7月21日 キャッチ!
6月 植樹を訴えるイベントがバンコクで開かれた。
専門家が急速な森林破壊の現状を報告。
大勢の市民のボランティアが
植樹に使われる木の種が入った泥団子作りに協力した。
(参加者)
「あまりに環境破壊が進んでいるので
もっと緑を増やしたいです。」
そして森の再生に向けてある男たちが立ち上がった。
タイでドローンを使っているプロの写真家や愛好家たちのグループである。
林業省の専門家もドローンによる協力を歓迎している。
(林業省 緑化担当)
「ドローンで泥団子を運ぶのは
人が入れない場所に落とすためです。」
グループの中心で
バンコク郊外でドローンの専門店を経営するキーさん。
これまで空の上からタイの緑が失われていく様子を目撃してきた。
(タイランド・ドローン キーさん)
「ドローンが撮った北部の山の写真です。
森が消えていてショックを受けました。
見渡すかぎりの山々から緑が消えていました。」
ひたすら経済成長を追い求めてきたタイ。
タイ北部では
高級木材の伐採や無秩序な焼き畑の影響で
この10年で森の3割以上が失われた。
かつては緑で覆われた山並みも
今では無残な姿をさらしている。
経済的な豊かさの一方で失われつつある自然。
いまこの大切なものを守ろうとする気づきが生まれている。
去年 娘が生まれたキーさん。
次の世代に緑を残すことが自分たちの責任だと考えるようになったという。
(タイランド・ドローン キーさん)
「環境破壊を目の当たりにして不安を感じるようになりました。
自分の子供がひどい環境の中で暮らすのかと思うと情けない。」
効率的に種をまくにはどうるれば良いのか。
キーさんは試作機の製作と開発に取り組んでいる。
植樹プロジェクトの当日
バンコクから車で8時間以上離れたタイ北部の山に
2千人以上の市民が集まった。
少し遅れてドローンチームも到着。
各自工夫を凝らした14機ものドローンを持ち寄った。
キーさんはこの日 少し大きめのドローンを選んだ。
機体の下になるべく多くの泥団子を入れるためである。
次々と離陸するドローン。
さながらSF映画のような光景である。
人が近づきにくい場所まで飛んで行って
アームを動かす。
投下成功。
この日は半径800mの範囲内で
ローズウッドの種などの入った2,000個の泥団子やカプセルをまくことができた。
(タイランド・ドローン キーさん)
「やろうと思ったことができたので作戦は成功だと思います。
次回はもっと準備をして
効率的に種を落とせるようにしたいです。」
写真撮影に始まり
様々な分野で活用が広がるドローン。
森林再生にも一役買うことができるのか
期待を集めている。