
台風が過ぎ去り、毎日暑い日が続いています。
ふと、上空を見上げると、青空が広がっていました。
こんな短歌があります。
不来方(こずかた)の お城の草に 寝ころびて
空に吸われし 十五の心 (石川啄木)
石川啄木の『一握の砂』に出てくる歌です。
これは、中学生の時代に心にとどめてほしい歌です。
寝ころんで上空を見ると、青空が広がっている。
すると、自分の身が青空に吸い込まれそうな感覚。
私も少年時代、家の近くのレンゲ畑に寝ころんで、青空を見たとき、まさしくこの気持ちになりました。
その青を見ていると、心が吸い込まれるような気持ちになれば青春です。
しかし、15歳でも、35歳でも、45歳でも、あるいは65歳でも、私たちは空を見上げるかぎり、さらには、心を空に移すことにときめきを感じるかぎり、青春の季節に立つことができます。