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中国黒竜江省 構造改革の実情

2016-08-01 07:15:00 | 報道/ニュース

7月12日 キャッチ!


中国最大の油田がある黒竜江省大慶市。
生産設備の老朽化と
原油価格の下落に直面し
石油の町は不況にあえいでいる。
ピークだった1990年代には
年間5,600万トンにも及んだ国有企業による原油の生産は
去年 減産を強いられ
3,800万トン台となった。
今後5年でさらに20%近く減産するとみられる。
これに伴い
石油産業に依存してきた大慶市の経済成長率は
去年初めてマイナスに転落。
国有企業のリストラが迫られるなか
市内では先行きへの不安が広がっている。
(商店主)
「近年 売り上げは減っています。」
(油田の労働者)
「私の収入の減りは少しですが
 友人のは激減し節約しています。」
地域経済を支えてきた重工業の不振が厳しさを増すなか
当初はこれまで実績が乏しかった外国からの投資を呼び込もうとしている。
6月 すでに中国に進出している日本の商社やメーカーなど
約20社の大手企業の幹部らを招いてビジネス交流会が行われた。
黒竜江省の省長自ら
規制の緩和を進めるとともに
地域ビジネスの育成を積極的に進める方針を力説した。
(黒竜江省 省長)
「日本の産業界は製造業だけでなく中国の消費に注目すべきです。
 中国経済は大きく変化しています。」
“共産党の次世代のホープ”と言われている省長の熱心な発言に
日本企業も強い関心を寄せている。
(日本企業 関係者)
「黒竜江省を投資の対象と考えていなかったが
 少し考えを変えても良いのかと思う。」
黒竜江省側がまず視察団に披露したのは
バイオなどのハイテク企業だった。
血液の流れをよくする独自の漢方薬を開発し
脳血栓の薬や注射液などを製造する製薬メーカー。
中国の医療ニーズを背景に
年商は200億円余に増加し
さらなる成長が見込まれる。
一方 自動車の空調に使う圧縮空気を作る機械のメーカー。
アメリカの技術を導入し
年間200万台余を生産してきたが
現在は中国で普及が見込まれる電気自動車向けの製品を独自の技術で開発中である。
次に一行が案内されたのは観光名所。
省内を代表する湖
南北45キロに広がる火山のせき止め湖「鏡泊胡」である。
国を代表する風光明媚な場所として連日観光客が訪れている。
(観光客)
「夫婦2人で約6万円です。
 昔は観光など叶いませんでした。」
中国では所得の向上に伴い旅行客が急増。
政府はこの5年で旅行する中国人の数が倍増すると見込んでいて
地域経済の活性化が期待されている。
地元 牡丹江市では湖の周辺に一大リゾート地の建設を開始。
手始めに3,000億円以上を投じ
200棟の宿泊施設の他
温泉やゴルフ場などを整えた。
ただ施設を運営する企業の誘致はこれからで
営業開始の後の採算や開発計画全体の実現のめどは立っていない。
(日本企業 関係者)
「詰まっていない計画で無駄遣いが結構多い。
 もう少し着実に1つ1つクリアしていかないと
 大きい計画だけでは無理という気がする。」
懸念材料も踏まえたうえで
構造改革を目指す中国の経済が今後どこまで発展するか。
黒竜江省の視察を受けて大手商社では
東北部での投資を再び拡大するべきか
検討に入った。
「黒竜江省は大きく変革を遂げようとしています。」
「現地の有力な企業との提携により
 大きなビジネスチャンスがあると思われる。」
投資拡大を決めるカギは
産業育成の取り組みが掛け声倒れにならないか。
中央政府と地元政府の本気度を見極める点にあると分析している。
(伊藤忠商事 常務 上田明裕さん)
「やりたいテーマのところに中国政府がどれだけ支援するか
 どれだけ資金がつくのか
 そこまで踏み込んで話を持って来ていただけると
 極めて話が進みやすい。」


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