
あなたの知らないところに
いろいろな人生がある
あなたの人生が
かけがえのないように
あなたの知らない人生も
またかけがえがない
人を愛するということは
知らない人生を知るということだ
(灰谷健次郎「ひとりぼっちの動物園」より)
人の人生を知って、やっと自分の人生がどのようなものかを知ることができます。自分の人生を大切にできます。
常に弱者の側に立って、人を愛した灰谷健次郎さんらしい言葉です。
こんな詩も残しています。
人間いうたら
自分ひとりのことしか
考えてへんときは
不幸なもんや
(「太陽の子」より)
今を生きる私たちの世の中・社会は、自分に関心が向きやすい傾向があります。
でも、本来は、他者に関心をむけ、他者とかかわりを持つことで、自己がよりよく見えるということを、灰谷さんは言っているのだと思います。