8月4日 キャッチ!
きらびやかなドレスに豪華な結婚式。
北京で結婚式の展示会が開かれ
来場者は2日間で3万人に達した。
会場で目立ったのは
式の細かい演出までこだわりを見せる積極的な女性の姿。
「披露宴会場は暗い方がロマンチックだわ。」
それとは対照的に
男性とその両親はなんだか不安げな表情である。
「基本的に計画は彼女が立て
私がお金を出します。」
中国の結婚では
男性側が式の費用に加え
家と車を用意するのが慣習となっているが
近年 その負担額が増加しているというのである。
結婚に際して
女性の優位が強まっている原因の1つは
30年余にわたって続いた「一人っ子政策」である。
80年代にこの政策が始まると
働き手として男の子が重宝がられ
女の子は不法に中絶されるケースが後を絶たなかった。
その結果 女性より男性の数が上回り
現在
20代前半の女性100に対して
男性は107。
10年後に結婚適齢期を迎える10代前半は119と
男女の人口のアンバランスはますます広がることになる。
結婚の問題が最も深刻なのは農村部である。
河北省の農村で結婚の仲介をしてきた楊鳳蘭さん。
結婚を希望する独身男性が多くいるのに
相手の女性がなかなか見つからないという。
(楊鳳蘭さん)
「以前は100平米の家があればお嫁さんは見つかりました。
年に7~8組の結婚を成立させましたが
今では1~2組です。」
農村ではもともと男性の方が多いことに加え
女性はひとたび都市部に進学すると
そこで結婚相手を見つけて地元に戻ってこないからである。
一方 都市部の若い男性にとっても結婚相手を探すのは至難の業である。
大きく立ちはだかるのは経済力の問題である。
経済発展に伴い
都市部の住宅価格が高騰し
北京での平均価格は8,000万円。
結婚の条件となる「家」「車」「貯金」の3点セットを都市部で揃えるのは無理だと
結婚をあきらめる男性も少なくない。
「家や車のない結婚は
生活も不安定でありえない。」
「衣・食・住と車があれば結婚できます。
“モノ”が支配する社会なのです。」
結婚のハードルが高くなるなか
生活スタイルの多様化もあり
結婚そのものに執着しない若者が増えているという。
「愛情と“モノ”がないなら独身かな。」
「いい相手がいなければ結婚する必要はないです。」
ところがこうした状況に焦りを募らせている人たちがいる。
北京市中心部の公園は週に2回 高齢者でごった返している。
息子や娘の結婚相手をさがしている。
路上に並べられたのは息子や娘の紹介本。
愛情いっぱいに育てた自分の一人っ子を
何とか結婚させようと親同士が真剣に話し合う。
「北京以外はダメね。
北京戸籍は重要よ。
子どもの学校とかいろいろと関係するのよ。」
子ども以上に結婚に執着を見せる親たち。
そこには親の世代に今も残る古い中国の結婚感がある。
(北京大学 陸教授)
「親の世代は世間体を強く気にして
子どもに結婚させようと必死なのです。」
中国社会で表面化している結婚の問題。
経済発展の裏側で
独身の若者
そしてその親たちに重くのしかかっている。