日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

先人が築いた歴史を 積み木のように崩す尊大な中国

2014-12-28 08:00:00 | 編集手帳

12月22日 編集手帳

 

今から30年前の1984年12月19日、
北京の人民大会堂で、
これぞ「歴史的」と呼ぶにふさわしい合意文書の調印式が行われた。
署名者は、
趙紫陽中国首相とサッチャー英首相。
後ろから見守っていたのは、
トウ小平氏だった。

アヘン戦争で英国の植民地となった香港を、
97年に中国に返還することを決めた 「中英共同宣言」だ。
香港の「高度な自治権」が明記され、
宣言の基本方針は50年間不変という一文も盛り込まれた。

この宣言を巡る不可解な出来事があったのは、
香港の学生デモがまだ続いていた先月末のことだ。
在英中国大使館が、
英下院議員団の香港入りを拒んだ際、
「香港の返還後は、
共同宣言は無効になっ た」との見解を伝えたという。

英議員が、
宣言を根拠にデモに口出しするのを嫌ったのだろう。
国同士の約束をあっさり反古(ほご)にしようとする行為に、
英側は「ばかげている」と反発した。

経済、
軍事の両面で大国となった中国は
、時折、
「古い話など知らぬ」と言わんばかりの態度を外国に見せる。
先人が築いた歴史を、
積み木のように崩す尊大さが危うい。
日中関係でも、
思い当たることは多い。

コメント