開発されている。
しかしビットコインは買いたい人がいて初めて価値が生まれる。
価格が急激に変動したことは誰もその価値を保証していないことを示す。
現時点ではまだ確固とした存在とは言えない。」
今のネット社会を象徴ともいえるビットコイン。
可能性を感じさせる一方で危うい側面も明らかになってきている。
新たな決済の手段として定着するまでには多くの課題が残されている。