8月23日 キャッチ!
7月 アメリカ南部で連続して起きた警察官による黒人の射殺。
事件の様子はインナーネット上に公開され
全国各地の黒人市民は大きく反発した。
武器を持たない黒人に対する警察官の発砲。
この過剰な取り締まりはなぜ行われたのか。
一方 これらの事件直後
今度は逆に黒人が警察官をねらう襲撃事件が相次いで発生。
複数の警察官が殺害された。
(オバマ大統領)
「我々はこのような悲劇を何度も見てきた。
すべてのアメリカ人が考えるべき問題だ。」
黒人の大統領が誕生。
人種間の壁を乗り越えたはずのアメリカに何が起きているのか。
全米でも有数の犯罪多発地域として知られるカリフォルニア州リッチモンド。
警察官が射殺された一連の事件を受け
地元警察は新たな訓練を始めた。
訓練では
ナンバーが無いという不審者の通報を受け
新人警察官らが現場に向かう。
そこにはエンジンをかけたままでドアが開いている白い車。
車に近づくと犯人が警察官を近づけて銃殺するという想定。
日常的な何気ないパトロールの中にも
意図的な悪意を持つ市民によって命が狙われる危険性があることを学ぶ。
(警察官 マイケル・パガリングさん)
「ふだんから繰り返し訓練していればリスクを減らすことができます。」
(警部 ルイ・ティローナさん)
「南部の州で起きたことは悲劇です。
警察官という理由で標的にされました。
我々の責任は市民を守ると同時に
自分たち自身も守るということです。」
あらゆる事態を想定し
緊張感を持つことと同時に
警察官に落ち着いた対応が求められる。
職務質問の訓練は
相手を刺激しないようにゆっくり丁寧に話しかけるよう
落ち着いた対応を身につける。
「扉から30~40cm
車内が見える位置に立つように。」
車の脇に立つ位置も重要である。
一昨年 全米各地で警察官による過剰な対応が問題となるなか
この警察署では公正さを市民にアピールするために
警察官の制服に装着する小型のボディカメラの導入をいち早くした。
このカメラによって公務の一部始終が録画されることになっている。
リッチモンドの警察署では市民からの信頼を得る努力を続け
良好な関係を築いてきたが
全国的な警察官の問題を指摘する。
「残念ですが警察公務に悪い例があります。」
緊張を強いられる警察官が過剰な取り締まるを行うことがある今
これに対処するために
市民も自衛手段を学ぶべきだとする男性がいる。
カントリー歌手 コフェ・アンダーソンさん。
黒人が警察官に車を止められたときの対処法のビデオを製作した。
①エンジンを止める
②ラジオを切る
③警察が来る前にIDをダッシュボードに乗せる
④両手をハンドルの上に乗せる
(コフェ・アンダーソンさん)
「ネットで映像を見てすぐに保安官の友達に電話をかけたよ。
黒人がどう行動するべきか聞いたんだ。」
5分ほどの映像は1か月で3,000万回も視聴され
この問題への関心の高さを表している。
この評判に
あるテレビ番組がアンダーソンさんを招待。
オバマ大統領に直接質問する機会が設けられた。
(コフェ・アンダーソンさん)
「警官に車を止められた経験は?」
(オバマ大統領)
「もちろんあります。」
オバマ大統領は今も残る黒人に対する偏見をなくすために
アメリカ社会全体で取り組まなければならないと強調した。
(オバマ大統領)
「黒人というだけで危険だと推測されてしまう。
問題はそれらの無知と誤解をどう減らしていくかだ。」
一方 インターネットにはビデオに対する批判的なメッセージが。
アンダーソンさんは白人と黒人の溝を埋めるためには
どんなことでもお互いが自分の考えを伝え合うことが大事だと訴えている。
(コフェ・アンダーソンさん)
「悲しいね。
アメリカはいつまでたってもひとつになれない。
社会をよくするには意見に心を開くことです。」