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貧しい子供に医療を 日本人写真家の奮闘

2016-08-13 07:15:00 | 報道/ニュース

7月23日 おはよう日本


重さ20kgの大型カメラ。
操作するのはニューヨーク在住の写真家 井津建郎さんである。
井津さんは
現像の際に白金を利用するプラチナ・プリントという技法の第一人者として
世界的に知られている。
井津さんの作品の特徴は
光と影のコントラストである。
世界各地の遺跡や歴史的建造物等をとらえた
深い陰影のある作品を数多く発表してきた。
(写真家 井津建郎さん)
「写真というのは光と陰でできていると思う。
 ご覧になってわかるように
 光がないと写真にならない。」
井津さんには写真家の他にもう1つの顔がある。
東南アジアのラオスとカンボジアで
小児病院を運営するNGOの代表を務めている。
井津さんの作品を売った収益や
一般の人たちからの寄付などで運営されるこの病院。
世界中から集まった医師や看護師が
貧しい子どもたちのために無料で医療を提供している。
「子どもを無料で診察してくれてとても助かります。」
年に何度も病院を訪れ
患者やスタッフたちの様子を視て回る井津さん。
病院の運営は大切なライフワークと考えている。
井津さんが医療支援を始めたきっかけは23年前
内戦後のカンボジアを訪れた際
目の当たりにした社会の光と影だった。
(写真家 井津建郎さん)
「アンコールワットの遺跡群は素晴らしいけど
 それが“光”だとしたら
 “影”はその裏で貧困に苦しんで
 医療は全く無い子たちをたくさん見て
 それが見えたときに
 ただ美しい遺跡を撮って発表するだけでは
 やっぱり写真家として自分のミッションが果たせない。」
社会の影の部分にも光を当てていくことを決意した井津さん。
病院の運営だけでなく
通えない人たちのため訪問診療も行っている。
この日向かったのはラオス西部の山岳地帯にある村。
今までこの村にはNGOの支援も届いていなかった。
そこで井津さんの病院のスタッフが毎月のように訪れ
健康診断をすることにした。
目指しているのは
医師と患者が家族のように触れあう“心のかよった医療”である。
スタッフは家の中にも入り
台所や食器棚が清潔に保たれているかどうか確認する。
(日本人看護師)
「すごくきれいにしています。
 前はめちゃくちゃだったけど。」
これまで衛生状態が悪く
伝染病が発生しやすかったからである。
何度も村を訪れてきたスタッフに村人たちも次第に信頼を寄せ
今では家族のように受け入れられるようになった。
(写真家 井津建郎さん)
「ただ医療をする病院じゃない。
 ドクターが患者の目を見て手を握る。
 それだけの行為で子どもが非常に心が休まるんです。」
井津さんはアジアの貧しい子どもたちへの支援をさらに充実させたいと考えている。
その活動に協力したいという人たちが集まってチャリティー・オークションが開かれた。
この日は2,000万円ほどが寄せられた。
井津さんはこうした資金をもとに
支援の輪をさらに広げたいと考えている。
(写真家 井津建郎さん)
「1人だと小さな夢でも
 これだけたくさんの人が集まると夢が大きくなる。
 あんな大きな病院が1つでなく
 2つ3つになっていく。
 そういう心のかよったケアをする病院を
 あちこちにモデルとしてつくるのが夢です。」


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