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“肥満をなくせ”変わるインド

2014-01-28 08:00:00 | 海外ネットワーク
1月19日 NHK海外ネットワーク


脂がたっぷり入ったカレーに羊や鳥の串焼き
食後には揚げたお菓子も欠かせない。
インドの人たちの好きな料理はとても濃厚でどれも油をたっぷり使っている。
インドでは伝統的に太っていることが富や豊かさの象徴と考えられてきた。
「太るのなんて怖くないわ。」
「3食の他にチャイやビスケットが欠かせないよ。」
しかし今こうした価値観に変化が訪れている。

急速な経済成長を遂げたインド。
ところが食生活も豊かになりライフスタイルも変わったことで生活習慣病のなかでも糖尿病の患者が急増した。
その数は6500万人にものぼる。
働き盛りの年代が健康を損なえば経済にも影響しかねないとインド政府も本格的な対策に着手。
30歳以上は生活習慣病の健診を受けられるようにした。
(肥満対策の専門家 プラディープ・チョーベー医師)
「インドではこれまで太った人は健康で裕福だと考えられてきた。
 しかし時代は変わった。
 体重の増加はむしろ病気の兆しと国民に知ってもらおうと努めている。」
飲料メーカーの営業部長であるジョティ・プラカシュ・サフさん(39)。
接待で外食する機会も多く体重は110キロを突破。
以前は太りすぎとは考えていなかったが
最近は社員の健康管理のため減量を求める会社も増え
取引先で肩身の狭い思いをすることも増えてきた。
(サフさん)
「ビジネスマンは外見が良い方が顧客への印象も良い。
 減量で仕事がうまくいくと期待している。」
ダイエットを決意したサフさんは最近 ダイエットクリニックへ通い始めた。
栄養士がまず指摘したのが外食の多さである。
利用者に合わせてヘルシーなメニューを提案する。
(サフさん)
「これも時代の流れです。
 15年前の自分の姿に戻れたらうれしい。」
インドの若者の間ではフィットネスも人気。
街には約20円で体重や身長、血圧、肥満度の計測器も登場。
富裕層や中間層向けのスーパーでは油や砂糖の少ない食品が売り上げを伸ばしている。
調査会社によるとインドでの健康ビジネスの市場規模は食品関連だけでも年間1兆円にもなるとみられている。
その巨大市場を日本企業も狙っている。
家庭用の血圧計が普及していないことに目をつけた会社は
自宅で血圧を測ればさまざまな生活習慣病の予防につながると街頭で無料の測定会を開いた。
「血圧が高めだとは知らなかった。
 家でも調べるようにした方がいいね。」
一方 日本の食品メーカーは12月にインドで初めて試食会を開いた。
食物繊維が多く糖尿病に効果があるとされる大麦。
試食会ではインド人もよく食べる米と混ぜて気軽に食べられるとアピールした。
「すばらしい。
 あのような味は初めて。
 おいしく食べるコツを広めれば成功すると思う。」
「インドでは糖尿病になる人が多いのでこれはいい。」
インドでは来月から発売予定だが都市部のスーパーだけでなく病院からも引き合いが来ているということである。
(食品メーカー「はくばく」長澤重俊社長)
「糖尿病にいい・食物繊維が豊富というのは非常に魅力的だと。
 粘り強くやって行けば必ず花開くのではと思う。」

豊かさを手に入れた一方で体重にも気を使わなければならなくなったインドの人たち。
ぜい肉との戦いは始まったばかりである。




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