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ミャンマーで躍進する日本企業

2014-12-30 08:00:00 | 報道/ニュース

12月16日 キャッチ!


NATO (No Action Talk Only)
これはミャンマーの人たちが日本のビジネスマンを表したもので
日本企業は視察団は派遣するものの実際は投資などの行動には結びついていないという批判が込められている。
3年前の民政化以降 海外の企業が勢いよく市場に参入する中で慎重な日本企業は出遅れていたが
7%を超える経済成長に刺激を受けて
今年からは積極的に活動を展開している。

人口約700万人。
ミャンマー最大の都市ヤンゴン。
市街地から車で1時間ほどの所にある広大な敷地。
日本の大手商社などが建設を進めるティラワ工業団地である。
総面積は東京ドーム85個分の約400ha。
去年11月に着工し来年半ばにオープン予定である。
ここはミャンマー政府によって経済特区に指定されている。
このため進出企業は法人税の減免などのメリットを受けることが出来る。
今年5月から用地の販売が始まっているがすでに全体の60%で企業の進出が決まっている。
ミャンマーの労働者の平均月収は約6,000円。
この低いコストを生かして製品を生産。
ミャンマー国内で販売しようとしている。
そして企業の進出に欠かせないのが金融機関の存在である。
しかしこれまでミャンマーでは国内の銀行にしか営業が認められていなかった。
そこで今年10月 ミャンマー政府は外国の銀行に支店開設免許を交付した。
選ばれたのは6か国の9つの銀行。
日本からは三菱東京UFJ・三井住友・みずほ銀行の3大銀行が揃って選ばれた。
今後3行は支店開設の準備をすすめ
来年中に送金や預金などの業務を始める予定である。
また国際空港の事業権も日本企業が勝ち取った。
ミャンマー第2の都市にあるマンダレー空港。
この空港は2000年に建設されたがメンテナンスがままならず老朽化が進んでいる。
そこで国際入札の結果
三菱商事などの企業連合が事業権を獲得。
老朽化した設備の改修をすすめ
10年後には利用客を今の2倍に増やす計画である。
さらに急速に利用者が増えている携帯電話事業にも日本企業が関わっている。
ミャンマーでは通信設備などの建設が追い付かず携帯電話の普及率はわずか10%にとどまっている。
そこで日本のKDDIと住友商事がミャンマーに新会社を設立。
携帯電話事業を独占的に手掛けてきたミャンマー郵電公社と共同で今年9月にサービスを開始した。
(ジェトロ・バンコク事務所 伊藤博敏さん)
「日本企業はミャンマーの可能性を見極めながら着実にビジネスを展開してきた。
 ASEAN経済共同体が2015年発足予定でいろいろな動きが進んでいる。
 ここに食い込んでいくことで2015年以降も見据えた巨大なミャンマーのビジネスチャンスを獲得できる。
 今は重要なタイミング。」

2013年度のミャンマーへの投資額は
1位シンガポール 2,700億円
2位 韓国
3位 タイ
上位3か国で全体の85%を占めている。
これに対し日本は7位。
携帯電話事業でもノルウェーやカタールの企業がそれぞれ単独で新会社を設けるなど活発な動きが目立っている。
ティラワ工業団地の建設や運営を日本が手掛けることになった影響は大きい。
進出する企業の約半分は日本からである。
企業が進出すれば金融機関も必要になるため
日本の3大銀行すべてに支店の開設に必要な免許が交付された。
日本はこれまでミャンマーで人材の育成や設備のメンテナンスなどきめの細かい支援を行ってきた。
こうした点が日本に対する評価につながったものとみられる。
今後最大の課題は脆弱なインフラをいかに整備するかである。
軍事政権が長く続いたミャンマーでは予算不足からインフラがほとんど整備されてこなかった。
特に深刻なのが電力不足である。
最大都市のヤンゴンでも頻繁に停電が起きていて経済成長の妨げになっている。
日本のODAで1980年代に建設された火力発電所は30年近くたった今も稼働しているが発電効率は落ちている。
こうした老朽化した発電所の改修などを進めて
企業が安定的に操業できる環境をいかに整えるかが重要になってくる。
(JICA ヤンゴン事務所 田中雅彦所長)
「今後の経済発展を考えると
 20年ぐらいでミャンマーの電力は5倍~8倍に需要が増える。
 圧倒的に電力が足りない状況。
 発電が追い付かずにその国の経済発展が停滞したという多くの諸外国の苦い経験がある。
 電力の安定供給が第一。」
もともと日本とミャンマーの間には長い経済協力の歴史がある。
街中では日本から譲り受けた中古のバスや列車が数多く走っているなど
ミャンマー人の日本人に対する信頼は極めて高いと思われる。
こうした状況を生かして日本がミャンマーでビジネスの足場をさらに固めるには
日本が培った経営のノウハウや技術力を教えるなど
長期的な視野に立った息の長い支援が求められている。

 

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