7月23日 おはよう日本
九州有数の温泉地 佐賀県の嬉野温泉。
街を歩くとまず目に入る案内板。
「車いすでどうぞ」
体の不自由な人も安心して店に入ってほしい。
「イングリッシュOK」
外国人ももてなしたい。
「お子様連れも大歓迎」
赤ちゃんと一緒も歓迎。
訪れた人が誰もが楽しめるようにと店先に設置された。
嬉野温泉では宿泊客の掘りおこしにつなげようと
日本一のバリアフリーの町を目指して
温泉地全体でおもてなしの普及を進めている。
今まで温泉をあきらめていた人にも楽しんでほしい。
その思いから新たなサービスが始まった。
その1つが1人で温泉に入ることができない人の入浴介助である。
この日は80代の女性が訪れた。
福祉施設の介護士が2人1組で安全に入浴できるよう手助けする。
入浴介助は予約制で
旅館など15か所で利用できる。
個別の旅館だけでなく
温泉地全体で連携して行うのは全国で初めてである。
「安心して入れるんですね。
何十年ぶりかに温泉に入れました。」
(介護士)
「涙を流す方もいて
本当にやって良かったなと感じます。」
旅館の客室も誰もが使いやすいように工夫されている。
スロープが設置されて入りやすい入り口。
浴室には足を滑らせないようにと防水の畳が敷かれている。
嬉野温泉にあるこうしたバリアフリーの客室は
8年前の2部屋から
今では17部屋に増えている。
(旅館 女将 光武洋子さん)
「旅行に行きたくても行けないと思ってあきらめていた方が
こういう部屋や入浴介助のシステムがあるということで
まだまだ旅行に行けるんだという気持ちを持っていただけたら
一番うれしい。」
より快適に
そしてより優しく。
それぞれの旅館で独自のおもてなしが生まれている。
この旅館の女将は
赤ちゃんがいる旅行客向けの宿泊プランを考えた。
部屋にはおもちゃやベビー布団、赤ちゃん用のいすを用意。
食事は朝も夜も部屋で取ることが出来る。
そして赤ちゃんには離乳食、細かく切ったバナナやうどんなどを
月齢に応じて出している。
(母親)
「何でも用意してもらっていることと
周りの目がすごく気になるが
食事を部屋で用意してもらえるのですごく助かる。」
(旅館 女将 光武洋子さん)
「バリアフリーは人の優しい気持ち。
お客様にどうしてあげたいか
くつろいでもらうにはどうしたらいいだろうか。
そういうことを考えるのがおもてなしだと思うし
みんなに優しい町になればいい。
うちの旅館もそうなりたいと思う。」
訪れた人たちを笑顔にしたい。
町の人たちが一丸となって
誰もが楽しめる温泉地作りが進められている。