箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「2040年」を展望して

2017年12月02日 11時48分59秒 | 教育・子育てあれこれ



先日、研修で聞いた話。

1980年に、14歳までの全国の子ども人口は207万人いました。

それが、2017年には、104万人まで減少しました。

一方、65歳以上の高齢者は、1980年に61万人いました。

ところが、2017年には、240万人まで増えました。

そして、2040年には、子どもは67万人になり、高齢者は278万人になるだろうと予測されています。

23年後に、わが国では、いかに少子高齢化が進むかがわかります。

また別の視点から見ると、化学技術の進歩は、飛躍的に進みます。

とくに、IT革命、なかでも人口知能(AI)が今後も発達してきます。

人口知能の発達には、近年の脳科学の発達が影響しています。

いま、私たちがもっているスマホやタブレットは、30年前のデスクトップパソコン5000台分の情報を扱うように進化したとか。


そして、人口変動と化学技術の進展により、これからの社会の課題は変化していきます。

以上の話を、講師の先生が話されました。




そこで、私は考えました。どのような社会の課題が出てくるのかを。

認知症の高齢者が増え、独り住まいの老人も増えるでしょう。孤独死が今以上に社会の課題となるでしょう。

これから先、労働人口は減り、人口知能が人に代わり業務を担う分野も生まれるでしょう。

人不足を補うため、化学技術の進歩が埋め合わせていくことになるでしょう。

2040年には、いまの三中の生徒は、30歳代後半の年齢になります。

そのような時代に対応すべく、いま以上に「個の確立」が、教育に求められるようになるかもしれない。

社会の流れから、こぼれ落ちないように、自分で何でもできる力を持つように、子どもたちが強いられることになるという危惧を、私はもちます。



しかし、考えてみれば、人間は人とつながり、集団で暮らすことで生きてきました。

信頼と共感は、人類が生きていくためのメカニズムです。

赤ちゃんが、親を見つめ、表情をまねるようになるのも、身近な人とかかわりをもとうとする本能です。

人間は、本来、そういうものです。

しかし、化学技術が進歩して、人と面と向きあわなくても生きていける社会になりつつあります。

私たちは、感情や気持ちを交流することで、ふれあいを感じ、豊かな生活を感じることができます。

人との関係性のなかに、個は存在し、依存の先に自立は存在します。

そのような生き方に価値を定める人になってほしいと思います。きたる2040年に備えて。